バーニング

バーニング@日比谷シャンテ
(以下ネタバレ)
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これ、何通りも解釈出来ると思うんだけど、
あたしはベン犯人じゃないのにジョンス嫉妬から勘違いしちゃった説押し。
映画はあくまでジョンス目線で切り取られていて、
例えばあくびをしていたとしても、本当に眠かっただけ、
という事もある訳ですよね。
ピンクの時計も
「女のための国なんてひとつもない」
と名言を吐いたコンパニオン仲間の女の子も、同じピンクの時計して。あれってクジの景品だったわけじゃん?沢山の人が貰っててもおかしくない訳で、あれがへミの物かどうかは定かじゃない。
極めつけあれ?と思ったのは、待ち合わせ場所に現れたベンが「へミはどこ?」ってジョンスに聞くんだよね。
自分で殺してたらそもそも来なくね?っていう。
ベンは普通にジョンスと友達になろうとしていたんだとしたら。
そのように見ようと思えば、本当にただの裕福な紳士にも見えてくる。
全てはジョンスの嫉妬からの勘違いだと見てみたら、
私には腑に落ちる映画でした。
旅に出る時ジョンスに餌を頼んだように、
へミは借金苦から自ら失踪して、ベンに猫を預けたのかもしれない。
てゆーか、たまたま名前を呼んだら返事しただけで、
ほんとに拾ってきた猫ちゃんなんじゃないかなあと思ったり。
相手と自分が対等であると思えない時、
人は相手の事を正面から見れなくなる。
そして、その人の本質を見る事が出来なくなってしまう。
最初から最後まで、ベンはジョンスに対してフレンドリーで、
馬鹿にしたりひとつもしてないんだよね。
むしろ、彼の好きだという本を読んだりもしていて。
ベンが川向うの北を眺めている時、ジョンスは後ろから盗み見るばかりで、
ベンが本当はどんな表情で北(自分)を見つめているか見えない。
裕福なベンが南、貧しいジョンスが北のメタファーで。
あのシーンが理解し合うことが出来なかった2人の、
全てを物語っているように見えました。


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