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第Ⅱ部 勇者パーティ編 第12章 キリ商店編 1.キリ商店のスタート
言語開発のリーダーのショーバタから思念伝達で、連絡が来た。
「キリさん、ついに完成しました。これまでの言語にAI開発用の機能を追加することができました」
「ショーバタ、よくやった。それで、これまでのライブラリーなどは、そのまま使えるのか?」
「少しの修正で、使えます。ライブラリー自体を変更する必要はありません。すこし、呼び出し方が変わるので、呼び出し側のプログラムは、修正する必要がありますが、パターンが決まっているので、修正用のプログラムも、作成済みです。ですから、一気に乗り換えが終わります」
「良かった。それから、並列処理の方は、どうなった?」
「一応、理解して貰いました。今後は、定期的に考え方をすり合わせることになりました」
「助かるよ。これからも、よろしくね」
「はい」
私は、ショーバタとの思念伝達を切った。
ついに、AI開発用言語が完成した。新しい言語「ヤヌス」を改良することによって、ディープラーニングが可能となった。しかし、依然として、ハードウェアの性能が低く、複雑な処理を短時間で行うことができない。これは、早く改善していきたい。しかし、AI開発用言語を利用することで、よりよい言語の開発と応用面での研究開発が進んで行くはずだ。
新しい言語は、以前のヤヌスの機能をすべて利用できる。そこで、2番目の言語ということで、「フェブルアリウス」と名付けることにした。通称名を「フェブルス」とすることにした。
これを元に、ペット型のロボットの基本ソフトを書き換えて貰って、サーバー上にアップした。これで、テラ・ワールドの主力商品の性能が一気にアップしたはずだ。
一応の目途が経ったので、次に目標に向かうことにした。それは、これまでのサンライズ商店の名称を変更して、新たなスタートを切ることだ。それによって、キリの名前を前面に出すことができる。
私は、商業ギルドに転移魔法で、移動した。そして、店の中に入って、係に話しかけた。
「すみません。サンライズ商店のキリですが、誰か、いませんか?」
すると、奥の方から、受付の係がやって来た。
「どのような、用件でしょうか?」
「それほど急いではいないのですが、サンライズ商店の名前を変えたいのです」
「はい、それは、いいのですが、どうしてですか?」
「実は、サンライズ商店は、私が作ったものではないのです。別の商人が始めた店です。そこで、新たに私が中心で、商売を始めたいと思って、名前を変更したいのです」
「分かりました。それでは、どのような名前にしますか?」
「私の名前を取って、キリ商店としたいのですが、どうでしょうか?」
「調べて見ますね。既に登録されているとだめですので」
「はい、お願いします」
暫くして、係が帰って来た。
「大丈夫でした。それでは、これに記入してください」
私は、書類に必要事項を記入して、商業IDを係に渡した。暫くして、係が奥の部屋から帰って来た。
「これで、手続きは終了です」
「ありがとうございました」
私は、商業ギルドを後にして、以前のサンライズ商店の本部に転移魔法で移動した。そして、すぐさま、看板を新しく作り直した。そして、各支店に名称が変わったことを伝え、看板を変える様に指示を出した。
これで、新生キリ商店のスタートだ。これまでの商品を考えてみると、赤のポーション、青のポーション、アイテムボックスから初めて、オルゴール、陶器、ペット型のロボットとオリジナル商品も揃った。
今後は、各国の特産品を効率よく購入して、低価格の輸送費で、販売していく予定だ。
キリ商店は、ローザを中心に運営して貰う予定だ。そのローザの下には、元商業ギルドの従業員のチョートン、マイマイ、アスジハ、ベニーミが、ローザを補佐している。
そして、各国の都市に支店を約60店舗も出店した。それに、各店舗用に、従業員を2名以上採用して、最低限の技術・知識をオリエンテーション用の施設で、叩き込んだ。それが、200名以上にもなった。
これで、キリ商店の全国展開を始める基盤が出来上がった。そして、各支店には、地下工場と倉庫を作って、マナドールをストックしている。各倉庫には、2万体ものマナドールが保管されているが、100体を保管できるアイテムボックスが200個ですむので、それほどのスペースは取っていない。それに、各工場で、マナドールやマナコンを作成しているのは、24時間働けるマナドールなので、作業が滞ることは全くなかった。
ローザから、思念伝達で、連絡が入った。
「キリ、ペット型のロボットの件だけど、順調に進んでいるわ。取り敢えず、先に報告しておこうと思って」
「そうか。それなら、カスタマイズ販売を開始できるということだね」
「ええ、そうよ。それから、性格も選べるようにしたわ。AI型ロボットにアップグレードしたわよ」
「凄いな。もう、応用できるのか?」
「そうみたい。これから、更に、AIの能力を高めていくようよ」
「進むのが、思っていたより、早いようだね」
「うれしい?」
「当然だよ。嬉しいに決まっているよ」
「それじゃ、お祝いをしないといけないね」
「そうだね。本部で、打ち上げでもしようか?」
「それは、いいね。皆も、顔を合わせるのは、初めてだしね」
私達は、打ち上げの準備を始めることにした。一堂に会するのは、初めてなので、とても楽しみだ。
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