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第Ⅱ部勇者パーティ編 第10章 魔法学院ミユ編 7.エルミアのレベルアップ
私達は、第3層でゴブリンに取り囲まれたパーティーを救ってから、更に下の階層に潜っていった。
「もう少し、先に進もうか?」
私が、皆に声を掛けると、直ぐに返事が返って来た。
「「はい」」
「それじゃ、今日は、第5階層を目標にするよ。それから、冒険者ギルドに行って、魔石などを買い取って貰うね」
「はい、わかりました」
エルミアが、私に返事をした。ミユも、黙って頷いていた。パープルは、私に抱き付いている。まあ、何処まで潜っても、パープルにとっては、同じだろう。
「まず、スキル探索で、調べるね」
私は、第5階層まで、スキル探索で、魔物を調べた。第4階層は、安息用の階層で、更に下の階層へ行くための休憩所が備わっている。今回は、特に疲れてもいないので、そのまま、第5階層へ行く予定だ。
第5階層にはワーウルフがいた。ワーウルフ単体では脅威ではないが、通常10匹以上の群れて行動しているので、初心者は一気に襲われると危ない。それと、めずらしくサーペイントが1匹いた。
「ワーウルフが群れでいるわ。それと、その奥にサーペイントが1匹いるよ」
「ワーウルフは、火魔法で攻撃します。いいですか?」
エルミアが、聞いてきた。そこで、討伐計画を確認することにした。
「エルミアは、ワーウルフに集中してね。範囲攻撃で狩ることができるよ。サーペイントは、私が土魔法で、動きを止めるから、その後で、エルミアが風魔法で、倒してね。うまく、攻撃が聞かない様なら、私が倒すわ」
「わかりました」
「キリ、私は、どうするの?」
「エルミアは、毒や麻痺の耐性がまだないから、サーペイントの毒を被ったら、直ぐに治療してくれる」
「はい、準備しておきます」
「それから、もし、急にサーペイントが攻撃方向を変えたら、光魔法で、目が見えないようにしてくれる?」
「はい、大丈夫です」
「それじゃ、行くわよ」
「「はい」」
私は、周囲の魔物を探りながら、パープルと共に先頭を進んで行った。暫くすると、13匹のワーウルフがこちらを窺っているの感じた。
「エルミア、13匹のワーウルフがこっちに向かった来るよ」
私は、皆に声を掛けて、注意を促した。
「「はい」」
ミユは、すぐさま、皆を強化した。
「スキル魔力耐性向上
スキル物理攻撃向上
スキル攻撃速度向上」
エミリアは、火壁を起動していた。私は、サーペイントの動向に注意を向けていた。
「火壁」
エルミアの魔法が、先頭のワーウルフと共に数匹のワーウルフを倒した。
「火壁」
続いて、また、数匹のワーウルフも倒れた。
「火壁」
ほとんどのワーウルフを倒すことが出来た。後は、サーペイントの現れるのを待つだけね。すると、魔物を気配を感じた。私は、素早く、スキル探索を使って、魔物を探した。
「気を付けて、前方の地面の下よ!」
私は、大声をあげて、皆の注意を促した。そして、ミユに声を掛けた。
「光球を目にぶつけて」
「はい。光球」
地面が割れ、サーペイントが現れた。それと共に、ミユの光球がサーペイントの動きを止めた。
「エルミア、今よ」
「はい、風カッター」
「もっと下よ。逆鱗を狙って!」
「はい、風カッター」
5mを超す巨体を天井付近まで持ち上げて、エルミアを睨みつけながら、口を大きく開け、赤い舌を出した。
「シュー、シュー、シュー」
サーペイントは、不気味な音を上げながら、エルミアに近づいて来た。
「火球」
私が放った火球がサーペイントの口の中で、大きな音とともに破裂した。
「風カッター」
エルミアの魔力では、逆鱗を破壊することが出来ないようだ。仕方がないので、私が、逆鱗を破壊することにした。
「風カッター」
今度は、逆鱗を破壊することが出来た。
「エルミア、今よ」
「はい、風カッター」
こんどは、胴体が叩き切られ、上半身が、床に落ちてきた。
「注意して、まだ、魔石が出ていないわ。死んでいないわよ」
「風カッター」
再度、エルミアが魔法を放った。サーペイントの魔石が飛び出した。私達は、計画通りに魔物を倒すことが出来た。
「それじゃ、冒険者ギルドに移動するよ」
私が声を掛けると、皆、私の腰に抱き付いてきた。何故か、これがルーチンになってしまったみたい。私達は、転移魔法で、冒険者ギルドに移動し、中に入っていった。そして、冒険者ギルドで、魔物の回収物を引き取って貰い、報酬金をそれぞれの冒険者IDに入れて貰った。
「キリは、ミユとエルミアは、今回ランクアップしましたよ。どちらも、Dランクです」
受付のシェリーが、私に教えてくれた。
「ミユ、エルミア、聞いた? やったね」
「はい、うれしいです」
「私は、もっと上になりたい!」
エルミアは、満足そうだが、ミユは、少し、不満なようだ。今回は、エルミアのレベルアップを中心に行動したから、ミユにとっては、物足りなかったのだと思う。
「ミユ、ガッカリしないで、次には、ミユに頑張って貰うよ」
「はい、頑張ります」
私は、ミユの頭を優しく撫でてあげた。長くて艶やかな髪が綺麗だ。
「キリ、私も」
急に、パープルに抱き付かれた。
「はい、分かったわ」
私は、抱き付きて来たパープルの頭も撫でてあげた。パープルは、とても嬉しそうだ。フサフサの尻尾を振っている。
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