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サイコパス(アニメ)シリーズ【アニメ感想です。犯罪係数オーバー400。そこのアニメ視聴者が対象です「まだぜんぶ観てないし!」】
特殊な設定の近未来世界。こじれた外見のSF銃。刑事もの。
ストーリーはジェットコースターテンポ。
そんなオーダーに応えて作られたSF刑事アニメシリーズ。
サイコパス。
サイコパスって初出はこちら。
FBI心理分析官という本で、初めて説明された概念で、
精神医学では反社会性人格障害の人のことを指すのですが、
当作品では意味が違います。
作中ではサイコパスは色相とも呼ばれて、
市民の精神の安定具合をチェックする指標のことを指します。
この世界はシビュラと呼ばれるAI的なものに統治されており、
(AIの正体は作中後半で出てきます)
人間が犯罪を犯す前に、精神安定度指標をチェックすることによって、
事前に逮捕することができる、という未来世界なんですね。
ディストピアなんだと思うのですが。
作中ではもちろん誰もそのことをはっきりと指摘しません。
それを指摘するような人間は、
指標が悪くなっていると評価されるからです。
現体制を積極的に容認できる人間だけが、健全な人間ということになります。
主人公は、そんな未来警察の若き女刑事。
新人として先輩刑事から刑事家業のイロハを教わっていきます。
携えるのは、SF銃ドミネーター。
当シリーズのシンボル的アイテムでありました。当初はね。
シリーズが進んでいくと登場回数が減ってしまうのですが。
AI機能付きで、シビュラに接続されています。
相手に銃口を向けると、色相を読み取り、
殲滅対象か。拘束対象か。それとも無害認定なのかを診断できます。
殲滅対象だと、
「犯罪係数オーバー300、執行対象です。リーガルエリミネーター」
という音声と共に(遅いな~)ガチャガチャと動いて、変身して、
何かのエネルギーを放てるようになります。
これを人間が浴びると溶解します。
他にも対物モードもあるみたいですね。
まあ、このギミックは安定要素です。毎回しつこく出ます。
(シリーズが進むと以下略)
最初は違和感を感じたのですが、まあ慣れました。逆に気に入りました。
専用銃が出るアニメなんですね。
そういうカテゴリあります。
そんな感じで明るい刑事生活の始まりなのですが。
少し進むと、早くもシビュラの判定が頼りにならない相手が出てきます。
いやはや、シビュラが頼りになってもディストピア確定演出なのに、
このうえ凶悪犯罪を行っても、色相が悪化しない凶悪犯が現れる。
当然ながらドミネーターも無反応。
普通の銃とか持ってませんよ。え? どうすんの?
・・・・というのが本筋なのですが。
******
人気があったからか、続編がたくさんあります。
ちょこっと整理してみましょう。
まずは第1シーズン。24話。
第2シーズン。13話。
映画版。
第3シーズン。12話。
第3シーズンの終わりを映画版にする。
それでまた映画版。三作目。
サイコパス3映画まで観て、私は打ち止めしてます。
長く続くの苦手。
あ、でもCMは面白そうだな。
サンクコストもたっぷりあるし、観ておくかな。
サンクコストに毎回やられるな。
ある程度まで観れば良いというのであれば、
第2シーズンの後の映画版を観た辺りで、区切っても良いと思います。
区切り良いです。
さて。
サイコパスの世界は、視聴者である私たちから見ればディストピア社会ですが、その世界の内側にいる人は、それに気がつきません。
直感的なセンスに恵まれていたり、いろいろと考え付いた果てに、その結論に思い至ったりしますが、もうそれは潜在犯になってしまうのです。病みです。
それでは私たちの社会はどうなのでしょうか?
私たちの社会はディストピアではないと言えるでしょうか?
未来の人間からすると、20世紀から21世紀にかけてはすこぶる野蛮と無知と無責任の時代だった、と言われるかもしれません。
私達は自分たちの社会がディストピアであることに気がつけるでしょうか?
結論:気がつけません。
そりゃ強制収容所とかに入れられていたら、気づかざるを得ませんが、そうでもない限りは、自分がいる場所に疑問をもったりはできません。
よほど不遇でなければね。
よって、ここはもう、ディストピアなのかもしれない。
しかし。ディストピアの内部の人間である主人公たちは、
それぞれの試行錯誤の果てに、あるべき世界を見つけようとします。
あちらの世界の人たちに、それができるのですから、
私たちも、私たちの社会に、
たとえどのような歪みが内在化されて、
それに気づけないようになっていたとしても、
誠実な態度を取ることは可能なのだ。
間違った状況で、正しい選択が、それでもできるようになること。
という可能性を示唆しているように見えました。
それがこの物語世界の最大の駆動力なんだと思います。
そうでなければ、面白味がないですよね。
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