見出し画像

[翻訳]Green White (GW) Depths 2021 (Vol.2)

皆さん、こんにちは。今日もGWデプスの記事を紹介していきます。この記事ではGWデプスの成り立ちと、モダンホライズン2でのアップデートについて紹介したいと思います。

1. 緑白(GW)デプスとは?
2. 暗黒の深部と演劇の舞台コンボについて
3. GWデプスデッキってお高いんでしょ?
4. GWデプスデッキの歴史
5. GWデプスが一般的な緑黒デプスデッキに勝る点
6. モダホラ2がGWデプスにもたらしたもの
7. 勝っているリストからGWデプスの概要を理解しよう
8. デッキを詳しくみていこう
9. 有利なマッチアップについて
10. 不利なマッチアップについて
11. タッチするなら何色?
12. サイドボードガイド
13. GWデプス秘密テクニック
14. よくある質問
15. 注目!最近勝っているリストはこれだ!
16. GWデプスデッキのカバレージ記事と動画集
17. まとめ

GWデプスデッキの歴史

私が知る限り、このアーキタイプを最初に構築したのはRodrigo Togoresです。彼は《レンと六番》が支配する2019年8月のレガシーリーグをこのデッキで5勝0敗し、レガシーチャレンジでも3位に入賞しています。

このときのメタゲームでは、GWデプスは全体的に相性が良く、《ルーンの与え手》と《高名な弁護士、トミク》による除去耐性が《レンと6番》を要するデッキに全般に優位に働いていました。

このときはメインボードはステージデプスコンボに焦点を当て、《緑の太陽の頂点》は《クァーサルの群れ魔道士》《漁る軟泥》そして《ガドック・ティーグ》といったシルバーバレットをサーチする手段としてデザインされていました。

画像1

特にトミクは、対戦相手が《演劇の舞台》と《吸血鬼の呪詛術士》で《暗黒の深部》を対象に取れなくするため、デプスミラーにぶっ刺さっていました。

画像2

日本語のリストはこちら。

このデッキのサイドボードプランは単純明確です。

《流刑への道》
相手のライフを20以上に押し上げることのないコスパに優れる除去。

サリア
青系のコントロールやコンボデッキに対するアグレッシブな妨害。《モックス・ダイアモンド》で早ければ1ターン目から召喚できる。

《夏の帳》
は青系のデッキや一部のコンボデッキに対して有効。《突然の衰微》による置物破壊に対するカウンターとしても。

《活性の力》
「赤プリズン」や「○○石鍛冶」といったアーキタイプのデッキに対して素晴らしい効果を発揮。

現在のリストはこの頃からかなり変化していますが、コアコンセプトは変わっていませんが、《ルーンの与え手》とトミクは2020年中頃からは採用率が下がっています。


《ルーンの母》より《ルーンの与え手》?

《ルーンの母》ではなく《ルーンの与え手》が採用される主な理由は、無色の《カラカス》から自分の《マリット・レイジ》トークンを守ることができるからでした。

また、与え手の「タフネス2」は、《レンと6番》、《疫病を仕組むもの》そして《最後の希望、リリアナ》や《ゴルガリの魔除け》といったタフネスを1下げる効果に対する耐性を重視していました。


《剣を鍬に》より《流刑への道》?

端的に、相手のライフが20を超すと、キルターンが2倍に増えてしまうためです。このデッキでは相手にソーサリータイミングでの除去を唱えさせることなく、マリットレイジによるワンキルすることを目指しています。

《流刑への道》を唱えた次のターンにゲームに勝利してしまえるのであれば、追加のマナは何の意味も持ちません。また、スゥルタイデルバーのような、基本土地をほとんど採用しないデッキを覚えておくことで、この除去をより有効に使うことができるようになるでしょう。

GWデプスが一般的な緑黒デプスデッキに勝る点

注意:この節は原文からかなり編集しています。
というのも、緑白と緑黒それぞれで行ったり来たりしながら似たような論拠を展開していくため、非常に読みづらかったからです。
バッサリカットした部分もあります。原文も是非読んでみてください。

1. まずは緑黒型の強みを知ろう

最近の緑黒のレシピ

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/legacy-league-2021-07-24#unkoman_-

これはレガシーチャレンジでトップ8入りした緑黒型の最近のリストです。このリストは、デッキの一貫性を保つためにほとんどのカードが4積みになっているのが特徴です。(にしても、名前・・・w)

緑黒の最大の利点は、序盤の手札破壊で素早くコンボを決められることです。このデッキにはサブプランはなく、デプスコンボを決めることだけに注力するデッキになっています。



2019年のSCGレガシークラシックを緑黒デプスで優勝したBob Huangは、緑白の構築について否定的でした。彼のポッドキャストでは「《吸血鬼の呪詛術師》のように強力な黒のカードを使用しないデプスデッキは成立しないだろう」と述べています。

画像5

呪詛術師はプレインズウォーカーの除去として働き、《虚空の杯》を無効化し、2ターン目のデプスコンボを決めるキーカードでもあります。

緑白構築にはこうしたデプスコンボの速度を高めるカードはありません。また、ハンデスもないため、コンボデッキに対して成すすべなく負けてしまうことも多々あります。


緑黒のほうが良いところ

緑黒はハンデスによる干渉コンボまでのスピードが魅力です。6〜8枚採用されているハンデスにより、コンボデッキに対して有利に立ち回れ、コントロールのカウンターに対しても優位に立てるでしょう。GWデプスでも《魂の洞窟》を採用すれば、カウンターに対する耐性を少しは高められるかもしれませんが、このデッキのクリーチャタイプはバラバラなので現実的ではありませんね。

もう1つの魅力は《吸血鬼の呪詛術師》です。(当時は)レン6の採用率が高かったため、プレインズウォーカへの回答が必須でした。呪詛術師はコンボパーツと回答を兼ねるカードであり、緑白には代替となるカードはありません。

2. GWデプスを掘り下げよう

GWデプスの良いところ

緑白の最大の魅力は、《暗黒の深部》に対する回答を持っているデッキに対してさらなる回答を持っていることだと思います。デプス以外の脅威となるカードと防御的なカードを併せ持つため、デプスコンボに依存したデッキよりも粘り強くプレイすることができます。

その代償として、スピードが犠牲になっていることは否めません。クリーチャー除去が多いデッキや、墓地対策ができるデッキ(《エルフの開墾者》や《聖遺の騎士》のパワーが上がらなくなる)は、泥試合になりがちです。というわけで、GWデプスは緑黒と同じく、白いデッキとの相性が改善できていません。ただ、勝ち筋が複数あることで、緑黒よりはマシになっているとは思います。

画像9

もう一つの優位点は8枚体制のマナ加速です。4枚のモックス・ダイアモンドと、4枚の緑頂点を用いた《ドライアドの東屋》のサーチによって、2ターン目に安定して3マナに到達可能な構成になっています。

最近のレガシーのメタはスローダウンしています。マナ加速により、他のデッキよりも早く、一貫性を持って、大きな脅威を場に繰り出すことができるようになっている点が、このメタの中で優位な点だと思います。

その上、《エルフの開墾者》と《ルーンの与え手》を早期にプレイすることで、対戦相手の干渉手段に対する回答を持てるため、「マリット・レイジの空回り」を少なくできるでしょう。

画像8

《エルフの開墾者》は緑白にも緑黒にも両方のビルドに入っているカードですが、これはデプスデッキに最適の1枚だからです。地上ブロックに加えて、その起動型能力によって、コンバットトリックや墓地追放など様々な作用を引き起こすことでゲームを強く前に進められるというのは素晴らしいことです。緑頂点を要する緑白型はこの強力なクリーチャが8枚体制になっているようなもので、この強みを最大限に活かせていると思います。

端的に言ってしまえば、緑白デプスを使う理由=緑頂点が使えるから、といっても差し支えがないかもしれませんね。


GWデプスのデッキ相性について

最も有利なのは、盤面で闘うミッドレンジとのマッチアップだと思います。モックスによるマナ加速、緑頂点と開墾者によるサーチ、そして与え手による除去耐性によって、大抵のデッキには対応できるでしょう。また序盤は、開墾者がブロックしながら盤面を構築できるため、優位に立ち振るまえます。開墾者はガチで強いね。

具体的なアーキタイプを挙げれば、デルバーやドレッジ、緑黒デプスデッキ全般とホガークなどが有利でしょうか。

対リアニは初期手札とダイスロールで決まることが多いです。開墾者がうまく機能すれば、大抵勝てるとは思うのですが、先手が取れるかどうかが結構重要です。パスや輪作など対処できるカードはありますが、ハンデスされてしまうと危険です。こんな感じでダイスに左右されるところはあるものの、大抵は優位だと思います。

メンターデッキは恐ろしく相性が悪いです。横並びの展開に、チャンプブロッカーにクリーチャ除去と、苦手な要素が詰まっています。デッキ速度はこちらより遅いものの、一度盤面ができてしまったら最後、対応力はGWデプスよりはるかに高いです。

もうひとつは苦手なデッキはストームです。確かにサイドを調整すれば有利を取るのは簡単ですが、メタ上位にいないデッキへの専用サイドとなってしまうので、諦めている部分が大きいです。《夏の帳》がちゃんと引ければよいのですが。


モックスをサイドアウトするマッチアップについて

1ターン目のマナ加速が豊富にあるため、マッチアップによっては何枚かはサイドアウトすることはしばしばあります。

GWデプスが擁するユーティリティ土地(《ボジューカの沼》や《不毛の大地》)が機能せず、2ターン目に3マナ揃うことがそこまで重要でないを落とすことが重要でないようなマッチアップでは、よく1枚サイドアウトしています。また早いターンに《聖遺の騎士》を出せたとしても、《稲妻》で焼かれてしまうようなマッチアップであれば、モックスでのマナ加速は不要でしょう。これに限らず、スピードが重要でないマッチアップでは、モックスはあまり必要ではありません。

その他には、石鍛冶デッキやウルザデッキなど、アーティファクトを多用するため、《溜め込み屋のアウフ》を早く繰り出したいマッチでは、モックスはあまり役に立たないでしょう。


まとめ

緑黒のいいところ:
・ハンデスによる対コンボ・コントロール耐性
・圧倒的なコンボスピード

緑白のいいところ:
・除去耐性などによる粘り強さ
・緑頂点による一貫性のあるコンボ
・コンボ以外の勝ち筋の強さ

モダホラ2がGWデプスにもたらしたもの

Modern Horizons 2 (MH2)はレガシーフォーマット全体に大きな影響を与えました。GWデプスにとっては新戦力を得たプラスの面と、考慮しなければならない除去が増えたマイナスの面、両方の影響がありました。ここではMH2の3つのキーカードを見ていきましょう。

成長の揺り篭、ヤヴィマヤ

画像4

MH2で《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》が収録され、GWデプスのマナ基盤に余裕が生まれると共に、ステージデプスコンボを決められるターンも少し早くなりました。「早くデプスコンボを決められること」は緑黒型の専売特許ではなくなってきています

聖遺の騎士の価値が高まる
・任意の土地をサクって、能力を起動できるようになります

相手も緑マナにアクセスできるようになってしまう
・《忍耐》を使う相手が3マナ立てているときはアタックは慎重に。
・緑マナを縛っている相手には出すタイミングに注意しましょう。

マナが出ない土地からマナが得られるようになる
・《暗黒の深部》《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》《演劇の舞台》でコンボ始動可能になっています
・《暗黒の深部》《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》《輪作》+1マナでもコンボ始動可能です。3マナ浮かせて、ヤヴィマヤを輪作して《演劇の舞台》を持ってきましょう。

忍耐

画像6

《忍耐》は非常に強力な脅威です。デルバーをキャッチでき、コントロールに強い瞬速持ちであり、いくつかのコンボを封殺できます。

コンボデッキへの対処の幅の広がり
・Doomsdayデッキを対処可能。今となっては常識となりつつありますが、《タッサの信託者》の能力がスタックに乗っている間に、相手の墓地をライブラリに戻してやりましょう。
・ペインターコンボに対して、1ターンの猶予が得られます。空のライブラリからドローさせられる前に、自分の墓地を修復しましょう。
・ リアニやスパイコンボに対して、《ボジューカの沼》以外の回答になりえます

ライブラリの修復
・緑頂点でサーチ可能な土地やクリーチャーを再調達できます。かなり重要なテクニックです。

対戦相手の《忍耐》に注意
・《エルフの開墾者》《聖遺の騎士》のパワーが下がってキャッチされてしまいます
・到達持ちなので、マリット・レイジをブロックできます。返しのターンにバウンスや《虹色の終焉》でマリット・レイジを処理されないように祈りましょう。

虹色の終焉

画像5

《議会の評決》、いや《剣を鋤に》に匹敵する最高の除去呪文です。信じられないほど柔軟で、GWデプスの多くがメイン採用するに至っています。デルバー、森知恵、真髄の針と幅広いカードに対処可能です。

収斂に注意
・唱えるのに使われた色の数を見ます。《スレイベンの守護者、サリア》の除去にはX=1で十分です。

相手に使われるほうが辛い
《虹色の終焉》はどちらかというとGWデプスに対する新たな脅威という意味合いのほうが強そうです。3色目にタッチした青白コントロールがメインから《森の知恵》を除去できるようになったのはかなり困った点です。

終わりに

モダホラ2以前は、3色目にタッチしたマーベリックが主流でデプスコンボは緑黒のスロー・ミドル・ターボデプスデッキか、土地単のものだったと思います。

モダホラ2で得た新戦力によってGWデプスが一気に主流になり、人気のアーキタイプになって来ているのを感じます。この流行を受けてか、重要カードの《Savannah》が値上がりの傾向にあるみたいです。

画像7

先日の記事では《モックス・ダイアモンド》が大きな障壁になるとお伝えしましたが、ある種「GWスローデプス」とも呼べるモックスもタバナクルも使用しないデッキでも戦えるのがわかってきています。

もし興味のある方は、こうした構築も参考にしてみてください。

この記事がGWデプスの理解の一助になればと思います。

今日はこのへんで。特にオチもなく続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?