自分の心を一文字の結晶に
あなたが選んだこの一文字は、
どんな想いから導き出されたものなのか・・・
そこを言葉少なに語ってくれたとき、
私はそれまで以上に、
その人が目指す未来を応援したくなって、
そして、
自分で選んだ文字を見つめ真剣な表情になっている、
その姿そのものにも励まされた自分がいるのです。
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私は書家として活動を始めた当初、
自分の気持を漢字一文字に込めて自分の好きなように書くワークショップを頻繁に開催していた。
私が主催していたワークショップの名前は「自己発見型アート書レッスン」
その場では、その時間に自分の心にフィットする文字選びからはじめて
なぜその文字を選んだのか?
その想いを表現に活かすとするとどんなふうに描きたいのか?
そんなことをとことん考え、表現してみて、
その後に参加した人たちとシェアするという場。
私は講師とは名ばかりで、
とにかく参加してくださるみなさんが、どんな作品を書くのかを
ひたすらワクワクしながら眺めていた。
(技術面に関して相談されたらアドバイスやデモンストレーションはしたけどね😂)
書き上がった作品たちは、どれも個性豊かな表情をしていて
そして書き終えた皆さんもなんとなくすっきりした表情。
中には「う〜ん、何か違う気がする。」と悩み続けている方もいるけれど、
その「何か違う」というのは、自分の中にしっかり想いとイメージがあるからこその違和感に違いなかった。
書き終えて作品をお互いに見せ合いながら
選んだ文字に込めた思いや、
実際に書いてみて気づいたことなどをシェアする。
「あ〜確かに、そう見えるね」
「ここの部分、こんなふうにも見えるね」
「この文字私も選んだ!でも全然選んだ理由が違うのが面白いね」
など、共有してもらった側もその人が出してくれた結晶に刺激を受けて
新しい気づきを得る。
そんな循環が自然と起こるのが「一文字書」の面白さなのです。
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誰もが同じようなゴールを描き駆け抜けてきた時代から、
一人ひとりが自分らしい暮らしを選択し、ゴールを設定するようになり始めた昨今。
多様であることは、バラバラになることではありません。
他者と自分との違いを知って、感じて、
初めて自分が自分らしくいる喜びを改めて感じられ、
自分らしくありたいと願い日々を頑張っている誰かと
同志のように、より深く交流できるようになっていくのだと思います。
一文字の結晶が生まれた瞬間に、
あなたの周りには多様であることを喜び、
支えあえる人との出会いが生まれていくのだろうと思います。