傷心旅行で行った宮古島の空はほぼグレーだった
少しの時間雨風が収まり、雲間から太陽が覗いたのは宮古島滞在4泊5日の間数時間だけ。
少しくらいの雨なら海に入ってシュノーケルでウミガメと泳ぎたいと思っていたけれど、強風で海が荒れていて無理だった。
いつもの透き通った蒼い海もくすんで見える。
宮古島では海以外の遊び場がない、、、
宮古島、伊良部島、池間島、来間島と四つの島を橋で周遊出来る素晴らしいリゾートアイランドなのに、海に入れない日は美味しいものめぐりをするしかない。
天気予報はしばらく強風と雨が続くし、高級ホテルでもないから部屋に居てもつまらない。
こんな時は思い切って夜の街に出かけて居酒屋でミヤコのおじいと泡盛でも飲んで楽しい旅の思い出を作れば良いのに、私の奥底にある人見知りが発動する。
小説や映画ならこんな時こそ新しい出会いがあるのになぁ。。
ま、こんなもんかな。
想像より天気も気分も晴れない宮古島旅行だったけど、プロジェクトには決別出来た気はする。
自分の気分を変えたい時は思考を変えるのが1番だけど、まだまだ上手くいかないから環境を変えたり、新しいことをやってみたりする事で満たされればいらなくなった想いを追い出せる。
でもそれは結構スパルタなやり方。
まずリラックスすることが本当は良いと思っている。
自然の中で身体や心を開き、大きな視点で受け止める自分を作ってから、新鮮でワクワクする事に踏み出すと辛かった事も全てひっくるめて大切な思い出になる。
天気が悪く海に入れなかったおかげで、南国のダイナミックで生命力溢れる植物を感じ、海の音を聴きながら思考を止めてボケーとしていられた。
天気が良かったら、がんばって色々なことをやってしまっていたと思う。
全てのことはうまいことなっている。
プロジェクトが中止になったことも私にとって絶妙なタイミングなのだと思う。
全て終わった今は、目に見えない何かに守られていたんだと感じる。
昨年他界した父が守ってくれたんだろうな。。
そういえば私のアトリエの近くに大阪城があり、城の周りの公園は緑豊かで静かで落ち着く場所。たまに1人でぶらぶら歩いて大阪城が見えるベンチで時間を忘れるくらいボーっとしているときがある。
宮古島で過ごした時間はその時の感覚と似ている。
遠くまでわざわざ行かなくても近くにあったんだ。
近すぎてつい忘れてたな。。
飛行機や電車に乗っていつもと違う風景を見たり、違う人達と出会ったり、その土地のエネルギーを感じるのは掛け替えのない経験だと思っているから、これからも心惹かれる場所にはどんどん積極的に行くと思う。
でも、毎日過ごしている私の街ももっと大好きになって日常も満たされよう。
満たされて満たされて溢れるほど満たされてみよう。
私は幸いにも大好きな植物と向き合う仕事。
好きな事を仕事に選んだんだから、もっともっと自分の仕事を楽しもう。
人はこの世に楽しむ為に生まれて来たんだからもっと人生を楽しみなさい
と、以前ダライラマ14世が言っている動画を見てからこの言葉がずっと胸の奥にある。落ち込んだ時はあの親しみのある笑顔で私に語りかけてくれる。ダライラマ14世の笑顔を思い出すと自然に私も笑顔になっている。
父とダライラマ14世のおかげで私は守られそのままで幸せだったんだ。
と、気づけた。
満たされた気持ちになったから予定を切り上げて大阪へ帰ろう。
そして、いつかまた宮古島の海亀に会いにこよう。
その時はきっと晴れている。