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自社施工ですか、そうですか

 「自社施工だから安心」「100%自社施工」など、町を歩けばこうした宣伝広告を見かけます。


 これは「自社の社員が職人として作業を行います。下請け会社に外注しないから責任の所在も明確だし、中間マージンも発生しなくて金額的にも安心です」って意味ですよね。当たり前だけど。


 でね、この意味での自社施工が本当ですかって話なのですが、リフォーム会社に関してはハッキリ言ってほとんど嘘です。大概の会社が営業、設計、現場管理くらいしか自分たちでやってません。


 お抱えの職人なんてまずいないよ。いても雑工、多能工が一人いるかいないかです。


 そもそも職人は社員として働くことを嫌うから、そう簡単には社員にならない。


 一人前の腕があるなら独立して働く方が稼げるし、誰からも縛られずに自由ですから。まあ、これがインボイスで少し状況が変わるかもしれないけどね。


 それに加えて、電気やガスの工事は特別な資格がいるので外注になるのは必然。だからリフォームやリノベーションの会社が「自社施工」と言っていたら、それは・・・。


 「自社の社員が営業、設計、現場管理を行い、施工は自社で手配した外注の職人が行うけど、うちが頼んでるわけだから、結局はうちの職人ってことで自社施工」


 みたいな、屁理屈を言っていると思って差し支えないですよ。いや、まじで。MA・JI・DE!!


 だけどね、外壁塗装の会社やシロアリ駆除の会社なんかは本当に自社施工のケースが多いです。なぜか。


 塗装工や消毒を行う作業員の仕事は、ほとんどが直接最終消費者を相手にした仕事になるから、自分で仕事を取るにはかなり営業力が必要なんです。


 だから、社員として就職して、会社が営業して取ってきた仕事を頂いて、作業をするってパターンになる職人が多くなります。これは本当の自社施工。


 けどさ、そもそも「自社施工」ってなんか意味ある? 中間マージン取らないことを売りにしてる業者も多いけど、バッキバキに見積もりに利益のっけてるから関係ないですよ。これ事実。


 工務店経営の経験がある、僕がハッキリ言います。外壁塗装は大きく儲かります。シロアリ駆除も大きく儲かります。つまり、そういうことなんです。


 自社施工って、地場の工務店が営業から施工まで、大工を兼ねた職人社長が古くから行ってきた歴史があるから、それに倣っての安心感を謳いたい、ってことだと思うけど。


 いやいや、地場の工務店だって、外注しますよ。工務店が大工仕事を外注に頼むのも常識。利益だってのっけます。シッカリしてるから、古くから生き残ってるんだZ! 


 正直、自社施工かどうかなんて関係ないよ。仕上がりが全て。評判が大事。もっと違う宣伝広告文句を考えましょうよ。


 あ、「顧客満足度No1」も禁止ね。みんな言っててもう聞き飽きたっス。


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