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世界遺産:贅をつくした中世の要塞と修道院〜ポルトガル家族旅(1)

経験したこと、歩いた場所は自分のなかにあればいい。そうは思っているのだけれど、子供達が大きくなりこの家族で一緒の時間を過ごした大事な時間はこれからはそうないのかもしれない・・・そう思うと自分のためにまとめておかなければ、とは思う。

だからどうした、という記録にはなるけれど、家族4人が下らないことで笑ったこととかそれぞれに色んな事を考えてたこととか考えてなかったこととか。私の中での宝物には違いない。

2024年の春、西海岸在住の娘・東海岸の方に住む息子の春休みがキレイに重なったので、家族旅行を計画・実行しました。コレを書いている8月現在、来年春のこの2人の休みがきっちり1週間ずれるため、こんな4人での旅は最後になったのかもしれません。

行き先はポルトガル。ヨーロッパ圏では 物価の違いからギリシャ、スペイン、ポルトガルは比較的低価格で旅行できると言われています。確かに宿代や食費は他国より(そして明らかにアメリカ国内より!)抑えることもできます。

娘はロサンゼルスからニューヨーク(JFK空港)、そしてリスボンへ。息子は今住んでいる街からJFKへ、そして娘と同じ便でリスボンへ。親の私達はソルトレイクシティからパリに飛んで、パリからリスボン入り。子供達とは到着が半日ずれますが、これがいちばん「飛行機チケットの値段がそこまで上がらず、それぞれが乗り継ぎ時間などを短くして、体力温存しながら移動するベスト」だったので、一応成人した子供達はちゃんと移動出来ると信じて・・・

パリ・シャルル・ド・ゴール空港につきました。ケータイの飛行機モードを解除すると娘からぽんぽんぽん、と送られていたテキストが。無事弟と合流したのね、よかった。・・・と、最後の方に「M(弟)にコンフォートプラス・マウントとられた!」一緒に搭乗ゲートを通ったけど、息子の方だけはアップグレードされたらしい。笑「姉弟なのに、姉を置いていくなんて!」と娘、かなりお怒りですねぇ。私達は待ち時間に笑えるネタをもらって良かったけれども。
空港からの移動中、結構電動スクーターの観光客を見ました。リスボン、結構大きいからスクーターとかあったら便利だろうな。
宿のちかくに「クチバシの家」がありました。表の壁が凸凹している、面白い建築として有名なところ。
リスボンっぽいなぁ、このタイルが貼られた建物とか。
空港から宿につく前に「水を買っといてね」と子供に言ったので、到着してから各自の水筒に水補給できました。3月頭でもリスボンは暖かくて、薄い上着があれば夜まで平気そうです。
ううう、時差ボケもあって寝てしまいたい・・・がっ、到着日は現地時間でできるだけ頑張るのが鉄則。東向きに飛んだ時は時差ボケが酷くなるので、これは絶対です。さぁ出かけよう〜
曜日によって休館日とかもあるので、本日はベレン地区にある世界遺産を観に行くことが決まってました。4人移動なので公共交通機関でもUberでも値段は一緒、ということでまたUber待ちです。建物の色とか窓のつくりとか、それぞれの街らしさが出ますよね。
テージョ川の側を西に向かって移動していきます。
雨が降りそうだし少しひんやりだけれど、初めてのポルトガルの街並みにうきうき。ひんやりっていったって、家のあたりは最高気温10℃に届かなかったりするから、ここの気温16-17℃ってかなりハッピーです。
「4月25日橋」1966年に開通し、当時のポルトガルの独裁者アントニオ・サラザールにちなみ、サラザール橋と呼ばれていたそうです。1974年4月25日のカーネーション革命のすぐ後、革命が起こった日から名前をとって改称されました。・・・って、ポルトガルに革命があったなんて、私知らなかったんだよねぇ。このあたり、映画「リスボンに誘われてNight Train to Lisbon」(2013)にもそういえば描かれてたっけ。あの映画を見た頃はフィクションなのかノンフィクションなのかが分かってなかった・・・
「発見のモニュメント」横を通ります。1940 年制作の彫刻。エンリケ航海王子の没後 500 年を記念し、1960 年にコンクリートで再制作されたというけど、微妙にあれこれから遠いので(そしてむちゃくちゃ混んでいるので)車から眺めるだけにしました。
目的地は「ベレンの塔」、案の定のスゴイ人出でUberもちょっとUターン、です。うわぁ後ろの方、空が暗いなぁ・・・右手の高い塔みたいなのは、対岸の島にある「クリスト・レイ像」、リオデジャネイロのキリスト像に触発されて作られたんだとか。
車を降りて少し歩きます。(トシをとってきた母を労って歩調合わせてくれる息子。ありがとうねぇ、でもさかーちゃん写真撮るために後ろにいるだけだから・・・・)
ベレンの塔の前で記念撮影。なんかめっちゃ笑ってる家族・・・なんでこんなに笑っているかはわからないけど、良い写真になりました。
この河岸に建つ美しいベレンの塔は世界遺産です。16世紀に川の出入りする船を見張る為につくられた、中世マヌエル様式建築の要塞なのだそう。
この日は中には入れませんでしたが、時期などがあえば中もみられると聞いてます。
お客さんの多いこのエリア、こんなアヒル?の顔した三輪車キッチンカーも。
さて、次はもうひとつの世界遺産「ジェロニモス修道院」へ。徒歩10分くらい。
暖色系の壁色がかわいい。
ふつうに集合住宅。
ジェロニモス修道院が見えてきました。ついでにどんどん暗くなってきました・・・やばーーーい、ってかんじです。傘はあるけど、ちょっと本気で降られたらやだなぁ・・・
とか言ってたら案の定降り出しました。ジェロニモス修道院の向かって右隣はサンタ・マリア・デ・べーレン教会で、こちらは(今も市民が使っている教会なので)するすると入れます。でも1歩足を踏み入れたらわかる、長年沢山のひとが心からの信仰を傾けた場所だっていう厳かさ。
傘を畳んでちょっと上着の水を払ってから、この教会の美しさを楽しませてもらいます。
多分隣の世界遺産に負けないくらいキレイです。
外に出たらすごい雨になってました。雨宿りできる店がないか、店を探したけれどさすがにみんな同じことを考えていて無理。ということで、リスボンの有名店パステイシュ・デ・ベレンでパステル・デ・ナタ(エッグタルト、ここが発祥のお店と言われています))を買って行きましょう。
ジェロニモス修道院はいつでも混んでいるので、(チケットは既にあったけれど)並んでいる間に買ってきたエッグタルトを立ち食い。雨に濡れてちょっと身体が冷えていたので、暖かいエッグタルトでお腹からぽかぽか。そうこうしているうちにぱぁっと青空が広がりました。
マヌエル様式では、見事な装飾が細部まで。
順番を待つ列から「発見のモニュメント」が見えます。近そうにみえるけど、歩いたら10分以上かかるんですよ・・・リスボンに午後1時くらいについたので、そんなに時間を無駄にできません。
天井にある装飾も、この時代のポルトガルの栄光が刻まれています。
北アフリカのセウタを攻略し海外進出を果たしたエンリケ航海王子、彼の没後インド航路を発見し香料貿易でポルトガルに巨万の富をもたらしたバスコ・ダ・ガマ。彼らの功績をたたえ、エマヌエル一世がこのジェロニモス修道院とベレンの塔をたてたのだそう。
はぁーやり過ぎじゃないでしょうか、って思うくらいに優雅な装飾が。
柱に至るまでこの装飾!!!
紋章が天井に入っていますが、誰のものかはわかりませんでした。
壁のおおきなアズレージョ(絵を描いたタイル)
ジェロニモス修道院、現在に至るまでこの優美さ。修道院らしからぬ、なんて言っちゃいけないかもしれないけれど、どれだけの財をかけたのか・・・往時のポルトガル、すごかったんですねぇ。


街歩き、もう少し続きます。



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たなかともこ@ツレヅレビト
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