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朝
私は朝が嫌い。
朝は冷たいから。
まるで冷ややかな君の視線みたいだから。
温もりを逃さないように布団をたぐって閉じこもるけれど、けたたましくなり続けるアラームは私が動かなければ止まらない。
誰かが言った。
「他責は最も自己防衛をしているように見えるが、本当は最も自分を傷つける行為だ」と。
当時は納得できなかった言葉だったが、今の私にはよくわかる。他責を繰り返し何が自分で、自分は何を成したのかがわからなくなってしまった私にはその言葉が突き刺さる。
向き合うべきであった時間と向き合うべきである時間は、無常にも重なることはない。
私朝が嫌いだ。
誰にでも暖かく降り注ぐから。
どれだけ涙が溢れて枯れ果てても、カーテンに差し掛かるあの温もりは変わらない。ずっと変わらない温もりはすぐそばに、あなたの中にあるはずとどこかの誰かは言っていた。
この言葉の本当の意味はいつか理解できるだろうか。まだわからないことだらけだから…だから、わたしはアラームを止める。