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【コラム】廿日市市がペンネームの由来です
廿里美の文字起こしてんやわんや【1】
こんにちは、廿里美です。文字起こしの仕事をしています。
廿(にじゅう)はペンネームで、広島県廿日市市という地名にちなんでいます。
かつてデータ入力の会社でパートしていたとき、この地名が出てくる名簿の入力を毎月担当していたのです。在宅の登録スタッフさんに入力を依頼し、納品されてきたデータを検品するのが私の仕事でしたが、とにかくトラブル頻出の地名でした。
「広島県廿日市」いや、「廿日市市(はつかいちし)」ですよ、「市」が1個足りない!
「広島県甘日市市」甘すぎる地名。廿は「甘」とは関係ない字で、「十」が2個、すなわち「++」のような形の下側がくっついてしまった漢字なのです。
「広島県●日市市」……「この字はパソコンで出せません。●記号を代入しておきました」って、いやいや、普通に表示できる漢字です。
毎月この名簿入力案件を担当しているうちに、「廿日市市」をきちんと入力してくれる登録スタッフさんは他の案件でも仕上がりが良く、安心してお願いできると実感しました。
その後、今度は自分が文字起こし(まだカセットテープの時代で、テープ起こしと呼ばれていました)のスタッフになり、いかに手間を掛けずに納品するかに血道を上げそうになったとき、引き留めてくれたのがこの地名の記憶でした。
安易にぱっぱと、いわゆるやっつけ仕事を納品していたら、結局依頼が来なくなる。回り道のようでも、よく確認して、調べて、校正時にまた確認して、丁寧な仕事を納品するほうが仕事は続く。それを自分でも思い出すために、廿をペンネームにしています。
現在は会社員ですが、仕事は相変わらず文字起こしです。並行して文字起こしの本を書いたり、文字起こし講座の講師をしたり、幅を広げつつも、かつてと同じ分野に身を置いています。