もともと仕事ができる人用の自己啓発書『時間最短化、成果最大化の法則』
今まで読んだビジネス系自己啓発本の中で、即効性ナンバーワンがこれ。
この本のメッセージは「スキルを身に付けるよりも、意識を変えた方が手っ取り早く成果が上がるようになる」ということ。
そして、意識変革の具体例が挙げられている。その中で特に即効性が高いのが冒頭2点。
①ピッパの法則
②後で考えない法則
「ピッと思いついたらパッとやる」ー 「ピッパの法則」の効果は高い。常々「ピッパの法則」という言葉を呪文のように唱え、すぐに行動に移す体勢を維持することが肝要。
朝のメール処理。長いミーティングが終わり席に戻ってきたときのメール処理。「長いな、このメール」と思いながら読み始め、10秒後の気付く。「これはメンドクサイ。読むだけで終わらずアクションが要求される。後で読もう」
とりえあずフラグを付けて、次のメールに移る。
この繰り返し。
ここで次のメールに移る前に呪文を思い出して欲しい。ピッパの法則。
10秒使って読んだのであれば完読して処理を終えてしまうべき。
人に何かを依頼しなければならないなら、その場で依頼。場合によっては1分経たずに処理終了。返信・依頼が必要でも、2,3分で終わる可能性が高い。
「ピッパの法則」とペアで覚えておきたいのが「後で考えない法則」。
メールを10秒読んで典型的に思うのがこれ。「後でしっかり考えよう。」
これがピッパの法則実行の妨げとなる。
なぜ「後で」になるのか。今しっかり考えればよいのでは。
多くの場合、「後で考えよう」という悪魔の呪文が思い浮かび、仕事を先送りしてしまう。
ミーティングにおいても「ピッパの法則」「後で考えない法則」は有効。アクションが必要ならミーティングの場で担当者を割り当て、必要なメールを転送する。意思決定に必要なのが誰か分かれば、最終意思決定ミーティングの予定を入れる。
このようにして、ありがちな「ではおのおのよく考えて、1週間後にまたミーティングしましょう」という事態を避ける必要がある。
以上を読んで、勘のいいひとは気づいているはず。これはすでにスーパービジネスパーソンになっている人にしか通用しない、ということを。
貴方は部下や同僚にピッパの法則を勧めることができるだろうか?
何人に勧められるだろうか?
ちょっとおっちょこちょいの山本君がピッとひらめいたことをパッと実行し出したら? 考え方がいまいちずれている鈴木さんが、会議の場でまとめようと仕切り出したら?
多くの人は秒速で正しいアクションを想起するのは難しく、実行前に相談が必要な場合も多い。「できる人」は「この件は相談が必要」ということも正しく判断でき、パっとメールを上司に転送してアポを取ることができる。「できない人」はその判断を誤り、相談不要な些事で上司を巻きこんだり、相談が必要なことを見切り発車してしまったりする。
結局のところ、本書に書かれている様々な意識変革手法は、優秀なビジネスパーソンが行うからこそ効果を発揮するのである。
あなたが優秀なら活用すべき。