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私がロシアの車を買うまで UAZ-2206

こんにちは。車バイクDIY好きのUI/UXデザイナー、もこもこです。

ロシアの車「UAZ-2206」を購入しました!今は夏の納車を待っているところです。

ロシア車というと知人友人に驚かれますが、このガチャピンみたいな車です。「珍しい!」「どんな車?」「強そう」と言われます。

前回の記事では、もう1台の愛車の購入をテーマに書きましたが、今回はUAZ-2206のこと。気づいたら3000文字超えてましたが、ご笑覧ください。

そもそも「ワズ」UAZ-2206とは?

UAZはロシアの自動車メーカー「ウリヤノフスク自動車工場」の略で「ワズ(ウァズ)」と読みます。「トヨタ」みたいなやつです。

2206が言うなれば車名で、私が購入したバンのこと。他にトラックやジープも作っています。

2206はその寸胴な姿から「ブハンカ(食パン)」という愛称でも親しまれています。


どんな車なの?

この車の1番の特徴は、1960年代からほぼ同じデザインで2022年の今も製造販売されていることです。

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元々は冷戦時代、核戦争に備えた軍用車両として造られ、雪道や泥道、氷上、川の中など悪路を走行できる丈夫な車。広大なロシアで救急車としても活躍してきたそうです。イメージとしては日本でいうハイエースなどの「はたらく車」のオフロードバージョンです。

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デザインが変わらない理由は「ソ連が共産主義国だったのでモデルチェンジして商品価値を保つ必要がなかった」「ソ連が崩壊したらお金がなかった」と言った話が有名です。が、私は「広大なロシア全土に道路を建設するより、どんな道も走れる頑丈な車を製造販売した方が安く済む」というのが好きです。さすがロシア。笑

なんでこの車を買ったの?

理由は3つあります。

1番は見た目です。

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このつぶらな瞳のようなライト、丸っこくてどこか野暮ったいフォルム、耳のようなミラー、まるで口をぽかんと開けたようなとぼけた形のグリル...何もかもに愛嬌を感じました。要するに顔がタイプだったということです。笑


2番目はシンプルなつくりです。

人と物を載せて走る最低限の仕組みが備わるのみ。登場以来、姿は変えずに地道な改良を重ねてきたようですが、数年前までエンジンが電子制御されていませんでした。最新の車でスイスイ走るのは楽しいですが、ワズは便利なナントカアシストもカメラもないアナログっぷり。今後、ますますリッチでデラックスに便利になる世界で、シンプル極まる時代に生きた先人たちへの感謝を忘れたくなくて、私はこの車に乗るのだと思います。

3番目、この車でやりたいことが色々あるんです。

まずはバンライフを楽しみたい!バイクや資材を運んだり、アウトドアを楽しんだり、作業スペースとして使ったり...。シンプルで何もついてないからこそ自分好みの空間にアレンジする余白があります。この車と暮らしを共にしたら楽しそうと思いました!

そしてみんなを笑顔にしたい!この可愛くとぼけた顔のブハンカなら、そこにあるだけでみんなを笑顔にできると信じています。移動販売車やイベント展示車としてお貸しすることも考えています。イベント参加の際は告知させていただきますので、ぜひご利用ください。笑

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あと元軍用車ならではのオフロード走行をしてみたい!道のない厳しい自然の中を走ってみたいです。気分はインディジョーンズ。まだ見ぬ場所に行ってみたい、どんな場所でも進んで行けそう!冒険心を掻き立ててくれる車だと思いました。

この車を選んだ最後の一押しは、もう運命的でした!笑 1年前のある日、思いもよらず実車を見かけました。珍しすぎて、驚きのあまり感動しました。

写真で見るより、可愛い。全てが愛おしい。同じ日に、道で珍しくPAZ(スバル・サンバーをUAZ顔にカスタムしたパロディ車)も見てしまい、もうこれは運命だ!もともと欲しかったし、買ってしまおう!

その日に購入を決め、周りにも宣言しました!呆れながら応援してくれた彼氏、仲間には本当に感謝しています。笑

どうやって買ったの?

さあ買うぞ。心に決めました。しかしUAZ-2206は日本で中古車が全然出てこないので、新車で買うしかありません。バンタイプは400-500万円くらいです。お金は毎月250時間くらい働いて必死で集めました。フリーランスなので仕事をくださった方には本当に感謝しています。

また、UAZは左ハンドル5MTしかありません。MT免許を持っていなかった私はすぐに教習所に通い始め、AT限定解除しました。UAZの操作はコツがいるそうですが、実際はどうなんでしょうか。気になります。

さあ、お金も免許も目処が立った。さて、どこで買うか。他の有名輸入車ブランドのような全国的なディーラー網はなく、独自に輸入・販売しているお店が日本全国で数件あります。時々車のイベントがあると実車が出展されることもあるので、現物を見るチャンスです。私の場合、お店選びは実際に日本各地に足を運び、話を聞きに行きました。

展示を観に行った際に親切にご対応いただいたこと、1年以上を提示されがちな納車予定日が比較的早かったこと、整備工場が併設されていて、私の住む近所の工場ともつながりを持っていたことから、MLA FACTORY SHOPさんから購入しました。

購入問い合わせをすると、こんな注意書きが。

(略)新車ですが、ボディなど基本構造は50年以上変わらない個性的なお車になっております。(略)「新品パーツを使ってレストアした旧車」の感覚でお乗りいただければと思います。多少のトラブルもあるかとは思いますがエンジンから駆動輪まで、1 年または 20,000kmのパワートレイン保証をお付けしております。

少し身構えましたが、それでもそんなポンコツな(失礼)UAZだからこそ可愛くて乗りがいがある、どんなトラブルも楽しんでやる、と思い決意を固めました。

ちなみに、当時一緒に働いていた車好きのロシア人同僚からも「本当に好きじゃないと買えないね笑」とやんわり止められましたが、私はそれでも諦められませんでした。笑

また、そのような繊細な車を維持するためには保管にも気を遣いたいと思い、DIYが好きなことも相まってガレージの賃貸契約も決めました。

満を持して買いに行った当日は、人生で今までで1番緊張と興奮の瞬間でした。お店の方にも若造が遠くからわざわざUAZを買いにきたのを驚かれましたが、とても気さくに対応してくださり、話が盛り上がってそのまま契約を決めました笑

購入後の流れとしては、ロシアからヨーロッパに輸送後、日本に輸入され、ショップの方が一度全て分解して故障や欠陥がないかなどを入念にチェックされた後、私のもとに届くそうです。本当に楽しみです。


ウクライナとロシアの情勢について

最後に、この話には触れられずにはいられません。

UAZはロシアの車ですが、ウクライナにも一部工場があり、両国で乗られている車です。

ウクライナで起きていることはもちろん、文化や言語が好きで慣れ親しんできたロシアが戦争を起こしたことも、とても悲しいことだと思います。私がUAZ-2206を購入したのは侵攻の数ヶ月前で、その時は想像が付かなかったですし、いまだに信じがたいです。

戦争に関する報道写真の中にUAZの車を見かけたときには、ルーツが軍用車両とはいえショッキングでした。

こんな情勢のときに、この車に乗るのはどうなんだ?不謹慎ではないか?とも思われる方もいるかもしれません。

しかし車に罪はなく、UAZの車が日々の暮らしやアウトドアなどに役立ち楽しく利用されることが平和な状態だと思うので、私はその日がくることを信じ、UAZ-2206を楽しむために納車後乗り続けていきたいと思っています。

夏までに納車されるのか、今後の部品供給などもどうなるのかはわかりませんが、最後までこの文章を読んでくださった方に嬉しい報告ができることを楽しみにしています!

お読みいただき、ありがとうございました!

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