幽夏レイ4thシングル「ever」から感じ取ったとこ
・はじめに
REALITYとYoutubeの両方で活動しているVsinger、幽夏レイさん。
自身のYoutubeチャンネルに上げているcover曲、オリジナル曲からは、どこか懐かしい「あの夏」を感じ取ることができる。夏の代名詞といっても過言ではない、そんなアーティストだ。
そんな彼女による、4th single「ever」が、2022年9月19日より、各種音楽ストリーミングサービスにて配信された。
この曲は、2022年5月2日から5月8日の期間にREALITY内で行われた【蝶々P楽曲提供イベント】で、彼女が見事1位入賞を果たし、最終選考を経て権利獲得者に選ばれた際に、蝶々Pさんによって提供された楽曲だ。
今回で4枚目になる訳だが、これまでにも3枚のシングルを錚々たる面子を迎えてリリースしている。
ロックなバンドサウンドに定評があるbuzzGさんによる『3rd single「プレイバックハイライト」』。
Virtualアーティストとクリエイターの二足の草鞋を履き、インターネット音楽のシーンで活躍するsumeshiii a.k.a.バーチャルお寿司さんが制作・提供した『2nd single「ファジーブルーの僕らは」』。
バーチャル空間でねこ活動をするバーチャルねこさんが作曲し、Re:AcT(kaleidscope)所属、歌が大好きなVtuberことかしこまりさんが作詞をした『1st single「8月のモラトリアム」』。
・記事の主旨
私はeverを聴いて、今までの3曲とは違うな、という印象をに抱いた。
では具体的にはどう違うんだろうか。本記事は、そんな自分の疑問を解決する為のものである。
しばしの間お付き合いいただければ幸いである。
・違う点
1.視点
一つ目は視点の違いである。
これまでの3rd singleでは、全て彼女の主観から語られる詩だった。最も分かりやすいものが、「ファジーブルーの僕らは」の2番Aメロ部分”僕はただ見てるだけ”である。他2曲でも僕ら、や僕などの一人称で物語が展開されていく。
これを踏まえて新曲「ever」の歌詞とMVを見ていただきたい。
一見、この曲の歌詞も1番Aメロ”僕だけを取り残して”とあるように、主観で語られているように思える。しかしMVと見比べた時【彼女ではない誰か】の登場により、この詩の"僕"が彼女ではなくこの"誰か"、という事が分かる。
2.行先
二つ目はこの物語がどこへ向かっているか、その行先の違いだ。
これまでの楽曲では、詩の後半部分に物語の方向を指す内容がある。「ファジーブルーの僕らは」では”もっと いこう どこまでだって”、「プレイバックハイライト」では”駆け抜けて 青い夏を”。少しわかりづらいが「8月のモラトリアム」でも”まぶたの裏の世界で ひこうき雲を追いかけ”や、”~夕日が沈む 起きなきゃ”などがある。
曲ごとの細かな心情は違うが、すべて気持ちの方向が前へと向かっている。
では「ever」はどうだろうか。”もう戻れない事なんてわかってた”や、”これからずっと君のいない夏が来る”などから、気持ちの方向が前ではなく、後ろに引っ張られている事が分かる。
→これら2点から行きついた考察
1.の結論:【彼女ではない誰か】=曲を聴く私たち
2.の結論:名残惜しさ、後悔、別れ、のような後ろ髪を引かれる感情
従って、この曲はMVに登場する君ではなく、僕。つまり曲を聴く私たち主観の曲なのだ。
そして、そんな私たちの、彼女たちとの旅立ちの曲なのだ。
終わりに
この記事では、曲の考察中は「幽夏レイ」ではなく"彼女"と言い続けている。それは、この曲の主観が私たちであるならば、私たちにとって彼女(または彼)は幽夏レイさんに限った話ではないからだ。
他の配信者の方かもしれない。親しい友人、家族かもしれない。
いつか見えなくなるかもしれない。けれど、"彼女たち"が続けた活動の痕跡、それを見て、応援してきた私たちの記憶は残り続けるだろう。そして、その記憶が残り続ける限り"彼女たち"は"居る"んだ。
これはあくまで可能性の話だが、いつか私の目の前から彼女の影が消えてしまうかもしれない。
ただ、彼女を想い、書いたこのnoteがある限り「彼女がいた記憶」 はここに残り続ける。
だから僕は、そんないつかの為にこのnoteを書くことにした。
そして、そんないつかが来ない為にもこのnoteを残すことにした。
まだ見えなくても、いつか見えなくなったとしても、貴方はここに居るんでしょう?
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