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第Ⅱ部 勇者パーティ編 第13章 Sクラスパーティー編 6.Sクラスパーティー始動
ついに、私達は、Sクラスに昇格した。これで、キリのパーティーも、Sクラスパーティーだ。
Sクラスになったことを記念して、一つ依頼を受けることになった。また、フヨウに、選んで貰うことになった。
Sクラスパーティーの始動だから、これまでにない依頼を受けようと、フヨウは、張り切っている。まあ、私は、どんなものでもいいのだけど。皆と依頼をことなすことだけを考えていた。
フヨウとエルミアが、私達と別れて、食堂を出て行った。パープルは、少し離れて、肉を頬張っていた。
ミユも、皆と一緒に居ることが楽しいようだ。一人が好きなのだと思っていただけに少し、意外だ。
「ねえ、ミユ、無理していない?」
「キリ、急にどうしたの?」
「ミユは、一人の方がいいのかなって、思って」
「そんなことないわ!」
急に、ミユが怒り出した。あれ、私、怒られるようなこと、言ったかなぁ?
「ごめん。私、変な事言った?」
「そうよ。私は、キリと一緒がいいの。一人が良いだなんて、そんなことないわ」
ミユが、泣きそうになっている。こんなミユを見るのは、初めてで、私は、どうしたらいいのか、分からなくなった。いつも、冷静で、私の姉の様なミユが、こんなに感情を出すなんて、どうしたのかなぁ?
「私が、この魔法学院に入学したのも、キリがいたからよ」
「そうなんだ」
「キリは、いつも、私の事を気に掛けてくれないのね」
「そんなことないわ。ミユがいるから、私も、この魔法学院の生活が楽しいのよ」
「本当? 私が居る方がいいの?」
「当たり前でしょ。嫌いなら、一緒にいないわ」
ミユは、少し、落ち着いて様だが、まだ、涙が止まらないようだ。私は、ミユを抱きしめてあげた。
「ミユ、好きだよ」
「本当?」
「本当よ」
私は、姉のようなミユの頭を撫でてあげた。大人のように感じていたミユのこんな一面があるなんて、思いもしなかった。
私は、軽く、おでこにキスをして、涙をぬぐってあげた。
「キリ、ありがとう」
「ミユ、もう、大丈夫?」
「はい、大丈夫よ。ごめんなさいね。私、どうかしてたわ」
「いいのよ。ミユは、いつも、我慢しているから、もっと、思ったことを言っていいのよ」
「本当に、言ってもいいの。嫌いにならない?」
「ミユの事を嫌いになるわけがないわ。何でも、気を遣わずに言ってね」
「はい。キリ、ありがとう」
ミユも、笑顔を取り戻したようだ。すこし、落ち着いたようだ。
「これからも、一緒だよ」
私は、もう一度、頭を撫でてあげて、少しミユから離れた。パープルが食べ終わったようで、私達に所にやって来た。
「パープル、食べ終わったの」
「うん。もう、お終い」
「それじゃ、部屋に戻ろうか」
「うん」
ミユが、私に声を掛けて来た。
「キリ、私も行っていい?」
「いいよ。一緒に行こう」
「はい」
私達3人は、私の部屋に入って行った。ミユが私の部屋に来るのは、珍しい。私は、何を話したらいいのか、よく分からなかったので、ベッドに横になった。すると、パープルがいつものように、私の横に来て、寝始めた。
私は、パープルの頭を撫でながら、少し目を閉じていた。すると、ミユが、パープルと同じようにベッドに入って来た。そして、私を抱きしめた。
私は、パープルと同じように、ミユの頭を撫でてあげた。じっとしていると、ウトウトして来た。そして、いつの間にか、私は、寝てしまったようだ。
目を開けると、左には、パープルの温かい身体が私にくっ付いていた。そして、右には、ミユの少し冷たい身体があった。ミユも、目を閉じていた。かすかな寝息が聞こえている。
ミユも疲れていたようだ。私は、気持ちよく寝ているミユの横顔を眺めていた。白い肌に長い黒い髪が映えている。私は、思わず、冷たく白いほほを撫でてみた。
冷たくて、気持ちがいい。すると、ミユが目を開けた。
「ミユ、起こしてしまった?」
「ううん。いいの」
私は、ミユのほほにそっと、キスをした。それから、目を閉じて寝てしまった。
朝起きて、私とミユは、一緒に、食堂に向かった。もちろん、パープルも一緒だ。食堂では、フヨウとエルミアも来ていた。
「おはよう」
「キリ、お早う」
「あら、ミユも一緒。朝から、仲がいいね」
エルミアが、声を掛けて来た。ミユは、少し恥ずかしそうに、俯いて、席に着いた。
「フヨウ、そろそろ、Sランクパーティーの初めての依頼を決めたの?」
「ううん、まだだよ。もう少し、時間が掛かるようだね」
「まあ、焦ることはないわ」
「そうだよ。まだまだ、卒業までには、時間があるから、ゆっくり、決めたらいいよ」
皆も、口々にフヨウに声を掛けて、励ました。
私とミユは、週末の予定が無くなったので、一緒に、街に出かけることにした。久しぶりに、美味しいものを食べようと思った。パープルも、美味しいものを食べたそうだ。
ミユも、週末が待ち遠しそうだ。それから、私の耳元で、小声で訊いてきた。
「今夜も、一緒に寝てもいい?」
「もちろん、いいよ」
夕食後は、ミユが私の部屋を訪ねて来た。一緒に寝る用意も、万全のようだ。3人で、寝るには、少し、ベッドが小さいように思ったが、ミユは、気にしていないようなので、そのまま、寝ることにした。
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