
小説 本好きゆめの冒険譚 第三十六頁
秋と言えば・・・
・スポーツの秋
・芸術の秋
・食欲の秋
そ・し・て、「読書の秋」!
これで、心置きなく読書を楽しむことが出来る!
秋はゆめにとって、最高の季節なんです。
学校の図書館へと、早歩き…
…この数ヶ月で解った事がある。
私が干渉出来る本は、童話・小説など「物語がある物」で、その他ビジネス書・参考書等は、干渉出来なかった…。
と、言う訳で、図書館の小説コーナーにて…
どの本にするか…まだ完全に使いこなせている訳ではないから、短編集にしようと吟味している。
パラパラ…っとページを捲って、中身を確認!
意識しなければ、無干渉だって分かったから、心配なし!
・・・結局、選んだのは「童話」になる…。
これが1番、落ち着くんだよね、話も短いし…。
今回は「北風と太陽」。
早速、家に持ち帰って、実験?をしなければ…
そんな帰り道に「誘惑」は潜んでいる。
「あっ、ゆめちゃーん!」
友達の声が聞こえる。
「今から皆で集まって遊ぼうってなっていてね、家の庭で焼き芋焼くんだ〜」
・・・焼き芋。
落ち葉で焼く、焼き芋は香ばしい香りにトロッとした食感、これにバターなんて反則級の物でも持ってこようならアウトですよ。
「〜ん、イヤ、今日は家で本を読むからね!またね!」
と、己の本能に勝利しなくてはいけないのです。
「今夜の夕飯は、サンマの塩焼きで〜す!」
ママが満面の笑みで発表した!
サンマだと!?
しかも、七輪で焼いたと?
そんなの、美味しいに決まってる!
キノコと山菜の炊き込みご飯との相性、たまらんです!
「デザートは焼き芋で〜す!只今、焼いてま〜す!」
ヴッ!ここでも焼き芋・・・
これは、食べ過ぎてしまう…食べ過ぎると眠くなる…
本を読む時間がない!
せめて、焼き芋だけは止めておいて・・・
サンマ、美味しい…。
キノコの炊き込みご飯…。
…お代わり!…
豚汁、美味しい…
「ごちそうさま!」
そそくさと席を立とうとする私をガシッとママがホールド!
「ゆめちゃん、焼き芋、食べて行くわよね〜」
「ゆめちゃんの為に、一杯焼いてるから、温かいうちに、いっぱい食べてね?」
「・・・はい…。」
これって、いつ本を読めるんだ?
そう思いながらも、美味しい美味しいと頬張る私でした。