戻ってこない中国観光客 爆買いは夢の夢
新型コロナウイルスの水際対策の緩和による外国人観光客の受け入れ再開から半年。成田空港の国際線の旅客便数はコロナ前の半分以下で、空港内の飲食店などのテナントも、コロナ前の6割程度しか営業できていないという。
国際線の中国路線は「ゼロコロナ」政策の影響で4分の1にとどまっているが、これが回復することはないだろう。
厳しい行動制限などを伴う「ゼロコロナ」政策が続いてきた響いた形だが、中国は事実上、「ゼロコロナ」政策を180度転換、国内の移動の制限を撤廃した。それなら外国旅行の解禁も近いと思うだろうが、そうは簡単にいかない。
というのも12月1日から海外からの電信詐欺行為を防ぐ法律が改正され、中国の出国が申告制となったからである。ビジネス出張や留学など特別な理由がない限り、これまで以上の何層もの許可が必要となり、以前のように気軽に旅行が難しくなるからだ。
海外からの電信詐欺行為を防ぐ法律が改正されたのは、仕事にあぶれた若者が稼げる仕事があるからと騙されてカンボジアなどに行き、中国人が中国人を騙す電信詐欺の片棒を担がされたり、旅行中に誘拐されて電信詐欺の従事させられる事例が絶えないからである。
コロナ前は売り上げのおよそ半分が中国人の利用客によるものだった免税店などは早く中国の利用客が戻ることを期待しているかもしれないが、期待外れに終わることになるだろう。
しかも国内経済はダメージを受け、一般市民に以前のような購買力はなくなっており、たとえ旅客便数が増えても、爆買いは望めないだろう。
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