宇治市×京阪電車クリスマスコンサート「輝け!吹奏楽部」~『響け!ユーフォニアム』の舞台から奏でる心のハーモニー~ 武田綾乃さんによるトークショー
12月16日に開催された「宇治市×京阪電車クリスマスコンサート「輝け!吹奏楽部」~『響け!ユーフォニアム』の舞台から奏でる心のハーモニー~ 武田綾乃さんによるトークショー」を文字起こししたものです。
※若干言い回しを変えてあるところがあります。
司会「先生、今日はお忙しい中ようこそお越し下さいました。
では、改めて皆様にご紹介をさせて頂きましょう。
『響け!ユーフォニアム』の原作者でいらっしゃいます武田綾乃さんです。
もう一度皆様、大きな拍手をお送り下さい。
宜しくお願いします」
司会「もう先生に会いたくて会いたくて。
もうみなさん、本当に早い時間から会場の前に待って頂きまして、ありがとうございます」
武田「ありがたいですね。
本当にこんなにたくさんの方に来て頂いて」
司会「先生はこの吹奏楽祭はもう3年目」
武田「はい」
司会「3回目ということなんですけども、どうですか?
今年のこの雰囲気は」
武田「いやすごい何か。例年より多くなったんじゃないかと思うぐらい。
熱気も凄く感じて驚きました」
司会「そうですよね。
ステージの出来はもちろんなんですけども、皆様からの熱い思いとかがジリジリ、ここに座っていても伝わるぐらい。
やはり吹奏楽というのもみなさん、人気とかも、さっきも部員の方もどんどん増えているんですよって先生も仰ってたんですけども、やっぱり先生の影響で人気も」
武田「いやw」
司会「上がっているんじゃないのでしょうか?」
武田「だと良いんですけど」
司会「本当に吹奏楽をこうやって聴いてみると実は楽器を吹いたことないよって方でも知ってる馴染みの曲とかを演奏してくれると身近ですごく楽しくて。
そうやって一人でも多くのファンの方がね、増えてくれたらなと思います」
■ふるさと・宇治について
司会「そして、先生はこの宇治市の観光大使でいらっしゃいますけれども、ちょっと先生、訊いてきましょう。
今日宇治市以外の方どれぐらいいるか訊いてみましょうか」
武田「あ~、確かに」
司会「宇治市以外から来たよ~って人?」
(挙手)
司会「わぁ、すご~い!ありがとうございます!
半分以上ですかね?先生!」
武田「驚きました~」
司会「うわぁ~、うれしいです!
じゃあ武田先生、みなさんに向けて観光大使としてPR」
武田「PR…w」
司会「して頂けますか?お願いしま~す」
武田「宇治の魅力というものを作品自体にいつも込めて書くように気をつけてるんですけども、毎年宇治に帰ってくるたびに色々なものが新しくなっているところもあり、古いところで良いまま残っているものもあって。
最近だと特に人力車をすごいよく見かけるようになって」
司会「なるほど。新しく人力車が」
武田「そうなんですよ」
司会「結構宇治には世界遺産もありますし、名所を回ってみえる方もいらっしゃるそうですが、人力車に乗ったよって方いらっしゃいますか?
あ、いらっしゃる!素晴らしいです!
初めて宇治に来たよという方もいらっしゃると思いますので是非ね、人力車を楽しんでもらえたらなと思います。
後はやっぱりお茶?ほうじ茶とか」
武田「私は特に番茶が好きで」
司会「渋いですねw」
武田「宇治に帰ると番茶を買い込んで家に持って帰るんですけども」
司会「そうなんですね~。
そうか、やっぱりじゃあ、先生も小さい頃からずっと番茶を飲んで」
武田「そうですね。特に宇治でちゃんとしたお店でお茶を買うと他のところのお茶が飲めなくなるぐらい、こんなにも違うのかと結構愕然とすることがありますね」
司会「私もあんまり詳しくないんですけど、ほうじ茶とかで香ばしい香りとかは風味が全然違うなって思って。
それは本当にビックリしました」
武田「はい、本当に」
司会「みなさんこれでお土産は決定ですね」
武田「そうですね。是非買っていって下さい」
司会「では、ふるさとの宇治を離れると何か良さっていうのも改めて気づくんじゃないですか?」
武田「そうですね。
特に私は元々住んでいたときから宇治が好きで朝の散歩とかもよく行ってたんですけど、やっぱりこの川の澄んだ空気とか、朝もやの中の山の緑とちょっとこう、見えてくる橋の風景とかっていうのは本当に素敵な風景で、こんなところで育ったのはすごいありがたいことだったんだなと、今更になって気づきました」
司会「先生も日々、お忙しい毎日を過ごしていらっしゃると思いますので、やはりふるさとに帰ってくるとふっと何か、心が溶けるような気持ちになるんじゃないのでしょうか」
武田「そうですね」
■『リズと青い鳥』について
司会「そして今年の4月には劇場版『リズと青い鳥』がいよいよ上映されましたけれども、先生が印象に残るシーンとか、後は何かここ好きだな~と思うシーンとかあれば是非みなさんに教えて頂けますか?」
武田「そうですね。みなさん観られてないと全然伝わらないかも知れないんですけど、フルートパートの希美ちゃんていう子が出てくるんですけど、希美がフルートをこう、窓際に持っていると向かい側の校舎に光が反射して別の子に映るっていうシーンがあって。
みぞれちゃんっていうオーボエの子がいてその子に映るんですけど、そのシーンが結構私の学生時代のあるあるというか。
金管はすごい太陽光を反射するので『眩しい!』とか言ってたんですけど、その時の記憶を思い出して、良いシーンだなぁって」
司会「なるほど~。その先生の実際の思い出もあって余計に印象深い」
武田「そうですね。すごく何か、観ると学生時代を思い出して。
『ああ、こんなことあったなぁ』って思い出しました」
司会「いま会場でうんうんって頷いている人もね、いらっしゃいましたけれども。
私は初めてこの『響け!ユーフォニアム』を観せてもらったときに印象で爽やかな内容と思っていたら意外にこの、爽やかとドロドロというか影の部分があって、それがすごく魅力的だなぁと思って。
もう大好きになってしまった。
まだまだ初心者なんですけども、先生もご自身でそういった思いとかはやっぱりあったんですか?」
武田「そうですね。
やっぱり学生時代の頃に吹奏楽部の良い思い出と、ちょっとほろ苦い思い出とどちらもあったので、それを綺麗な状態というか、明確に起こしておきたいっていう気持ちが」
司会「なるほど。
先生の何か記事を読んだことがあったんですけども、学生時代から『この子とはもう会わなくなったらそのまま疎遠になるのかな?』と思いながら過ごしてたって先生の記事を読んだんですね。
私そんな学生のときに仲良い子と『ずっと続く』って本当にあっけらかんと思ってたんですけど、先生ってそんなことを考えてらした。
そういった思いとかも『リズと青い鳥』にはやっぱり影響しているんですかね?」
武田「そうですね。
特に希美とみぞれはテーマとしては友情の“好き”の違いっていうのと“才能”っていう、この2つの柱を主に書いた作品を映画化して頂いたんですけども、間近にすごい才能があると辛く、辛くなると言ったらアレなんですけど、応援したいという気持ちと、そんな嫉妬してしまう自分の汚さに『うわぁ、嫌だな』と思っちゃう葛藤みたいなものを。
でもそれはその子が悪い子とかではなくて、どうしても思ってしまうだけみたいな、そういう人間関係の核っていうのを形にしたかったので今回は本当に映画ですごく綺麗に切り取って頂いてありがたかったです」
司会「いやもう本当にそこが先生の作品の魅力だなぁと思って。
ファンになった方も多いと思います」
■『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』について
司会「そして、もうこれ楽しみに待ってる方、たくさんいらっしゃると思いますが、いよいよ来年の4月19日には完全新作の『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』が公開されますが、先生、ちょっとで良いので見どころを教えて頂けませんか?」
武田「みなさんPVを観られた方っていらっしゃいますかね?」
(挙手)
司会「あ~、すごいたくさん!流石ですね~!」
武田「映画のPVの一番目立つところに出てくる久石奏ちゃんっていう子が、一年生の子が入ってくるんですけど、その子が結構上に下に引っ掻き回すじゃないですけど、色々と刺激してくる子なので、その子の行方を是非追って頂いたらうれしいなと思います」
司会「なるほど~。じゃあそこにみなさん、注目して是非お楽しみ頂きたいと思います。
来年の4月19日ですからね。あっという間に年を越したらやってくると思いますので是非楽しみにお待ち下さい」
■キャラクターと楽器の組み合わせについて
司会「見ていたらたくさんのキャラクターがこの『響け!ユーフォニアム』の中には出てくるんですけれども、どうやって、例えばこの子にはこの楽器って、先生、組み合わせってどうやって考えてるんですか?」
武田「そうですね。結構私の独断と偏見というか、勝手なイメージでトランペットはちょっと気が強い子とか。
チューバは支えてくれる子みたいなイメージがあって。
本当に学生時代に自分がこんなイメージと思ったものをそのまま結構キャラに当てはめてる節はありますね」
司会「へぇ~。例えばじゃあ、ユーフォニアムは先生にとってどういうイメージなんですか?」
武田「ユーフォニアムは私、自分もやってたので言いにくいところもあるんですけど、クッション…クッションじゃないですけど、結構周りをよく見てて、支えてくれるというか、空気を読んで上手いこと気遣ってくれる子が多いっていうイメージでした」
司会「先生もじゃあ、そういうタイプっていうか立場だったんですか?」
武田「に、なりたいなぁと思って、あんまりなれてたか怪しいんですけどもw」
司会「なるほど~。
そうやって先生の主観というか思いでこの子にはこの楽器かな~?という風に当てはめたのが今の形になっているという」
武田「あ、そうですね」
司会「そうなんですね。観ていたら何かすごく合ってるな~って思って。
本当に性格のキツい、ちょっと目立ちたがりの子がトランペットだったりとか。
そこも先生、流石だなと思いました」
■先生お気に入りの刊&キャラについて
司会「先生が執筆されました『響け!ユーフォニアム』の中で、たくさんシリーズがあると思うんですけど、先生がこれはお気に入りだなと思うのがあれば是非聞きたいんですけれど」
武田「やっぱり今いつも結構書くのに苦労して、苦労して書く作品ではあるんですけど、やっぱり最新刊が出るたびに最新刊が一番苦労したなって思う気持ちになってきていて。
特に最近だと『波乱の第二楽章』が一年生だった久美子が二年生になってからの物語なんですけども、すごく、それが今お気に入りですね」
司会「そうなんですね。
先生の中で特に好きなキャラクターはいるんですか?」
武田「どの子も全員好きなんですけど、やっぱり主人公の黄前久美子ちゃんがどんどん重ねるごとに思い入れが強くなってきました」
司会「なるほど。
その『波乱の第二楽章』が特に印象にあるということなんですけども、その中の久美子ちゃんの特に好きなシーンとかってありますか?」
武田「あ~。波乱の…あ~、でもこれを言うとネタバレになっちゃいますねw」
司会「あ~、そうですよね!
今そっと聞いてやろうと思ったのがバレました!?w」
武田「でもまぁ、先輩としての久美子。
これまではやっぱり二年生、三年生っていう先輩に支えられる側だった久美子が二年生という後輩からは先輩として見られて、先輩からは後輩として見られてっていう、役割がまた変わっているので、そのなかなか雁字搦めになっている久美子を楽しんで頂ければと思います」
司会「いや~もう、先生から聞いたらますます楽しみになって参りました」
■プレゼントコーナー
(省略)
司会「もう時間が来たんですけども、今回たくさんの方が来てくれていますので、先生、せっかくなので今日演奏してくれた吹奏楽のみなさんにメッセージを頂きたいなと思うんですけれども」
武田「そうですね。自分が学生の頃には気づかなかったんですけれども、やっぱりこうやって大人になって見に来ると舞台上のみなさんがキラキラして見えるというか。
本当に人前で何かを見せるパフォーマンスすることの力強さみたいなのを感じてこういう場に私を招いて頂いて本当にありがたいなと思いました。
本当に素敵な演奏をありがとうございます」
司会「本当に私も袖で観ていてパワーとかもね、すごくヒシヒシと感じました。
では先生これからも本当にお忙しいかと思うんですけれども、今後の抱負ですとか、PRなどあれば是非是非、みなさんにお伝え頂けますか?」
武田「来年の前半まで新刊情報が詰まってるんですけど、まず1月の末頃に『君と漕ぐ』っていうカヌー部の小説を出しますので、もし興味のある方は是非宜しくお願いします。
で、あと、4月と5月に連続で久美子三年生編『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章』という、本当に最終楽章の小説を書かせて頂いていて。
いま絶賛執筆中という形なので、是非とも宜しくお願いします」
司会「と言うことで、今日は本当にお忙しい中お越し頂きまして。
もっともっとねぇ、最新作のこととかも訊きたいんですけれども、それはみなさん観てのお楽しみということで」
武田「そうですね」
司会「是非ですね、みなさん楽しみに。
来年の4月には公開となりますので、是非楽しみにご覧頂きたいと思います。
では最後にもうひとことだけメッセージ頂けますか?」
武田「『響け!ユーフォニアム』という作品が本になって、アニメになって、映画になってとこうして結構な月日が経ってるんですが、こんな風に私の生まれ故郷である宇治でイベントをこうして毎年して頂くっていうのは本当にありがたいことだと思っております。
『響け!ユーフォニアム』、映画、小説とまだ続きますので、何卒応援宜しくお願いいたします」
司会「はい!私達も期待していますので!
ありがとうございました!
皆様大きな拍手をお送り下さい。
武田綾乃さんでした~!どうもありがとうございました!」
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