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小説 本好きゆめの冒険譚 第二十九頁
夏休みも本番。
青く高い空には入道雲…輝く緑に蝉の鳴き声…
私達は虫取りに行ったり川に行ったり
友達の家で「お泊まり会」をしたり
パパとママと一緒に海に行って泳いだり
夜空に輝く花火大会に行ったりした。
宿題は…友達と一緒にやったり、
パパとママに教えて貰ったり。
「その男子」とは、会えてないけど、
充実した夏休みを過ごしていた。
夏休み中の学校登校日。
私も含めクラスメイト全員が真っ黒に日焼け。
何処に旅行に行ったとか、親せきの家に行ったとかの話で、騒がしい。
…教室内で1つだけ席が空いている。
「その男子」の席だ。
皆は何も、気にしていないようだけど、
私には、大きな穴が開いているように見えた。
校舎を出ると、「その男子」とお母さんが、後ろから出て来る。
私を確認すると「ニコッ」と笑い、校門を後にする。
・・・何かあったのかな?
そう思いつつも、わからないので、いつもの道を歩いて帰った。
今夜の夕飯は「バーベキュー」。
肉や野菜を串に刺したり、トウモロコシのひげを取ったり、皮を剥いたニンニクをごま油と塩を入れてホイル焼きの準備をママと一緒にする・・・ バーベキューは家の庭でやる。
不器用なパパが炭と格闘するのを見兼ねて、近所の人達が手伝ってくれる。
自然と近所の人達が材料を持ち込み、バーベキュー大会になった。
私は串に刺さった肉野菜を頬張り、友達とおしゃべりしながら、片手に串、片手にラムネと夏の夜を満喫する。
誰かが持ってきたのであろう、花火の光が明るく照らす。さらにバーベキューは賑やかになった。
お酒は飲めませんからと断るパパにまぁまぁと薦めるおじさんや、ママとのおしゃべりに花が咲くおばさんで、賑やかに夜が耽っていった。
お風呂に入っている「日焼け姿」の私を見て、「パンダみたい…」と笑うパパ。私も「腕だけ日焼け」のパパと一緒に笑う。
いつものように、ベッドへダイブ!
布団の薄さが気持ちいい。
今日も、幸せな1日でした。
と思いながら、眠りについた。