【エッセイ】だんだん、解けることが目標じゃなくなってくる【謎解き記録#2】
今年初の謎解き公演に参加してきた。
『夜の巨大監獄からの脱出』
夜の遊園地を使って行われる大型公演。初めて夜の遊園地脱出に参加したのは2023年春によみうりランドで行われた『夜の仮面サーカスからの脱出』だった。大型の公演は普段より謎解きスタートまでのストーリーも大掛かりで、迫力がある。それに、普段はなかなか入れない夜の遊園地を貸し切る、という状況にも高揚感を感じる。
地図を見てかなり大きな範囲を移動しなくてはいけないし、渡されたアイテムを無くさないように暗闇で管理しなければいけない。普段の謎解きよりも謎以外の要素で難易度が高いのだ。
初めて参加した仮面サーカスは、ラストの謎に気づくことができず所謂「本当にそれでよかったんでしょうか」に引っかかった形で失敗に終わった。
私はこの「本当にそれでよかったんでしょうか」が大好きで謎解き公演に行っている。あらゆる謎や暗号を解き明かしラストにたどり着けても、最後の最後、細かい違和感に気づかないと脱出失敗してしまう。ドキドキするけれど、成功しても失敗しても推理小説の世界に入ったみたいな感覚になれる。成功したらもうほんと気分は名探偵だ。
それから開催されるたび、遊園地脱出に参加してきた。
だんだんとコツを掴み成功に辿り着けるようになってきた。最後に回答を送信した名前がスクリーンなどに表示されることが多いのだが、8ページ中最後のページに名前が載っているギリギリクリアが最初の頃だった。
昨年春に参加した『夜の海賊遊園地からの脱出』では、クリア者一覧の2ページ目に載ることができた。
私たちの目標は「クリア者一覧の1ページ目に載ること」。クリアはもちろん、早さまで重視するようになってきた。
今回の会場、ドームシティ。私はとても地図が苦手なので、次に移動する場所がいつもわからない。友人は逆にめちゃくちゃ地図が得意なので、ドームシティは地図を見なくてもどこに何の乗り物があるかわかるくらいだ。
そんな友人に移動について考えるのは任せて、全力で謎を解いた。
そして、最後の場所にたどり着いた時……。何と前に3人しかいなかったのだ。だいたい120人がクリアをしたうちの4番目。
30分くらい時間を残してクリアできた。達成感がすごい。大満足。でもここまでくると次は1番になりたくなってきた。次こそ1番にクリアをするという新しい目標ができた。