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キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)第3章 教会(陰謀)編 47.遺跡の調査

 私は、シンビームに思念伝達で連絡を取った。

 「シンビーム、キリだけど、今、いいかしら?」

 「キリ様、何でしょうか?」

 「隠密チームを派遣して欲しいの」

 「はい、大丈夫です。それで、何をしたらいいのですか?」

 「リーグリ王国の神殿の近くに新しくダンジョンが出来たことは、知っているかしら?」

 「はい、知っています」

 「そのダンジョンの第18階層に新たな遺跡に繋がる横穴があるの」

 「はい」

 「その遺跡を調査して欲しいの」

 「分かりました」

 「その時に、白魔法が使える者を同行して欲しいの。隠密チームに白魔法が使える者はいる?」

 「少しだけ使える者がいますが、役に立つとは思えません」

 「分かったわ。それなら、必要な神具を用意しておくから、それを全員に持たせてくれる?」

 「はい」

 私は、急いで必要な白魔法が起動できる神具を10個作った。これで、大丈夫ね。

 「今から、そっちに送るわ。受け取ったら、直ぐに出発してね」

 「はい、分りました」

 私は、シンビームとの思念伝達を切った。そして、神具をシンビーム宛に転送した。

 それから、私は、魔法学院の学院長に連絡を取った。遺跡から持ち帰った水を調べて貰うつもりだ。

 「学院長、久しぶりです。以前、お世話になったキリです」

 「本当に、久しぶりね。今は、貴族だったかしら」

 「はい、貴族になりました」

 「それで、私にどのような用事なの?」

 「実は、手元に少し変わった物質を持っていまして、それを分析して貰いたいのです」

 「あら、キリも色々と研究しているのではないの?」

 「でも、この物質は、白魔法が使える者の方が良いように思いまして、魔法学院長に連絡したのです」

 「分かったわ。本学院の教師のアイリスが白魔法が使えるので、分析を依頼しておくわ」

 「それでは、キリ商店を通じで、そちらに送りますので、よろしくお願いいたします」

 私は、魔法学院長との連絡を切った。

 これで、当面の仕事は終わりね。

 私が、城で、少し休息を取っていると、遺跡に派遣した隠密チームのリーダーから、思念伝達で連絡が入った。

 「キリ様、今、ダンジョンの第18階層に到達しました。これから、横穴を移動して遺跡に向かいます」

 「分かったわ。これから、ダンジョンを出るまで、思念伝達での連絡を切らないdおいてね」

 「はい、繋いだままにしておきます」

 「よろしくね」

 「キリ様、今、横穴を通っています。特に、異常はありません」

 「少しでも、変だと思ったら、撤退してね」

 「はい、分っております」

 「横穴の最後まで来ました。遺跡の入り口です」

 「それでは、まず、1つ目に神具で、各自、自分の身体にバリアを張ってくれる」

 「はい、分りました」

 隠密チームのリーダーの指示で、隠密チームの全員が神具を使って、バリアを張って行った。

 「キリ様、終わりました」

 「それでは、もう一つの光魔法の神具で、遺跡の入り口から、中に向かって魔法を起動してくれる」

 「はい、分りました」

 次の神具で、一斉に遺跡の中に向かって、光魔法が発動された。

 「キリ様、特に変化はないようです」

 「まだ、だめよ。後、2回同じように光魔法を起動してくれる」

 「はい、分りました」

 隠密チームのリーダーの指示により、更に、2度、光魔法が発動されていった。

 「グァ、グアアアアアアア」

 光魔法が発動される度に、うめき声が響き渡った。

 「グァ、グアアアアアアア」

 そのうめき声は、思念伝達で、キリにも伝わって来た。

 「うめき声が鳴りやむまで、神具による光魔法の発動を繰り返してくれる」

 「はい、分りました」

 隠密チームのリーダーの指示で、更に光魔法が発動されていった。

 すると、遺跡の空間に変化が生じてきたようだ。

 「キリ様、遺跡の空間が動き始めました。どうも、壁全体が揺れているようです」

 「分かったわ。一旦、撤退してくれる」

 「はい、分りました」

 隠密チームは、もう一つの転移魔法用の神具で、ダンジョンの入り口まで、移動した。

 「キリ様、全員無事、ダンジョンの入り口まで、移動しました」

 「良かった」

 「キリ様、これから、どうしましょうか?」

 「そのまま、こちらに戻って来てくれる。後日、また、指示をしますから、その時はよろしく」

 「はい、また、何かあれば、いつでも、読んでください」

 私は、隠密チームのリーダーとの思念伝達を切った。

 やはり、光魔法が効果的だった見たいね。

 「キリ、どういうことなの?」

 横で、隠密チームの様子を聞いていたミユが、私に、質問した。

 「実は、隠密チームに持たせた光魔法の神具は、浄化魔法ピュリフィケーションを発動する物なの、つまり、闇属性を打ち消すためのものよ」

 「そうか。その所為で、遺跡が反応したのね」

 「そうみたい。闇属性を帯びているみたいだから、浄化魔法ピュリフィケーションが、友好だったのね」

 「キリ、遺跡の状態を理解しているの?」

 「完全ではないけど、ある程度、予測したことがあったの。それが、的中したようね」

 「それで、光魔法の神具を持たせたのね」

 「そうなの」

 私は、隠密チームが全員無事に戻ってきたことを喜んだ。予想が当たったので、次の打つ手も、決まったわ。

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moka
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