『投信ブロガーが選ぶ!Fund of The Year』で選ばれがちなファンドとかあれやこれや

<厳重注意事項>

このnoteは、有料として公開しますが、意図としては「読んだところで1円の得にもならないけど、ここ数年モ人が感じている『投信ブロガーが選ぶ!Fund of The Year』に関するあれやこれや」という大変個人的かつおおっぴらに公開すると一部界隈にカドがたつのかな?と思える事を綴っていきます。

しかし、一方で同アワードの企画発起から数えついに10周年を迎えた実績に加え、個人投資家(とりわけ、わざわざブログなんてものを開設するほど熱心な一部個人投資家)の声を大きく取り上げた事など、この『投信ブロガーが選ぶ!Fund of The Year』には大きな意義があります。この『声』が販売サイドの都合一辺倒で歪みが大きくなっていたと見受けられる投資信託業界に対して大きな風穴をブチ開けている(よね?)状況や、この『声』に対して真摯に向き合ってくれている企業も出てきたなどなど、ますます「投資信託を販売する側には無視できない存在」になりつつあるのではないでしょうか?

そういう、業界に対してポジティブな変化をもたらしているという点に加え、企画から集計、発表や広報をごくごく少数の有志による手弁当(あえていうなら、ほとばしる熱意を原動力としたタダ働き)によって運営されている事に深く敬意をいだきます。有志のみなさん、みなさんの熱意と行動に頭がさがるばかりです。


決して、このnoteは「『投信ブロガーが選ぶ!Fund of The Year』をないがしろにする」事を意図しているわけではなく、同アワードの偉大さをたたえつつ、「でも、現状ではこういうファンドがこういう理由で選ばれがちだし、発表された結果に対して『全部が全部おススメなんですよ!!!』っていうのは難しいさね。」という風な事をモ人風に記しておきたいと思って書くものです。

2016年の結果が出る前に公開しておかないと、後悔しちゃいますから。


さて、今年の『投信ブロガーが選ぶ!Fund of The Year』では、「同アセットの中で信託報酬が最安」だという事だけを基準として入賞するファンドがどれだけ出てくるのでしょうか??

モ人の予想として、1位から10位までのうち、半分以上は単一(もしくは2~3の)アセットのインデックスファンドであり、信託報酬が安いものになるだろうと見ています。残りのうち、二つの枠にはモ人も応援しているアクティブファンドがそれぞれ入るのではないか?と思ってますし、「初心者向け」という投票動機から、シンプルな構造かつ信託報酬が低廉なバランスファンドが入賞してくるというのもありそうな雰囲気です。

…このアワードの成り立ちをかえりみると、致し方ない事ではあるのですが…どうにも『インデックスファンド、それも信託報酬が低いダケのファンドが選ばれがち』です。

インデックスファンドは、当たり前ですがいわゆる『インデックス投資』を実践する為のメインパーツです。この『インデックス投資』では、色々と理屈や証拠があるものの、最終的には「市場指数に連動するパッシブファンド=インデックスファンドに投資し、概ねBuy & Holdすべし」という結論にいきつきます。また、「市場指数に連動する」という部分を部分最適化する段階で、

「各ファンドのパフォーマンスは完全に市場指数に連動するワケではなく、コストの分だけ劣後してしまう」

「コストは販売手数料、信託報酬、信託財産留保額が主なものだが、実際は入出金に伴う金融商品の売買や監査など、目に見えにくいモノもある。」

「インデックスファンドとしては、販売手数料はゼロ、信託財産留保額もあるより無いほうがよい。」

「残ったコストの中で、事前に判明しているのは信託報酬だけである」

こうした思考ドクトリンの元、「信託報酬が同アセット内で最安!!」というのが、取りざたされる結果となります。

しかし。肝心の「運用成績」に関してこれらのファンドが顧みられることは、あまりありません。また、「市場指数に連動した成績を目指す」といううたい文句とは裏腹に、連動を意図しているのが「配当あり」なのか「配当なし」なのかというのが、フラフラとしているファンドもあったりします。この問題は超大手の方が口を酸っぱくして喧伝なさっているので、ご存じの方は多いと思いますが。

信託報酬が最安でも、パフォーマンスが一番すぐれているわけではない。(この場合、パフォーマンスとは市場指数との連動具合ともいえるのですが、信託報酬が市場指数に対して『どれだけ劣後するのか?』という目安になるので、結果としてパフォーマンス=騰落率にもなってしまう、という構造になっています。)

そこには、多くのインデックスファンドがそうであるように、同じ運用会社の別のファンドの為に組成されたマザーファンドのベビーファンド(いわゆるファミリーファンド方式)だった場合、同一マザーの規模や、規模に対して各ベビーファンドからの入出金の勢いに応じて、頻繁な売買が必要になるパターンが売買手数料の増大⇒パフォーマンスの劣後という結果を招く、という事があるかもしれません。

もしくは。市場指数への連動手法として、色々な手法があるのですが、状況やファンドの規模によって向き不向きがあるようにも見受けられます。

…ここまで、色々と考えてくると「本当によいインデックスファンド、本当におススメのインデックスファンドってなんなんだろう??」と思えてきます。

インデックス投資の思考ドクトリンの中で、「未来は誰にも予想できない。だから予想しない」というものがありますね。モ人はある程度この考えに賛成しています。

一方、「だから、インデックスファンドのだす市場平均の結果を教授する。」「アクティブファンドは市場平均以上の成果を出すのかもしれない。出さないのかもしれない。常に出し続けるファンドはあるかもしれないが、それを事前に選び出す事は不可能である。」という主張に対して「そうッスね。常に市場平均に対して信託報酬分だけ劣後するって判ってるインデックスファンドを探すのと同じぐらい不可能ッスよね。勉強になります。」と言いたくなります。

結局、ある程度の期間をとった実績と、そのあいだにどれだけの資金流出入があったのか?それは今後も起こりうる事なのか?などなどを勘案しながら、数ベーシス単位の信託報酬にこだわるべきなのか、それとももっとこだわる事があるのか(たとえば、決算の頻度と、分配金を出したがる=ちょこちょこと部分利確 or 部分損確したがるファンドなのか、などなど)を考え、自分の腹に落ちるファンドを選ぶべきだよなぁと思うのです。

逆に、この立場で考えると「(ファンドの品質を見極めるという意味では)アクティブファンドであろうと、インデックスファンドであろうと、過去の実績が未来の品質を完全に保証はできないし、事前にベストな選択を行う事は誰にだって不可能」といえるのです。

インデックス投資という投信ブロガー海域から誕生したこのアワードでは、残念ながらアクティブファンドだけが「事前にベストな選択をすることはできない」とか「過去は未来を保証しない」とか厳しい言葉を投げかけられてしまいがちですが、どっこい投票期間ギリギリになって「信託報酬最安のファンドを設定します!!」とか「信託報酬を最安まで下げます!!」とか、そういう後出しジャンケンかつ実績の少ないファンドに対して甘々な判断を下してしまいがちなのではないでしょうか??

なーんかですね、正直な話「投資信託について一般投資家の目線でつねに考え、情報を集め、ブログを書いている投信ブロガーたち。投資信託の事情通である彼ら」という実行委員会のみなさんのお言葉に対して「そんな…恐れ多いッスよ。」と思っちゃいます。

願わくば、某二大アクティブファンドのように、骨太な理由で多くの投信ブロガーから熱い支持を集めるインデックスファンドが出てきますように。

そして、「トランプ相場に置いて行かれた」とか棒にも箸にもひっかからない評価を受けている(?一部のちょっとアレな方々に??)我らが【セゾン資産形成の達人ファンド】のすばらしさがもっと多くの方々に伝わりますように。


重ねて、『投信ブロガーが選ぶ!Fund of The Year』に投票した皆さん、楽しみにしている皆さん、そして誰よりも頑張ってらっしゃる同アワード実行委員会の皆さんに深い敬意をこめて。

それでは せいぞんせんりゃく しましょうか

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