秋、乾燥の季節。お肌も乾く。黒猫ケイちゃん、まさかのフケ。
黒猫のケイちゃんの身体に白いものが目立つようになったのは、数日前だったか。最初のうちは、猫砂にまみれたのだと思っていた。我が家ではとても細かい、白い鉱物砂を使っているからだ。
しかし、よく考えるとおかしいことに気付く。猫が砂をかく時、背中までかかるような派手なかき方はさすがにしない。その割には、ケイちゃんは背中にまんべんなく白いものが付いている。フケを疑い、動物病院に連れて行った。
若い女医さんが、丁寧に診察してくださる。毛をかき分け、皮膚の状態を観察し、フケ以外の症状を問診する。かゆみがあるかどうか聞かれた。ケイちゃんはかゆそうにはしていない。私は細菌やカビ、ダニを心配していたのだが、問診でかゆみを聞かれたことである意味安心した。かゆみがないなら、上記の原因の可能性は低くなる。
続いてセロテープで皮膚のサンプルを取る。確定診断するため、一旦、診察室から待合に出た。程なくして、呼ばれる。細菌、カビ、ダニ、いずれも否定された。そして、肝心の診断結果は、なんと「乾燥肌」。換毛の季節を迎え、フケが目立ってきたのでしょうとのことであった。
女医さんはスリッカーを取り出し、手早くブラッシングしてくださった。フケが次から次へと浮いてくる。サムネイルがそれの様子である。これを落とし、さらにできる対処としては、
①お風呂に入ってシャンプーする
②保湿剤を擦り込む
③サプリメントを飲んで皮膚を強化する
以上三つを提案された。ケイちゃんは抱っこ嫌いのお風呂嫌い。外猫としてさまよっていた頃、保護直後に身体の汚れを落とすためにお風呂に入れたことがある。私の不慣れもあったが、地獄の業火に焼かれるが如くの鳴き声を上げ続け、シャンプーまで至らず、湯浴みだけで済ませたことがあった。
サプリメントを飲ませるとなると、抱っこしなければならない。力技で抑え込めるが、元々ケイちゃんは抱っこ嫌いで、抱っこするとみゃあみゃあ文句を言う。それを毎日強いるのはちょっとかわいそうかなと思った。
となると、撫でるついでに刷り込める保湿剤、という選択肢しか残らなかった。女医さんは保湿剤を刷り込んでくださった。スプレーからフォーム状になって出てくる保湿剤を、両手に伸ばし、毛に揉み込むようにしながら皮膚にも届かせていく。皮膚の保湿ついでに、毛も少し柔らかくなった。
ちなみに保湿剤はこれである。
「afloat DOG(アフロートドッグ) VET(低刺激)シリーズ モイスチャライズフォーム 犬用 150g」である。犬用と書いてあるが猫にも使えるとのこと。もちろん舐めて口に入っても大丈夫な成分である。テクスチャとしてはフォームで出てくるハンドソープに近い。両手に伸ばし、揉み込む。しばらく揉み込んでいると乾いてくるので終了。
しかし、自宅で初回の揉み込みを行ったところ、嫌がって逃げられた。ケイちゃんはパワータイプの猫ではないので、簡単に追いかけて捕まえ、首根っこを押さえ、みゃあみゃあ文句言われつつもよく揉み込む。その後気にして身体を舐めていたが問題ないだろう。文句言われるだろうがしばらく続けるしかない。
ちなみにこの保湿フォーム、アマゾンでも買える。それほど高価でもない。ただ、使うに当たっては、動物病院で皮膚の質や病気がないかどうか、診断してもらってからにするべきだろう。
秋深し。ニンゲンも乾燥肌の季節である。まさか猫にも乾燥肌があるとは思わなかった。大層な病気ではなく、乾燥肌程度で済んで良かった。ケイちゃんにはしばらく保湿剤に付き合ってもらう。換毛期が終わったら終了で良いだろう。