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第Ⅱ部勇者パーティ編 第11章 商人キリ活躍編 5.新しい商品

 新しい商品の反響は、良いものだった。そこで、本格的に売り出すことにした。貴族向けに販売する予定なので、価格は金貨300枚と少し高価な物にした。

 今回は、最近雇った研究員達に依頼したことが、良かった。若い研究員だったので、発想が豊かだった。

 イヌのようなペット型のロボットを開発してくれた。そして、その端末として、テサンライズ商店のネットワークに接続して、ソフトを更新できるように新規に犬小屋を作った。夜にその犬小屋で、マナテリーにマナを補充し、新しいソフトウェアの更新とデータのネットワークへの保存を行う。

 このことにより、将来的にAI型のペット型のロボットにアップグレードできる。そして、犬小屋は、レンタルのみとした。これにより、定期的に収益が上がっていることになる。

 これまでの玩具は、暫くすると飽きてしまうということがあったが、今回のペット型のロボットは、常にコミュニケーション方法や動きのパターンが更新されるので、飽きることがなく、何時までも遊べるという利点がある。

 私は、新しい研究員の指導のリーダーのオーカマに思念伝達で、連絡を取った。

 「キリだけど、今、いい?」

 「はい、大丈夫です。何でしょうか?」

 「以前、お願いしていた優秀な研究員の発掘は、順調にかな?」

 「はい、指導しながら、優秀な研究員を探しています。現在、10名の候補者が上がっています」

 「そうか、優秀な研究員は、直ぐに、第一線で、研究に従事させて欲しい。オーカマに任せていいかな?」

 「はい、分かりました。研究員の全体のリーダーのコローギに連絡を取って、今後の事を打ち合わせます」

 「頼むね」

 「はい」

 私は、思念伝達を切った。まあ、あの真面目なオーカマに任せておけば、大丈夫だろう。

 次に、ハードウェアのリーダーのイーゴに思念伝達で、連絡を取った。

 「キリだけど、研究の方はどうなっている?」

 「余り、順調ではないです。思ったように、速度が出ません」

 「並列処理の機能は組み込むことが出来たの?」

 「それが、旨くいかないのです」

 「まず、一度に処理できるデータ長を大きくすることを考えてくれる」

 「分かりました。それから、並列処理の方は、何か、ヒントはありませんか?」

 「マナモリーを共通に使えるように工夫してみて」

 「はい、やってみます」

 「頑張ってね」

 次に言語開発のリーダーのショーバタに思念伝達で、連絡を取った。

 「ショーバタ、キリだけど、今いい?」

 「はい、大丈夫です」

 「実は、ハードウェアの開発がうまくいっていない様なの」

 「それで、どうしたらいいのですか?」

 「並列処理の機能を組み込みたいのだけど、イーゴを支援して貰えないかな?」

 「構いませんが、どう支援したらいいのですか?」

 「ソフトウェアとして、並列処理をイメージしてみて?」

 「はい。出来ました」

 「何が、ポイントになっている?」

 「そうですね。同時に処理できるところと、そうでないところがあるということですね」

 「それでいいよ。そのイメージを伝えて欲しい」

 「それぐらいなら、直ぐに出来ますよ」

 「でも、イーゴが理解できるまで、諦めずにやってね」

 「はい、任せてください」

 私は、思念伝達を切って、後は、暫く、任せることにした。まあ、研究員の育生が順調になされているので、後は、多くの研究員によって、一気に研究が進んでいくだろう。私は、楽観的に考えることにした。

 研究は、始めたばかりだ。今は、すそ野を広げることだけで、満足しないといけない。

 私は、ローザに思念伝達で、連絡を取った。

 「ローザ、キリだけど、従業員用のマナコンの操作は、終わったかな?」

 「はい、もう、終わって、実際に運用していますよ」

 「それから、ペット型のロボットの反響は、どうかな?」

 「支店での操作は、好評ですが、犬の種類が選べないのかと問い合わせが多いです。何とかなりませんか?」

 「わかった。急いで開発するよ。何種類ぐらい、いるの?」

 「できるだけ多い方がいいのですが、例えば、犬の種類を5種類として、大きさを5種類、肌のパターンを5種類、ベースの色を5種類というように、して貰えると、買う方が、自分専用という感じになって、いいと思います」

 「ローザ、それは、いい考えだね。後は、吠え方や、動きにも、少し、特徴をもたせるよ」

 「よろしく、お願いします」

 私は、直ぐに、オーカマに思念伝達で、連絡を取った。

 「キリだけど、追加で、お願いしたいことがあるけど、大丈夫かな?」

 「どんな事ですか?」

 「実は、サンライズ商店の新商品のペット型のロボットのことなの」

 「それなら、大丈夫だと思います」

 「犬の種類を5種類ぐらいにできないかな?」

 「いいですよ。何か、要望は、ありますか?」

 「ローザから、連絡を入れさせるよ。それから、犬の大きさや、肌のパターンなど、色々とカスタマイズできるようにしたいの」

 「それも、問題ありません。ただ、販売方法を変更した方が良いと思います。購入段階で、アンケートを取り、それに合わせて、製造した物を送るということにしたらどうでしょう?」

 「それは、いいね。早速、ローザに連絡を取るように言うよ」

 「はい、お願いします」

 私は、オーカマとの思念伝達を切って、ローザに思念伝達で、連絡を取った。そして、オーカマと話した内容を伝えた。すると、内容を整理してから、オーカマに連絡を入れるということになった。後の事は、ローザとオーカマに任せることにした。

 これで、サンライズ商店の収益は、一気に増加するはずだ。そして、犬小屋のレンタル料で、安定して、収益が見込める。これが、サンライズ商店を全世界展開するのに役に立つはずだ。

 そろそろ、次の段階になったような気がする。

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moka
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