Playing Yorion D&T in 2020 (翻訳メモ)
この記事は
xJCloudさんによる、ヨーリオン相棒デスタクのサイドボードガイドの翻訳メモです。サイドボード自体は元の表形式が見やすいと思うので、ここでは、コメントについてメモっていきます。
はじめに
このサイドボードでは、できる限りわかりやすく説明しようと思うが、実際のサイドボーディングについては自分の経験と考えに基づいてほしい。このサイドボードガイドは全てのマッチについて決定的なものではなく、君はいつだって対戦デッキの独自性と自分の経験を計算に入れないといけない。このサイドボードガイドはヨーリオン相棒デスタク(Sky Noodle Taxes)について知りたい人たちに参考になればと思う。 -xJCloud
Sky Noodleは空飛ぶ蛇型ドラゴン(ドラゴンボールの神龍的な)でしょうか。ポケモンのレックウザがよくひっかかりました。
追伸:オーコはやっぱり禁止にしよう
追伸2:冠雪平地はいらないよ。jarvisのマナベースに従うよ。(なんのこっちゃ)
(Eternal Weekendで@toondoslavが使った2位のデッキ(60枚)については、こちらを見てくれ)
なぜヨーリオンなのか
沢山の人に「なんでヨーリオン入りなの?」と聞かれた。というわけで私(と多くの仲間が)が何故こうしたのか分析してみよう。議論のほとんどが「60枚vs80枚」についてだ。
長所
追加の勝ち手段としてのヨーリオン
ヨーリオンを相棒にすることは、単純に初期手札枚数が8枚となるということだ。大抵は3ターン目の終わりには手札に入れることができるだろう。まずもってヨーリオンはデスタクと自然にシナジーしている。ヨーリオンのブリンク能力はデッキに多く入っているETB持ちクリーチャと相性がいいし、カラカスとバイアルはこのSkyNoodleにうまく機能する。
コントロールに対しては、追加クロックの1枚として、ミラーマッチやマーベリックなどの盤面で闘うデッキに対しては盤面を一気にひっくり返す1枚として機能するし、デルバーデッキに対してはデスタクの戦略をコントロール戦略に方針転換することができる。1:1交換でコントロールし、最後に4/5飛行がサイドボードから飛び出してくるんだ。
確実性の高いシルバーバレット戦略
ヨーリオンを相棒にするためにデッキ枚数が80枚になることで護衛募集員を用いたシルバーバレット戦略のためのスロットを多く割くことが可能になる。そのため、ヨーリオンデスタクは護衛募集員を4枚フル搭載している。このシルバーバレット戦略は元来は不利だったデッキに対して、ゲーム1から有利に立ちまえる可能性を示している。例えば、オムニテルやストームに対するエーテル法学者であったり、同型デッキのルーン母に対するバリスタであったり(もちろん、最後の一押しにもなり得る)、墓地利用デッキに対する悔恨する僧侶などなどだ。
対コンボカードの追加搭載
先に述べた2つの効果でもあるが、ヨーリオンによってこのデッキはフェアデッキに対して優位性を増すことができ、結果としてサイドボードの多くをコンボデッキ対策に割くことができるようになった。このデッキのサイドボードには12枚もの様々な対コンボカードが採用されている。サイド後に対策カードを引く確率が上がることで「コンボに対策カード引けずに負ける」といったリスクを軽減してくれることだろう。
よりよいマナ基盤
このデッキの白マナ源は、一般的な60枚のリストより8枚ほど多い。「無色土地が60枚デッキより少ないの?」と聞かれることがあるけれど「亡霊を試してみたいんだ」と答えている。スカイクレイブの亡霊は3ターン目にしばしば唱えたくなる1WWのスペルだ。ヨーリオン搭載によってわかったことだが、亡霊入りの60枚デスタクのマナ基盤はあまり良くない。もしかしたら、見直すべきポイントかもしれない。
欠点
欲しいカードが引けない?
ヨーリオン相棒型を使わないと決めた人の理由の多くはこれだろう。ここは議論の余地があるところだが、このヨーリオンデスタクのデッキパワーはカードの多様性によって通常のデスタクと遜色ないレベルにある。
デスタクの「キーカード」を挙げるなら、多くの人は「バイアル」「サリア」「不毛」「リシャポ」と答えるだろう。2020年現在においても、これらの代用となるカードはなく、デスタクを最高のデッキとしている要因でもある。一方のメタをみてみると、打ち消し呪文を使うデッキには、突然の衰微やオーコが採用され、バイアルデッキに対する圧力が高まっている。ランプ戦略のデッキはウーロやアルカニストの採用により、以前より軽量化が進んでおりサリアの価値は相対的に下がってきている。そんなわけでこれら2枚の価値低下を埋めるために、2種類目のヘイトベアとして迷宮の霊魂を再び採用することが重要になってきている。また、天測儀の流行はデスタクの醍醐味であるリシャポと不毛によるマナ否定戦略の優位性を下げ続けている。
基本的に、デスタクはヘイトベア戦略を組み合わせて闘うデッキであり、以前のように刺さるカードを叩きつけて勝つというデッキでは無くなってきている。
まとめ
1. ヨーリオンはデスタクに対して様々な新しい強力な選択肢を提供する
2. 2020年現在のメタゲームは、以前のように1枚のカードだけで勝てる環境でなくなっている。(ので、特定のカードを引けないことについて、悲観的になる必要はない。)
私のヨーリオンデスタクは、メタゲームが大きく変わらない限りは、長い時間使えるベスト調整になっていると思っている。
サイドボードガイド
デッキリスト
4 Mother of Runes 4 Aether Vial
4 Thalia, Guardian of Thraben 1 Umezawa's Jitte
4 Stoneforge Mystic 1 Sword of Fire and Ice
4 Spirit of the Labyrinth 1 Batterskull
4 Recruiter of the Guard 1 Sword of Feast and Famine
4 Flickerwisp
4 Skyclave Apparition 4 Swords to Plowshares
2 Sanctum Prelate 2 Path to Exile
1 Charming Prince
1 Remorseful Cleric 20 Plains
1 Ethersworn Canonist 4 Wasteland
1 Walking Ballista 4 Rishadan Port
4 Karakas
<Sideboard>
3 Mindbreak Trap
3 Surgical Extraction
2 Rest in Peace
2 Council's Judgment
2 Deafening Silence
1 Containment Priest
1 Grafdigger's Cage
1 Yorion, the Sky Nomad
VS ティムールデルバー
対ティムールデルバー戦に対してヨーリオンはデスタクに良い作用をもたらす。ティムールデルバー戦では、1:1交換を繰り返した終盤にトップデッキ対決になることがしばしば起こる。ヨーリオンはこの最終局面において最後の人推しになり得る。例え1枚しかブリンクできなかったとしても、また単なる4/5飛行としてだとしても、ゲームを終わらせるには十分だ。 また、オーコによって盤面が支配され、双方の場が鹿で埋め尽くされているような場面においても、ヨーリオンは場の均衡を解決する鍵になりうるカードだ。60枚デッキに比べ、除去を引く確率が減っているのを心配になるかもしれないが、このマッチアップにおいてデスタクを構成するカードはどれもよく機能するカードだ。80枚になって除去の一貫性が減ったことをそこまで悲観することはない。
VS UR デルバー
大まかな考えは対ティムールデルバーと同じだが、このマッチアップの方がより早くゲームが進むので、ヨーリオンの出番は少なくなるかもしれない。また、このマッチでは除去が薄くなったことがマイナスに働くかもしれない。ただ、デッキのカードは相手デッキにおおよそ有効であることは変わりないので、考え方はティムールデルバーとさして変わらないと思って良いだろう。
VS Snowko
対Snowko戦はヨーリオンの存在が一際輝くマッチアップだ。この8枚目の手札がゲームを換える切り札となると理解しておくことで、通常のヘイトベア戦略のさじ加減をうまく調整できることと思う。ヨーリオンを使えば、鹿に変えられた装備品を元に戻し、リクルータ・石鍛冶・亡霊といったETB持ちを再度使えるようになる。経験的にはヨーリオンでアドバンテージを2枚ほど取ることができれば、勝ちに繋がることが多い。ヨーリオンは相手が対処しなければならないカードだ。もし除去できないようであれば、相手はFoWを切らざるを得ない。ヨーリオンにリソースを割いてくれるということは、デスタク側が自分の戦略を通す道筋ができやすいということだ。このマッチアップではバイアルのカウンターを5まで増やしておこう。カラカスがなかったとしても、カウンター不能のインスタント速度のヨーリオンは多くのSnowKo使いに取って脅威になるはずだ。このマッチアップにおいて、デスタクのカードの多くはよく機能するので、多くのサイドチェンジをする必要はない。
VS オムニテル (とDoomsday)
対オムニテル戦はヨーリオンが機能しないマッチの一つだ。オムニテルをはじめとするコンボデッキとの対戦に対しては、通常デスタクに比べて幅広くメインデッキに追加されたヘイトベアが優位に働く。80枚になってデッキのキーカード(オムニテルには、サリア、僧院長、リシャポがよく効く)を引く確率は下がっているが、このデッキはオムニテルに致命的なカードとして、4枚追加された迷宮の霊魂やエーテル法学者が採用されており、十分な枚数の妨害カードが入っている。サイドボード後は、 フェアカードを精神壊しの罠や耳の痛い静寂などと交換していこう。対オムニテル戦では、ヨーリオンを軸にした戦い方はしないから、これらのフェアカードが抜けてしまっても問題ないだろう。
VS ホガーク
他のアンフェアデッキとは異なり、対ホガーク戦はヨーリオンの追加によって、少し有利になったように思う。このマッチアップは、 大抵泥仕合になる。 デスタクはホガークの早いターンで着地するのを防ぐために全リソースを投入し、ホガーク側はその束縛から脱出するような展開になる。よくある展開としては、ホガークをセラピーで落としたりや緑フォースで置物を割るといった感じだ。ヨーリオンはリクルータなどをブリンクすることで、2回目の戦いに戦力を追加してくれるだけでなく、ホガークのBプランのビート戦略に対して良いブロッカーとして機能する。メインに入った悔恨する僧侶とサイドに搭載された墓地対策カードによって、対ホガークは以前より少しだけマシになっている。
VS土地単
デスタクと土地単の相性は、この数年・数ヶ月というオーダで目まぐるしく変わっている。ヨーリオンは死者の原野が動き出すようなロングゲームにおいてよさそうではあるし、デッキに基本地形が増えたのも良い。が、多くのゲームにおいて土地単がデスタクにヨーリオンをプレイする猶予を与えてくれるとは思えない。体系的に語れるほど土地単と対戦していないが、このマッチアップに関してはデッキが60枚だ80枚だというレベルではないと思う。
VSターボデプス
このマッチアップではヨーリオンを相棒にすることの価値は全くない。 思考囲い3回撃たれてリソースが尽きたという展開であれば、確かにヨーリオンは盤面の再構築に役立つかもしれないが、大抵の対デプス戦においては高速キルを防ぐ妨害札を引けずに負ける。80枚になってカラカスや不毛を引く確率が減ったのはこのデッキとの相性を悪くしている。ヨーリオンデスタクはメタゲーム全般で有利をとっているから、この不利なマッチアップについては目をつむろう。
VSデスタク
ミラーマッチにおいて、ヨーリオンは重要な役割をはたす。もしミラーマッチにおいて相手がヨーリオン抜きだとしたら、相手は大変不利になっている。デスタクミラーマッチは典型的な「盤面勝負」である。特に亡霊の追加によりお互いがバイアルや装備品に触れられるようになって顕著になった。この対戦の中盤にはお互い3−5体のクリーチャが並んでいるだろう。もしここにヨーリオンを一方的に投入できるのであれば、盤面は一気に終局に傾くだろう。ヨーリオンはミラーマッチにおいては「神カード」であるから、相手もヨーリオンを要するデッキであるならば、封じ込める僧侶を入れていこう。「ヨーリオン出したもん勝ち」にならないように。
VS エルフ
エルフとの相性はかつてないほど良い。が、ヨーリオンの恩恵というわけではなく、現在のメタゲームにおけるお互いのデッキの採用カードによるものだ。最近のエルフからは再利用の賢者が抜けている。一方こちらのデッキには迷宮の霊魂が入っている。ヨーリオンは 迷宮の霊魂、エーテル法学者、封じ込める僧侶でロックされた盤面にゲームを終わらせる手段の一つとして召喚される程度だ。
VS ウルザエコー
ヨーリオンが仕事をするまでもないマッチアップの一つだ。もしデスタクが3ターン目まで生き延びることができたなら、大抵サリアや霊魂がぶっ刺さるし、サイドからは精神壊しの罠や静寂が入ってくる。
感想
デッキに20枚カードを追加しツールボックスを内包した上で、リクルータでシルバーバレット戦略をするという発想は、灯争カーンのウィッシュボードで相手に効くカードを引っ張ってくるという戦略に通じるものがあると思いました。オーコと天測儀によって、青いデッキがメインから置物に触れるようになっているメタゲームであるが故に、1枚のヘイトカードで相手を封じ込めることはできない。なので、デッキ全体のシナジーで戦っていくという考え方はとてもロジカルだと思いました。早速精神壊しの罠を発注して、デスタクヨーリオンを試してみようと思います。(精神壊しの罠の在庫がいろいろなところで減ってきているような。。。)