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意外と知らない!?新潮文庫のヒミツ4選
こんにちは、卯月です。
皆さんは、新潮文庫を読んだことはありますか?
私はあります。たぶん、蔵書の中で角川文庫の次に多いのが新潮文庫です。
そんな新潮文庫には、実は色々なヒミツがあります。
ということで今回は、新潮文庫のヒミツを4つ紹介します。
ヒミツ1:紐のしおり
![](https://assets.st-note.com/img/1712814833935-c5eDBkAzr9.jpg?width=1200)
新潮文庫には、紐状のしおりがついています(新潮文庫nexは除く)。
このしおりは「スピン」といって、国内の文庫では新潮文庫にしかついていません。
新潮文庫だけにある理由は、「先代社長の遺言」だそうです。
先代の「何があっても、スピンをなくすな」という遺言がなければ、新潮文庫はスピンを廃止していたかもしれませんね。
ヒミツ2:ぶどうのマーク
![](https://assets.st-note.com/img/1712648603669-vBVVDQ5OOm.jpg?width=1200)
新潮文庫には、表紙と裏表紙にぶどうのマークが入っています。
実はこのマーク、表紙と裏表紙で少し違っています。
表紙側のぶどうは、つるの部分が筆記体の「S」と「L」になっています。
ちなみに「S」と「L」をかたどっているのは、「Shincho Library」(新潮文庫)の頭文字だからです。
ヒミツ3:上のでこぼこ
![](https://assets.st-note.com/img/1712814919654-zbZTNEWYJI.jpg)
新潮文庫は、本の上の部分がデコボコしていることが多いです。
これは「天アンカット」といって、スピンをつける都合上、必ずできるものです。
本はたいてい、背表紙以外の3箇所で紙が揃っていない部分を切り落として見た目を整えます(三方裁ち)。
しかし、新潮文庫は製本する時にまずスピンを貼りつけるため、上の部分が裁断できません。
そのため、新潮文庫は上がデコボコしているのです。
ちなみに、天アンカットをしても、コストダウンにはなりません。
三方裁ちは紙がズレていても裁断してしまえば分かりませんが、天アンカットは製本する時点で紙をデコボコするように整えます。
そのため、天アンカットはむしろコストがかかる製本方法です。
ヒミツ4:カバーの質感
![](https://assets.st-note.com/img/1712817200318-AOhx914BLE.jpg?width=1200)
右:上橋菜穂子「精霊の守り人」
新潮社には、新潮文庫のほかに「新潮文庫nex」というレーベルがあります。
こちらはテカテカとしたカバーで、三方裁ちとなっています。スピンもついていません。
画像には、表紙の上の方に光が反射している部分があります。
新潮文庫nexと新潮文庫では、光の当たり方が違っています。
新潮文庫nexは光が強く反射していますが、新潮文庫は比較的弱めの反射となっています。
これは、新潮文庫がカバーにプラスチックフィルムを貼っていないからです。
新潮文庫は、プラスチックフィルムの代わりに、水性コーターというニスを塗っています。
そのため、新潮文庫のカバーはテカテカしていないのです。
ちなみに、プラスチックフィルムを貼らない理由は「捨てる時、産業廃棄物にしなくていいように」です。水性コーターを使うことで、焼却が可能になります。
まとめ
いかがでしたか?
新潮文庫を読んでいる方でも、知らないことが多かったのではないでしょうか。
個人的に天アンカットは好きなので、ずっと続けてほしいです。
スピンが廃止されると天アンカットも廃止されそうなので、スピンが廃止されないよう願ってます。
ではでは。