【決定版】文庫本300冊調べて分かった、安い文庫・高い文庫③
値段分析 バックナンバー
こんにちは、卯月です。
文庫本の値段分析、第3回です。
今回は集英社文庫編です。
調査対象
角川文庫・講談社文庫・集英社文庫・新潮文庫・文春文庫から、2023年4月から2024年3月に発売された300冊（2024年3月は、発売予定を含む）。
内訳は、1ヶ月につき5冊×12ヶ月×5レーベルの計300冊。
調査方法
各レーベルの検索エンジンで発売日を任意の1ヶ月間に指定し、表示された中の上から5冊を抜粋しました。
ただし、講談社文庫は検索エンジンがないため、一件ずつ確認しました。
抜粋した書籍でリストを作成し、レーベルごとに60冊の平均価格を算出・比較しました。
以下は、リスト作成に使用したウェブページ・作成したリストです。
角川文庫 書籍検索
講談社文庫 書籍一覧
集英社文庫 詳細検索
新潮文庫 検索
文春文庫 既刊リスト（タブから発売月切り替え可能）
予想
本題に入る前に、私の予想を書いておきます。
・新潮文庫は安い
→持っている本を見る限り、値段が安めな気がするから。
・相場は700円台〜800円台
→文庫本のカバーに印刷されている値段が、そのくらいであることが多いから。
・講談社文庫は高い
→持っている講談社文庫だと、値段が高めのものが多いから。
結果
本項に表記した本のデータは全て、順不同・敬称略とします。（）内は定価です。
2024年3月19日発売予定
・桐野夏生「燕は戻ってこない」（1,100円）
・佐藤賢一「よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる」（814円）
・石田夏穂「我が友、スミス」（572円）
・岸本裕紀子「定年女子 新たな居場所を探して」（638円）
・木原音瀬「吸血鬼と愉快な仲間たち bitterness of youth」（770円）
定価が1,000円以上の本が含まれましたが、「我が友、スミス」が500円台と安価でした。
そのため、平均価格は778.8円に留まりました。
2024年2月20日発売
・瀬戸内寂聴「決定版 女人源氏物語 五」（792円）
・楡周平「黄金の刻 小説 服部金太郎」（990円）
・遠田潤子「紅蓮の雪」（968円）
・永原皓「コーリング・ユー」（770円）
・山崎ナオコーラ「肉体のジェンダーを笑うな」（726円）
定価が700円台の本が多く含まれましたが、900円台の本が2冊含まれたため、平均価格は849.2円に上がりました。
2024年1月19日発売
・杉山大二郎「大江戸かあるて 秋空に翔ぶ」（792円）
・千野隆司「鉞ばばあと孫娘 貸金始末まがいもの」（660円）
・木原音瀬「吸血鬼と愉快な仲間たち 4」（770円）
・野口卓「弟よ おやこ相談屋雑記帳」（715円）
・瀬戸内寂聴「決定版 女人源氏物語 四」（715円）
5冊中4冊が700円台と、安価な本が多く集まりました。
そのため、平均価格は120円近く下がった730.4円でした。
2023年12月20日発売
・堂場瞬一「野心 ボーダーズ 3」（1,155円）
・稲葉稔「国盗り合戦 〈三〉」（770円）
・田中啓文「医は仁術というものの 十手笛おみく捕物帳 二」（902円）
・瀬戸内寂聴「決定版 女人源氏物語 三」（715円）
・湊かなえ「ダイヤモンドの原石たちへ 湊かなえ作家15周年記念本」（726円）
比較的高価な本が集まりました。
定価が1,000円を超える本が含まれたため、平均価格は853.6円に上がりました。
2023年11月17日発売
・小杉健治「本所松坂町の怪 九代目長兵衛口入稼業 五」（814円）
・木原音瀬「吸血鬼と愉快な仲間たち 3」（770円）
・瀬戸内寂聴「決定版 女人源氏物語 二」（715円）
・瀬尾まいこ「その扉をたたく音」（660円）
・福田和代「梟の好敵手」（726円）
5冊中4冊が700円台と、比較的安価な本が集まりました。
そのため、平均価格が737円に下がっています。
2023年10月20日発売
・樹島千草「MY (K)NIGHT マイ・ナイト」（990円）
・村山由佳「命とられるわけじゃない」（902円）
・瀬戸内寂聴「決定版 女人源氏物語 一」（715円）
・吉田修一「素晴らしき世界 ～もう一度旅へ」（583円）
・福田和代「梟の胎動」（660円）
こちらは少し高価な「命とられるわけじゃない」が含まれています。
しかし、「素晴らしき世界 ～もう一度旅へ」「梟の胎動」が安価だったため、平均価格は770円に留まりました。
2023年9月20日発売
・木原音瀬「吸血鬼と愉快な仲間たち 2」（770円）
・西條奈加「心淋し川」（704円）
・野口卓「出世払い おやこ相談屋雑記帳」（660円）
・金平茂紀「ロシアより愛をこめて あれから30年の絶望と希望」（1,056円）
・地曳いく子 槇村さとる「ババア最高！ +60歳からのHAPPYおしゃれ」（550円）
1,000円超えの本が含まれていますが、「ババア最高！ +60歳からのHAPPYおしゃれ」が安価なため、平均価格はむしろ下がって748円でした。
2023年8月21日発売
・藤岡陽子「きのうのオレンジ」（803円）
・吉田修一「ぼくたちがコロナを知らなかったころ」（660円）
・李琴峰「星月夜」（550円）
・高山羽根子「カム・ギャザー・ラウンド・ピープル」（605円）
・櫻いいよ「猫だけがその恋を知っている(かもしれない)」（814円）
こちらは5冊中3冊が500円台から600円台と、安価な本が多いです。
そのため、平均価格はさらに下がって686.4円でした。
2023年7月21日発売
・安田依央「四号警備 新人ボディガード久遠航太と隠れ鬼」（770円）
・朝井まかて「類」（1,265円）
・神永学「火車の残花 浮雲心霊奇譚」（847円）
・友井羊「映画化決定」（858円）
・石川宗生「ホテル・アルカディア」（990円）
1,000円超えの本が1冊に加え、800円・900円台が3冊と、高価な本が多かったです。
そのため、平均価格はぐんと上がり、946円でした。
2023年6月20日発売
・ビートたけし「アナログ」（770円）
・伊坂幸太郎「逆ソクラテス」（792円）
・桜木紫乃「家族じまい」（748円）
・三浦しをん「のっけから失礼します」（803円）
・堂場瞬一「ホーム」（968円）
こちらは700円台の本が多かったです。
そのため、平均は816.2円と、急激に下がりました。
2023年5月19日発売
・稲葉稔「国盗り合戦 〈二〉」（748円）
・寺地はるな「水を縫う」（693円）
・宇山佳佑「恋に焦がれたブルー」（1,100円）
・松井玲奈「累々」（594円）
・額賀澪「できない男」（704円）
1,000円超えの本が1冊含まれましたが、他の4冊に安価なものが多かったです。
そのため、平均価格はさらに下がって767.8円でした。
2023年4月20日発売
・木原音瀬「捜し物屋まやま 3」（792円）
・早見和真 かのうかりん「かなしきデブ猫ちゃん マルの秘密の泉」（858円）
・千早茜「透明な夜の香り」（704円）
・金原ひとみ「パリの砂漠、東京の蜃気楼」（660円）
・小路幸也「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード 東京バンドワゴン」（880円）
平均価格 778.8円
こちらも、比較的安価な本が多く集まりました。
そのため、平均価格は11円上がった778.8円に留まりました。
終わりに
この記事で取り上げた60冊の平均価格を算出したところ、788.5円となりました。
現状では、
・角川文庫（883.7円）
・講談社文庫（838.4円）
・集英社文庫（788.5円）
の順に平均価格が高くなっています。
そのため、集英社文庫が最も安い文庫となっています。
集英社文庫が安いというイメージは特になかったため、少し驚いています。
次回は、新潮文庫の価格を調査します。