デンジャー縞ほっけ部
物価の高騰が止まらず魚介類も例外ではない。師走、年末が近づくにつれ居酒屋にモテモテのほっけの値上がり方がエグい。忘年会からほっけが消えると巷では都市伝説のように囁かれた。
そこに目をつけたのは他ならぬほっけだった。ボスほっけは二束三文の雑魚の体をほっけそっくりに塗り替えさせ、高値で年の瀬の市場へと出荷し始めた。それは見事に当たり儲けまくった。
これを捜査当局が放っておくわけもなく包囲網が敷かれた。この詐欺集団は当局内で『デンジャー縞ほっけ部』と呼ばれた。ほっけの隠れた習性の一つ、悪いことをすると体に囚人服のような黒と白のはっきりとした縞が浮き出るからだ。
これにより当のほっけたちはとぼけることができず、縞ほっけたちの危険なベンチャービジネスは終わりを告げた。師走、各地で宴会が開かれ皆ほっけに舌鼓を打つ。そのほっけの大半は死刑になったあのほっけたちだった。罪と味に相関関係のないことが法廷で立証されたのだった。