classic:東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)
通常は美術館になっている建物だが、今月から「邸宅の記憶」というテーマで公開されている。
1933年に竣工されたアール・デコ建築で、現在まであまり改造されていないそうだ。広々とした庭園も素敵だけど、今回は90年前のデザインや技術を見に行くと決めて向かった。
門を通って少し歩くと、本館が見えてくる。桜はもう散ってしまっていたけど、手入れの行き届いた庭の中にあり、とても気分がいい。
いかにも西洋風なアーチになった玄関前には、狛犬がいた。ここにいると、ライオンみたいに見える。
エントランスに入ると、そこからはずっと何を見ても素晴らしいと思った。「本物」のカンジ。
とてもオシャレだし、隅々まで手が込んでいる。豪華だけど品がよく、上質なものばかりで出来ている。
ドーム型の天井やカーブの多い部屋の構造は洋風だ。しかし、日仏のデザイナーと職人によって創られたそうで、石に見える部分が漆塗りだったり、建具も木製の部分が多く、遠目で見るほどに和風を感じる。
各部屋は窓枠が大きくとられ、そこから見える庭園の景色に感動したし、全室違うデザインの照明も美しかった。
カーテンも当時の物が多いようだが、たっぷりした豪華さがありつつも、ゴテゴテしない洗練された雰囲気がある。
ゆっくり見てまわり、とても満足した。新館の展示を見て、お茶をして帰ることにする。
ガラス張りの新しいカフェだ。本館のクラシックな雰囲気とは違うけど、庭園を前にゆっくり座れるのは嬉しい。雨が降ってきた。外と内の境い目がなくなりそうなカンジが心地いい。