大工、現場はナマモノ
現場は「生もの」ですからね、と現場での与太話や苦労話の最後に付け足してみましょう。多分、違和感なく受け入れられる。それどころか小粋なことを言う洒落たヤツだ! とあなたは一目置かれることでしょう。
現場は生ものっていうのは、要するに現場では何が起こるかわからないってのをかっこつけて言ってるだけです。確かダウンタウンの松本人志がラジオで「笑いは生もの」って言っていたのをパクって僕が言い出しました。
多分、僕の他に100人くらいの職人が自分がオリジネイターだと思って使ってることと思います。合掌。
前回の『追加料金は言いにくい』の最後の方にさりげなく「現場はナマモノ」だと書きました。カタカナでナマモノと書いたことで一般化しているように見せたので違和感なかったと思います。
実際、現場では何が起こるかわかりません。どんなに優れた設計士が書いた図面でも、どんなに熟練した職人が現場調査しても、実際に現場を叩いてみないとわからないことや気づかないことってたくさんあるんです。
だから予定通りかっちりと現場が納まってお客に無事引き渡し、となる方が少ないです。
現場はナマモノであるっていう認識を建築・建設現場に関わる全ての人が普段から意識していれば、工期や日程の幅とり、事前準備から仕事の納まりに至るまで、あらゆる段取りにおいて危険予知みたいに機能すると思う。僕、確信。
建設現場で働く皆さん。今月の標語若しくは朝礼の一言に是非「現場はナマモノ」をお使いください。
多分、小粋な響きと相俟って職人の間でけっこう流行ると思うんだよね。
そのときはもっちろん、このnoteの宣伝もお忘れになりませぬようお願いいたします。