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地域の魅力〜2022年7月25日
1日を日記としてまとめて書く、ってのは言うほど簡単じゃないなぁ、と思う。その日のダイジェスト?ハイライト?集、みたいなものなんだろうが、1日が大体気持ち的には平坦なので。
さて、本当なら一時帰国さいごの一週間は横浜の義実家に泊めてもらう予定だった。が、先週小学生の姪のクラスが新型コロナ感染で学級閉鎖になって姪も罹ってしまい、義両親が濃厚接触者にあたるということで急遽、水戸の私の実家にそのままいることになったのだ。
その後 政府からの濃厚接触者の隔離期間が短縮のお知らせがあり義両親もまったく問題無くお元気だったのだが、まぁばたばたするよりゆっくりすごそう、ということで出発の日まで水戸に滞在することになった。お会いしたい人たちに会えなくなってガックリもしたけれど、まぁ次回を楽しみに・・・・と思う事にした。
さて、茨城県って「魅力のない県第一位」を「奪還」したのだとか。最初は県民一同ショックをうけていたが、一度魅力のない県第二位になり、再度一位を奪還したことで変な盛り上がりをみせているらしい。トップ画像は茨城空港の預け荷物が出てくるカルーセルに置かれた看板だし、そのやけくそ感がなかなかに笑いを誘う。
でも茨城、良いとこなんですよ。
イイ感じの田舎だし、穀倉地域だし、県境あたりにはなっちゃうけど山も綺麗だし、海の幸も豊富。養豚や鶏・卵の生産も多い。私の大好きな梨もメロンも生産高は1−2を争う県で、メロンの時期は冗談じゃなく「おすそ分け・・・沢山もらい過ぎちゃって」って言って丸のままのメロンが届けられる。
夏の気温も(これまでは)平均して都心より1〜2℃低く、夜なんて冷房なしでよかった(さすがに最近はひっどいから冷房にかなりお世話になるけれど・・・)。
雪は滅多にふらないけれど冬はしっっっっっっっっかり寒くなる(褒めてるのだ、私はメリハリある季節感の方が好き)。冬の空っ風を利用しての干し芋が美味しい。
海があり山があり緑があって水が豊か、東京までも近い。ふらりと出かけたら緑の中を歩ける。空が広い。
そう、東京まで近すぎて昔から商工業が発展しないという残念なことはあっても(大笑)、よく考えるとそれでも豊かなんだからいいじゃない?って思う。街として発展する必要がなかったって、豊かだってことの裏返しだ。それに都会が全てじゃないことに、誰もがそのうち気付くもの。
江戸時代は多くの徳川さん達は江戸の藩邸のほうばかりにいて(そりゃ、都会はたのしいでしょうに)街の発展にはなかなか繋がらなかった。でも逆にいえば だから昔ながらのこちゃこちゃした街が残っているともいう。
区画整理とか人口減少とかなんとかで、昔ながらの町名や道の名前は忘れ去られつつあるけれど、ちゃんと歴史の中の街の立ち位置を残そうという人たちもいるのも知っています。
「歴史散歩」として街を紹介しながら見て回れるコースとか、もっと自治体や市町村が整備出来たらいいだろうにと思うけど、そういうことで人を呼ぼうとしないところもまた、茨城(水戸)のいいところかもしれない。
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一説には 水戸学は幕末に「負けた」体制の学問になったから、地元の人はそれを恥じて 更に歴史の中の自分たちの立ち位置について口にしなくなった、という見方もあるそう。茨城に住んでいるとたしかにそんな感じを受けることもある。
でもね。藩校あと(弘道館という場所が保存されています)を訪れその建物のなかを歩き、庭を眺めながらどんなひとたちがどんな夢をもってここで議論し学んだのだろうと思いを馳せると、それぞれの考え方に理由も正義もあるはずだよねと思うのだ。大勢に従うのが是とされる日本社会で、独自の義や信条を 様々な思想や歴史を中心に学ぶ中で討論したひとたちがここにもいたわけで。
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結果的に体制側になれなかった思想だからといって、かれらの真摯さは否定されたり非難されたりするものじゃないよなぁ。せめて地元の人間くらい、そういう努力したひとたちを理解できずとも受け入れてあげたい。
。。。なぁんてことを、ちょっと思っている。
25日はちょっと頼まれて、マンション探しのお手伝いをしていた。投資とかの視点を抜いていいなら「家を探す」のって楽しくて好きだ。
たまたま出身高校のちかくにある物件を一緒に見に行くことになったのだが、古い水戸の街のなかでもいろんな歴史のあるところで「こういう場所に住むのって、いいなぁ」と羨ましく思った。ああ、そこに決められるのかどうかはそちらのご本人次第だから知らないけれどね。
そういえば宮城出身の私の両親たちは、この小さくて緑ゆたかで便利な水戸のまちが好きで定住したんだっけ。私も子供が成人年齢になって初めて、この街の魅力をしっかりと受け止められるようになった気がする。
魅力度、なんて各個々人が感じたらいいこと。世の中に魅力的なひとたちが沢山いるように、その土地の魅力はちょっとしっかりその場に腰を下ろしてみないと分からないものだ。
ランキングなんかより、自分の感性でその土地、その土地の素敵なところを感じられる人間でいたいものだ。
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