佐古

創作活動で没になったセリフや文章の寄せ集めときどき独り言

佐古

創作活動で没になったセリフや文章の寄せ集めときどき独り言

最近の記事

PRIDE

14年続けてきたクラシックバレエで前十字靭帯を断裂した。正直泣かず飛ばすで、頑張っていたことを、正当化しようと必死だった。 手術したけど、思春期の不安定な心は治らなかった。 摂食障害になって、30キロになった。17の夏。再建したはずの靭帯は知らぬ間に千切れていた。 もう一度復帰したくて必死になって頑張った。 毎日泣きながら。中途半端に終わりたくなくて。 18の冬。復帰した日。 わたしの膝はわたしの身体じゃなくなってた。 知らぬ人の汚い脚のように見えて死にたくなった。

    • 共依存

      誰かのために生きてみたいと思った。 誰かのためなら私は生きられると思ったから。 そんなことはなかったね。 君はいつも笑顔で私なんていらないんだと思っていたし、君のためにと言いながら甘えていたのは私だったね。 ずっと似ていると思っていたけれど、どこもかしこも違ったの。 外で笑顔の私。私の前でだけ笑顔な君。 暗闇が怖くて仕方がない私。朝陽が恐ろしいと言う君。 言ってくれなきゃわからないよ。 私、君のことを愛していたんだよ。どうしようもないほどに。でも君はどこにいるのかも

      • 被害者面

        私の得意なことは被害者面と自己完結。 君の得意なことはなんだっけ…。 何も思い出せないや。 「ずっと変わらないでいて」 君はあの夜、ガラス玉のような瞳で私のことを見つめていたね。後ろで上がる花火がなんだか滑稽で思い出すたびいつも面白いんだ。真面目な顔して、空虚な目をしてさ… 変わらないでと口ではいうけれど、もうすでにあの時そこに君はいなかったよ。あの頃は必死に君が私にしがみついて…いや違うね…私を通して君は君自身にしがみついていたんだね。もう君の瞳には私のかけらも残っ

        • 創作のかけら

          「あの姿になったゆきを見て、まだ潜りたいと真実を突き止めたいと思った?」 「……やめておくよ」 言葉は喉につかえ、雪と交わした約束が脳裏をよぎる。あの日あの時自分が代わりになれば、1秒でも早くその手を握っていればと何度も後悔しその度に、強くならねばと必死にもがいてきた。その結果がこれである。やるせない思いと自分の無力さに涙がこぼれ膝の力が抜ける。降り注ぐ雨に感謝をしなければならないほどの嗚咽が響く。 「何にもっ!なんっにも…!!守れない!!!!守れて……」 「そんなに泣い

          idollー I'm not consumed.

          アイドルを目指す彼女。 「私は消費なんてされない」当初あの子はそんなことを豪語していた。 非常に馬鹿らしい言葉である。 人は消費され消費し、喰い喰われ、取り合いの社会である。幸せであると錯覚した時点で勝ちであり負けである。 生きることすなわち一生をかけて何かを求めることである。そんなことは皆理解しているはずだ。 アイドルは象徴である。 アイドルは消費の象徴である。 私はそう考える。 自己を表現するなどの綺麗事ではない。人に好かれる努力をし、誰にも見られない場所で

          idollー I'm not consumed.

          過ちの正義感

          僕は、正しさとは何か神も図りかねたものなのだと思う。 論理的。内的に獲得される「自らの思惟」により決定される正しさ。道徳的。正しさとは、外界によって与えられるもの。謂わば「規範」によって形成される正しさ。 正義感。 己の独りよがり。道徳的であるように見せた論理的に酷く傾いた思想。 いっそ正しいということが何か決まって仕舞えばよかったと生きているうちで僕は何度も考える。 僕の生き方は正しいのか。 僕は存在していいのか。 そんな社会規範に従って正しさを否定された時、僕は

          過ちの正義感

          私は朝が嫌い。 朝は冷たいから。 まるで冷ややかな君の視線みたいだから。 温もりを逃さないように布団をたぐって閉じこもるけれど、けたたましくなり続けるアラームは私が動かなければ止まらない。 誰かが言った。 「他責は最も自己防衛をしているように見えるが、本当は最も自分を傷つける行為だ」と。 当時は納得できなかった言葉だったが、今の私にはよくわかる。他責を繰り返し何が自分で、自分は何を成したのかがわからなくなってしまった私にはその言葉が突き刺さる。 向き合うべきであった時