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第Ⅱ部勇者パーティ編 第11章 商人キリ活躍編 2.商品開発

 トード王国のド-トムントで、マナコンの開発用に従業員を3人雇ったが、順調にマナコンに馴染んでいるようだ。これなら、もっと、雇って、開発の速度を速めることが出来そうだ。

 そこで、トード王国のド-トムントで行ったことと同じことを他の街でもやってみることにした。私は、転移魔法で、マ-セイに移動した。そして、商業ギルドへ向かった。

 商業ギルドに入ると、受付に人間族の女性が立っていた。

 「すみません。よろしいですか? 私は、サンライズ商店のキリと言います」

 「はい、大丈夫です。私は、マイマイといいます。よろしくお願いします」

 「実は、この街で、求人依頼をしたいのですが?」

 「どのような仕事ですか?」

 「新商品の開発・改良の仕事です。そのため、若い人が希望です。それから、秘密を厳守して貰いたいので、住み込みが可能な人がいいです」

 「分かりました。それで、給料は、どの程度提示しますか?」

 「最低でも、月金貨30枚を出します」

 「そんなに、出してもいいのですか?」

 「構いません。作業内容に応じて、更に出すつもりです」

 「分かりました。若い人ということですが、年齢に制限はありますか?」

 「できるだけ、若い方がいいです」

 「分かりました。それでは、早速、募集します」

 暫くして、商業ギルドのマイマイから連絡が入った。そこで、急いで、私は、商業ギルドに向かった。そして、4人の従業員を確保した。

 同様に、エアフ-ト、リグーリでも、同じように従業員を確保することが出来た。それぞれの街で、3人、5人と従業員を雇った。

 そして、ド-トムントと同じように作業を始めて行った。やはり、若い人は、新しいものにもすぐ馴染むようだ。どの街でも問題なくマナコンを操作していた。そこで、次の段階に入ることにした。それは、マナコンを制御する簡易言語マナクロの理解とマニュアルの作成だ。

 私は、集めた4つの街の従業員の中で、読み書きや計算が出来ない者を集めて教室を開いた。それと並行して、すでにリテラシーがある従業員には、マナクロのマニュアル作成を始めて貰った。簡単な言語なので、それは、すぐに出来上がった。次に、そのマニュアルに例題と演習問題と解答を追加して、更に学習しやすいものにした。

 完成した学習用のマニュアルをマナコンの端末から参照できるようにして、全員にライブラリづくりを依頼した。

 それとは別にマナコンのハードウェアを学習させていった。そして、その中で、理解と興味が高い者を選別して、別の寮に集めた。全体で15人の中から、5人が適していた。その5人にハードウェアの改良を考えさせることにした。

 マナコン関係は順調に進み始めたので、次の仕事を始めることにした。サンライズ商店の収益を倍増させるために、新しい商品を開発することにした

 これまでのサンライズ商店の主な商品は、赤のポーションと青のポーションだった。特に、上級の赤のポーションが格安で販売していたことで、皆に知られるようになった。

 そして、サンライズ商店の強みのもう一つは、輸送コストがほぼ0だということだ。というのも、輸送には、アイテムボックスを利用して、一度に多くの商品を輸送できるということだ。更に、途中の輸送には、馬車などを利用せずに転用の魔法陣を利用している。そのため、輸送費のコストがほとんどかからない。そのうえ、輸送には、従業員を使わずに、出来る限りマナドールで代用している。

 そのため、格安の商品を販売することが可能だ。そこで、サンライズ商店の利点を生かして、他国の特産品を格安で販売していくことにした。そのために、各国にあるサンライズ商店の支店で、調査を始めることにした。

 それは、各国で、輸入している商品のリストだ。そして、その為に、本部で中心に働いて貰える従業員を新たに採用することにした。それには、商業ギルドに精通している者の方がよい。そこで、リーグリ王国の中心の街ノ-トラインの商業ギルドで働いているローザを引き抜くことにした。

 私は、転移魔法でノートラインの商業ギルドへ移動した。

 「こんにちわ。ローザは、いる?」

 「はい、こんにちわ」

 「キリだけど、覚えている?」

 「覚えているわよ。急にどうしたの?」

 「実は、折り入って、お願いがあるの」

 「何?」

 「ちょっと、内密の話なの」

 私は、小さな声で、ローザに囁いた。

 「これまでは、サンライズ商店の商品はポーションぐらいで、本格的に商売をしていなかったの。それをこれから、本格的に収益が取れる店に変えていきたいと思っているの」

 「それで?」

 「店も大きくして、しっかりした人に管理して欲しいの」 

 「そうだね。キリだけでは、管理できないものね」

 「そこで、ローザに、仕事辞めて、来てほしいの」

 「キリと仕事はしたいけど、今の収入も結構いいの」

 「ローザ、希望の給料を払うよ。勤務時間も相談に乗るよ」

 「えぇ、ほんとにいいの? そんなに儲かっているの?」

 「実は、それも良くわからないの」

 「分かった、私も、もっといろんな仕事をしてみたかったの」

 「本当? それじゃ、来てくれるの?」

 「ええ、いいわよ」

 ローザが私の相棒になった。これで、店の管理を任せることができる。

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moka
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