ワルキューレ戦記と雑談など
0 前置き
自分は大富豪(大貧民?)のローカルルールが苦手な人間で、「8切り」「11バック」くらいまでは楽しめるが、「5飛び」「7渡し」「10捨て」あたりまで盛り込まれるとウッとなってしまう。
なぜかと考えてみると、自分は「素材の味」に手を加えるのが苦手なのだという仮説にたどり着いた。
大富豪で言えば、順番にプレイして先に手札を使い切ることを目指す、その「素材の味」だけで十分に奥深いゲーム性があって、ローカルルールを加えすぎると「素材の味」が薄れてしまう。
それはデュエルリンクスというゲームでも同じことが言えて、スピードデュエルのルールに則って先に相手のライフを0にするという勝利条件があり、その勝利条件を目指すことが「素材の味」だと思う。「勝ち負けが全てじゃない」とか「強いデッキより好きなデッキ」という言葉は聞こえがいいし、趣味の楽しみ方として一つの理想の姿ではあるが、それはあくまでデュエルの勝敗という「素材の味」に一手間を加えることで初めて成立している。
自分のスタンスはそうではなく、どんなゲームも「素材の味」を楽しみ尽くしたい。
そんなことを考えながら今回のKCもデッキの調整をしていた。
…前置きが長くなりました。これから2022年2月のKCを振り返ります。
とは言っても、銀アイコンを争えたわけでもなく淡々と終わったKCだったので、残っていたスクショを中心に淡々と振り返ろうと思います。
1 振り返り
主な使用デッキはワルキューレ。去年の9月にも使ったデッキで、振り返りや採用札の解説はこちらに書いていますのでぜひ。
ワルキューレの採用理由は主に2点です。
①死者蘇生の実装
5周年記念キャンペーンで配布された「死者蘇生」は多くのテーマに影響を与えましたが、中でもワルキューレは大きく強化されたテーマの一つです。主にフィアットの効果で通常魔法を探しに行ける点、フライアのリンゴで相手の墓地をメタれる点が攻防両面で死者蘇生と噛み合っており、相対的な強化度合いで言えば全テーマでワルキューレが一番の強化だと思います。
②磁石・TGの台頭、ハーピィ・ガイアの衰退
年明けから評価を上げていたテーマが磁石とフライトTGでした。どちらにもリンゴとエルダが刺さり、磁石には有利、TGにも五分~微有利という相性です。また、スワローズ・ネストとスキル【ハーピィの狩場】の規制で罠ビが羽を伸ばせる環境になり、磁石の台頭に従ってワルキューレの天敵であるガイア(走破でフィアットのリクルート効果を潰される)も環境から減っていました。他にもバスブレにはリンゴ、ダイナミストにはエルダが刺さるなど、多くの環境上位テーマに対してワルキューレギミックが優位を取れる状況でした。
また、KC直前に底無し落とし穴というカードの評価が上がっており、通常罠を探しに行けるワルキューレの強みが生かせると感じていました。
そんなこんなで、狩場ハーピィとガイアが環境トップに君臨していた昨年9月よりも条件が良いと踏んでワルキューレを調整していました。正直、ここでワルキューレに頼り切って他のデッキを十分に調整できていなかったのが敗因の一つだと思っています。
迎えたKC。
序盤は勝率6割弱と悪くない滑り出し。
悪くない滑り出し…?
2日目の夜までは1万~2万の間で永遠に反復横跳びを繰り返していました。
一番大きな停滞の原因は、KC開幕1週間前に台頭した幻影騎士団への対策が十分でなかったことです。ワルキューレはテーマ自体のパワーは低く、環境上位をメタることで真価を発揮する(いわゆるメタビート)ので、Tier0テーマに勝てないのは致命的です。応急処置でチェーンロストを入れるなどして凌いでいましたが、対幻影のプレイングは確立できていませんでした。勝率は五分か、少し負け越していたと思います。
応急処置の割にチェーンロストは活躍してくれました。幻影、バスブレ、TGの上位3テーマに対して強いのは大きかったです。
2日目夜は1万5000前後で就寝。
3日目の夕方にようやく調子が上がって3万到達、これでようやく1000位圏内に入りましたが銀ボーダーとは1万以上の差。ここで焦ってしまったのが第2(第3だっけ?)の敗因でした。
ワルキューレでは幻影と戦い切れないと判断し、急ごしらえで組んだ幻奏にデッキを変更。
幻奏は前回のKCの相棒で使い慣れてはいて、ワルキューレに次ぐセカンドデッキではありました。ただ、急遽デビリアンソングを2枚投入し、狡猾による罠主体の構築から速攻型のコンセント入りに変更、何がしたいのかわからないちぐはぐな構築になってしまいました。当時は「歌姫とソングでシナジーあるやろw」というふざけた気持ちでこのデッキを使っていましたが、冷静に考えれば天使族とデビルでは噛み合うはずもありません(そういう問題ではない)。
要するに、事前にちゃんと握るデッキを準備しておけということです。
案の定、そこからDPは伸びず。そもそも幻影はシューベルトの妨害を踏み越えてワンキルしてくるパワーデッキで、幻奏がそれほど有利でもありません。まして銀ボーダーにいる幻影の使い手と急ごしらえの自分では結果は目に見えていました。
確か最高DPは4万と少し、銀ボーダーにかすりも出来なかったと思います。というか現実逃避でランキングの更新をほとんど見てなかった。
というわけで最後はDP33115、世界552位でフィニッシュ。結果・内容ともに不完全燃焼に終わってしまいました。
正直に言うと、ワルキューレが銀アイコンを獲れるデッキだったかどうかは怪しいです。「シグルーン+ドリット」のような強い初動は再現性が低く、フィアットでアドを稼いでいく動きは安定しないので、低速環境の今でも微妙かなというのが率直な評価です。
おまけで残っていたスクショでも。
エルダで打点を下げるとチェーンロストの範囲が広がる。
どこの誰まかしーやねん。知り合いとの対戦はたまになら嬉しい派。
2 雑談
今回は残念な結果でしたが、自分の一番好きなデッキで走れて楽しかったし、後悔はありません。
…とは全く思えず、一番愛着のあるデッキで走ったからこそ、もっと構築やプレイングを煮詰められたんじゃないか、そもそも今回はワルキューレが舞える環境じゃなかったんじゃないかと、後悔ばかりが浮かんできます。正直、過去1年で後味最悪のKCでした。
ワルキューレを煮詰めていると、たまに「環境外デッキで頑張ってるんですね」(大意)と言われることがあって、ウッとなります。
「環境」の定義は難しいところもあると思いますが、自分は環境外のテーマにこだわるという意識は一切なく、今の自分が一番勝てると思うデッキを選んでKCに臨んでいます。今回はそれがワルキューレでした(本当はこれをアイコン獲って言いたかったんよ!)。
冒頭の前置きに戻ると、勝敗という意味でのベストパフォーマンスにこだわることがリンクスの「素材の味」であり、自分に一番合った楽しみ方です。つまり、「勝つか負けるか」「強いか弱いか」という部分以外にバリューを持たせたくないがゆえに、「環境外デッキにこだわっている人」にはなりたくないという意味です。極論、もけもけで101位の人よりオノマトやハーピィや幻影で100位に入る人の方が偉いですからね。
なぜこんな意識高い系の話をするかと言うと、最近はリンクスの存続をわりと本気で心配しているからです。去年はKCGT本戦での一連の問題をはじめ、公式によるキャラゲー宣言など、リンクスの今後に不安を抱かせる出来事が多くありました。正直なところ、このゲーム大丈夫かなと今も思っています。
自分はZEXALまでのアニメ遊戯王を各2周以上している大ファンで、キャラゲーや原作再現要素にも愛着を感じていますが、ゲームの存続という意味ではガチの公式大会がなければ持たないと思います。KCで勝つという目的がなければ新弾を発売日に課金して剝く必要もなくなってしまい、課金ユーザーがいなくなれば慈善事業でもない限りサービスを続ける意味がないので。
何より自分はKCという良い大人が72時間ぶっ通しで世界中のライバルとひたすらデュエルを繰り返すという狂ったイベントが大好きで、「KCをガチで走ること」の価値は今後も下がらないでほしいと願っています。
もちろん去年はマスターデュエルの開発に力を入れていたなどの事情はあるとはいえ、そういう意味でリンクスの行く先を心配しているという感じです。最近は引退しているユート役の声優さんにボイスを入れてもらうなど運営の努力も見られる一面もあるので、これが意識高い系おじさんの杞憂に終わればいいのですが。
まとまりの悪い話になりましたが、まあとにかくKCは楽しいし今後もリンクスを楽しんでいこうということです。
個人的に4月は仕事の都合などで走れないので、6月のKCGTでは世界大会出場を目指して頑張りたいと思います。
暗い話にも長々とお付き合いありがとうございました。
ではでは!
もけもけ