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【ネタバレあり】悪の教典 上 感想
こんにちは、卯月です。
今回は、書評を書きます。
本は、貴志祐介さんの「悪の教典 上」(文藝春秋・文春文庫)です。
ネタバレがありますので、まだ読んでいない方・今読んでいる人はご注意ください!
あらすじ
晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムにサイコパスが紛れこんだとき──。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。
(裏表紙のあらすじより引用)
感想(ネタバレあり)
貴志祐介さんの作品です。
貴志さんは1996年に「十三番目の人格 ISOLA」でデビューされました。
また「悪の教典」は、2011年(第8回)の本屋大賞にもノミネートされています。
この作品に「倫理」は存在しません。
主人公・蓮実は自分にとっての邪魔者を次々と排除していくサイコパスです。しかし、今まで周囲からの信頼を積み上げてきているため、全く疑われません。
そして、自分に都合がよくなるように立ち回るのがとても上手いです。
自分のしたことで他人がどうなろうと全く気になりません。だって、共感性がないんですから。
読んでいるうちに、蓮実の所業に対して何も感じなくなっていったことが一番怖かったです。
この世で一番怖いのは幽霊でも妖怪でもなく、サイコパスなのではないでしょうか。
書誌情報
悪の教典 上
著者 貴志祐介
出版社 文藝春秋
レーベル 文春文庫
ISBN 978-4-16-783901-7
定価 780円+税(税込858円)