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女中、求メマセヌ。
「ヤだわ、あなた。『女中』だなんて…!」
「ん?」
「今どき、そんな言葉、ダメに決まってるじゃないの!」
「え? じゃあ『お女中』とか『お女中さん』とかだったらいいのかい?」
「相変わらず駄馬ね、あなたって。」
「いや、お前。その『駄馬』って言うお前のお得意の罵り言葉の方がオレはずっとダメだと思うんだけれどなぁ…。」
「いいえ。とにもかくにも問題は『女中』よ。時代錯誤も甚だしいったらありゃしないわ!」
「そんなものかい。分かったよ。謹んで反省するよ。そしてお詫びして訂正もするよ。」
「そうよ。あなたには、歴史上のすべての『お女中』のところを詫びて回るくらいの覚悟が必要だわ。」
「マジか。そこまでか…?」
「ええ、そうよ。そうでなければ、今夜、私の隣でなんか寝かせてあげないんだからッ!」
「なぁ、お前。そんなこと言わないでさぁ…。」