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私の「好き」に、遠慮してる暇ないから。

情報に溢れるSNSは、私にたくさんのことを教えてくれる。

「節約のためにやめたこと10選」

「美肌のためにやるべきこと」

「30代の私が後悔していること」

色んな人の、色んな体験談に、

自分が意図せずとも簡単にアクセスできる時代だ。

人間、やはり失敗はしたくないもので、

こうした「先人の知恵」を、自分にも取り込んで、

同じことは繰り返さないようにと気をつける。

先に教えてもらえて、ラッキーだったなあ。


ふと、つやつやとしたジェルネイルをまとった友達の

素敵な爪が目に留まった。

「あ、ネイルしたんだ、かわいいね。」

『そうなの!爪見ただけで、めっちゃテンション上がるんだ~!』


彼女はとても嬉しそうな顔をしていた。

そうか、いいな。ネイル見るの好きなんだよな。

私も、

あ、でも。

私の脳裏に、先人たちの教えがよぎる。

『ジェルネイルは繰り返すことで爪が薄くなる』

『ジェルネイルは辞め時が難しい』

『ジェルネイルをセルフに切り替えたことで、年間○○円の節約に!』

ああ。

はじめたら、結局後悔するのかな。

だったら、別に、やらなくて、いいか。

うん、私は、いいや。


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私の好きなアイドルが、私の住む国に来て、

コンサートを、

イベントを開催するという。

そんなの、行くしかない。

同じコンサートに、何公演も申し込み、
参加した。

コンサートに参加するために、
人生で初めて一人旅をした。

躊躇はなかった。

だって、好きだから。

私の「好き」に、遠慮してる暇とかないから。

私の好きなアイドルが、彼らの故郷で、
コンサートをするという。

気がついたら、航空券の購入手続きが終わっていた。

自分でも、あまりの見切り発車にびっくりした。

え、私、海外行くの?

コンサートのチケットが取れるかもわからないのに、

しかも、一人で?????

結局、私は一人 韓国に飛んだ。

一人韓国旅行を無事に終えるため、

私は私史上、一番計画的に、余裕をもって、

情報をかき集め、調べ、脳に叩き込んだ。

そのおかげもあり、私は何事もなく、
旅行を完遂することができた。

コンサートのチケットは手に入らなかったけれど、

一度は訪れたいと思っていた場所に、

自分の意思で、行動力で、立つことができた。

とても幸せだったし、この経験は私の大きな
自信となった。

見切り発車で航空券を取った私、よくやった。


思い返せば、私はいつも、
リスクのない選択を好んでいた。

終電を逃したことはなかったし、
そもそも外にあまり出かけない。

今の自分にできなさそうなことはしない。

波風立たずに、穏やかに過ごすことが、
私にとっての幸せだと思っていた。


でも、たぶん、自分で自分の選択肢を
狭めていた。

そのうちできるようになることも、
できないまま、

知らないことも、たくさん。

ああ、なんてもったいない!


私は、見切り発車で飛び出した
一人韓国旅行から、

「経験すること」の楽しさと、尊さと、逞しさと、責任感を

ひしひしと感じた。

これが私の「生きる意味」だと、本気で思った。

やってみなきゃわからないことが
たくさんあるんだと、気がついた。


そう、結局、やってみなきゃわからないのだ。

ジェルネイルは

お金がかかるし、

爪は薄くなるし、

辞め時がわからなくなる。

でも、もしかしたら、それらのネガティブを軽々と超えるほどの

幸福感で、私を満たしてくれるのかもしれない。

これになら、時間とお金を惜しみなくかけたいと、そう思うかもしれない。


経験してみて、自分には必要ないと感じたなら、手放せばいい。

ただ、自分にとって必要なのかどうかは、やはり経験してみなければ

判断できないのだ。

なにより、

「私、本当はやりたいのにな」

と、憧れという名のしがらみに、
半永久的にとらわれることになる。

自分の気持ちにふたをするくらいなら、

やってみてしまおう。

今なら「若気の至り」で、
きっとたいていのことは笑い飛ばせる。


大丈夫。自分で、選んでいこう。


そして、

自分の「好き」に素直になるきっかけをくれたアイドル、ありがとう。

最高にテンションの上がる可愛い爪をまとって、また会いにいくよ。




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