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幸せのかたち
これは、ちょっとしたハッピーな文章である。
何かが見つかると信じて耐え抜いた2024年、とうとう年末あたりから頭の中が死で埋め尽くされる時間が急激に増えた。波はあったが、年が明けてもそれは変わることはなかった。でも今すぐ死ななければならない理由もなかった。
ただ、一向に改善しない母との共依存とそれ由来の毎日の不安感に参っていた。医者にも言われたが、私の心身の不調は慢性化してしまったのだ。
数日おきに散歩、行ったとしてもコンビニくらいで外部の人との繋がりがほぼなく、実質引きこもりであった。
ある日、ふと思いついた。死ぬという前提で行動しようと。死にたくなる度にノートに計画を書き出した。その計画はどんどん具体性を増した。もうやったことといえば、スマホの写真を片っ端から消去したことと、整理整頓くらいだが。
少々重い話になるので万が一本人に読まれたら自爆するが、日本の端っこ在住のネット上で大変世話になっている方が、週末に日本の真ん中あたりまで来ることになっていた。私からすれば正直近くはなかったが、よっぽどの事がなければ覚悟をして行くことにしていた。行けなかった時の後悔も出先での不安もプレッシャーに思いつつ、楽しみにしていた。最悪顔を合わせられなかったらそこで死に場所でも探すか〜と思っていた(最悪)。
いざ前日の夜になると凄く不安になってきて、相手方に「行きたいけど無理かも」と送ったら某駅まで迎えに行くよと言っていただき、そのあたたかさを胸にしまって睡眠薬を飲んでどうにか就寝した。しかし効果が切れてきたであろう2時間半後バチッ!!!!と目が覚め、起き上がると不安感でボロボロと涙が溢れてきた。1時間くらい泣いて、もう1錠薬を飲んで寝た。
朝起きたら想定していたより精神がフラットで、無事家を出ることができた。
駅に着いて特急券を買った。敢えて特急にして「気軽に降りられない」状況を作らないと降りてしまうと思った。事前に薬を飲んだからか、妙にリラックスしてその某駅に着くことができた。結局迎えに来てもらうことはなく、迷いながら1人地下鉄でぼちぼち移動した。隣の人と肩が当たるくらい混雑していた区間は動悸がした。
目的地に着き、少し早かったのでウロウロしながら待ち合わせをした。都会なのに何故か空気が綺麗だった。
ご対面した。ちょっと言葉を交わしただけで2人とも優しい人だと確信し、めちゃくちゃ嬉しかった。
間もなくその方がカバンから私の大大大大大大大大好きな人形(命宿ってるので人形呼びしたくもないですが、人形です、ハイ)を取り出してきた。持ってきてほしいと言おうと思ったけど、もし私が来なければ余計な荷物になると思い言わなかったから、会えないと思っていた……。持たせてもらった時に人生で一番と言っても過言ではないくらい心の底から笑った。
この人鬱なのにやけに情緒豊かだなと思われたと思うが、自分でも驚いた。
その後、3時間弱居座っただろうか。すぐ帰ると思っていたのに、色んな話をした。久々に外の人と喋ったのでテンションが分からず若干力んではいたが、その反面、ずっと心がほぐれていた。
これ以上のことは心にしまっておこうと思う。すごくいい空間だった。すごくいい時間だった。
帰りに改札の前まで送ってもらった。駅の中に入ると急にモワッと人間臭い匂いがして悲しくなって、そこで不意に励ましてもらった時、なんか、自分って生きていていいんだなと思った。やけに涙脆い。礼儀としてというと語弊があるが、いつも人に有難みを感じて生きるようにしている。でもこの日は心の奥底で人の暖かさを感じて、言葉では伝えきれなくて申し訳ないほど有難く思った。改札の中に入って階段を下りながらふと見上げると、ぅぅぅ、ふふっ。
これが本当の私だと思った。病み期以前のいい子ちゃんな自分も、病み期以降のずっと自分探しをしている感じも、常に違和感があった。でもこれ、これだよ。ずっと欲しかった何かを掴んだ。めっちゃいい顔してた。本当に楽しかった。本当に嬉しかった。
次の日になればいつも通り怖がりな私で、病は治ってなんかいなかったけれど、あの感覚を忘れなければいつか自分を取り戻せると確信した。これも重いが、信じるべきは母親ではなかったと頭じゃなくて心で思った。
これからも私は自立と依存を繰り返すだろう。酷い不安感に苛まれて母親に縋るしかなくなることもある。でも、根拠はないけど絶対大丈夫になれると思った。私は母親以外にも愛されている。やっていける。ずっと家にいるのは辛い。今度は誰に会おうか。
そしてね、いつか私が空を飛んでいくのよ::::::::::::::::::✈☁️☁️