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どっちが、っていうモノでもない

この間、古い知り合いに「玉の輿婚したなと思ってた」と言われた。
「えへへへ、そうだよね」と笑ったけど、本音は その人がまさかそんな風に思ってるとは思わなかったのでちょっとイラッとした。

結婚なんてお互いから吸い上げるものじゃなくてお互いを支えてなんぼでしょうが。他人に分かってもらう必要ないけど、特に結婚当初ラッキーだったのは向こうだと信じている。

(オットがこれを読んでてたら、この↑文章にフザケンナよと思っているかもしれないけど. まぁお互い様だから)


・・・まあ、そんなところで頑張ったところで格好悪いから言わないけどさ(って、ここにぶちまけるww)。

確かに私は頭の良いひとが好きだ。

点数取れる頭の良さじゃなく、俯瞰してフラットに物事を見ることが出来る頭の良さ。そこに人情味みたいな一見まったくテイストの違うエスニック調味料みたいなのが振り掛けられちゃうと 個人的には降参です。

でもね、得をした、という視点は「だれが」「どの部分を」見るかじゃないかな。私達的にはeven(同等)だったと思う。

パートナーはなにかと個人の性格や資質の見えない部分を語るものとして受け取られている、と思う(男の人はそう思わないかもしれないけれど、女性は間違いなくそういう視点で見ている)。

「あの女性に選んでもらうって事は、普段の言葉遣い悪いけどちゃんと物事を公平に見てるって事ね」
「とても釣り合いそうにないのにあの女性が一歩引いてついて行ってるってことは、そういうことなんだろう」

みたいな評価は 言葉にしなくても女性はやってる。

とにかく個人の持っていないものを補完して、さらに良い印象までつけてしまうのはパートナーの人となりだとおもう。

そして、思い上がってると言われようがなんだろうが その頃の私はちゃんとそれらを相手に与えてたはずだ。(今は知らないけど)

オトコは見た目じゃない、と言われるがやっぱりイケメンは世のひとがみんな好きだ。同時に良く知られていることだが(これは女性にも言えるけど)見た目が良い=中身も良いとは言えない、というか外れも結構ある。痛い思いをしたことがあるヒトはたくさんいるだろう。

オットはいまだにイケメンで通るひとではある。でも彼の一番の良さは彼の三枚目なところにあると私は思っているし、もう今やその三枚目なオットしか目に入らない。娘に叱られて躍起になって娘にやり返そうとしてるところとか、きっぱり「そういう所が大好きだ」と言える。


将来安泰だからとか毎日見ていて幸せになるイケメンだからとか、そういう理由で一生のパートナーを誰かが選ぶことを悪いとは思わない、私はやらないだけで。
だけど、将来どうなるか分からない結婚だけど何があっても私が全部支える、と言うにはまだ日本の女性には相当の覚悟が強いられる社会だ。どうしたって一般の稼ぎは女性のほうが低くなるから。(もちろん、私が医者を目指したのはそこもある、食いっぱぐれはないってところで)

それに「自分で生きていける」と理解した女性は別に結婚なんかで自分の人生をややこしくする必要もないのだ。男性が何と言おうと誰かと一緒に人生を歩こうとしたら、女性の方が絶対的に柔軟性を求められるんだから。柔軟性、というのは「心外な言葉を受け止め、流す」「仕事を変える」ということも当然含まれている。

そんなことない、俺はちゃんと女性を立てて彼女がやりたいことをサポートするよ、という人もいるかもしれない。うん、それは素晴らしいよ。でもさ、「子供がいるのに」って男の人が言われるのは不倫したときだけじゃないですか。「夫なんだから」って陰口たたかれないでしょう。あなたのパートナーは、奥さんは、多分そういう「聞き流すべき誹謗中傷」が将来的にあることも含めて受け止めてるんだと思うんですよ。

まぁなんにしても、結婚という法的手段を越えること自体、男性には大きな決断だ、みたいによく言われるけど、そんなのどっちもどっちだと思うんだよ。
大体、名前を変えるって、自分の人生の成果を一旦ドブに捨てるみたいな所もある。忙しくても手続きは自分でやらなきゃいけないし。
誰が好き好んでこんな面倒ごと一気にやるもんか。

それでも。

分かっててもその人と歩くと、苗字を変える事も含めて受け入れると「私が」決めたのが結婚なんだ。夫婦別姓にこだわらなくても名前が変わっても「私として生きて行くのは変わらない」そういう覚悟でOKしたんだ。

玉の輿、だぁ?あっちが逆玉なんだよっ

・・・・と、叫んでしまいそうになる。
(万が一、オットがこれを読んでいたら・・・ごめん、逆玉は言い過ぎだ。諸々、毎日毎日感謝してます。)

・・・・ちょっと落ち着いて。
学歴社会のなかでは確かに玉の輿といわれても仕方なかろう。うん、正直オットの出身校聞いた時点で「人間じゃない」と思ったもん。最初は彼のことを絶対宇宙人だと思っていた。全国模試で二番のトロフィーなんて存在するのを知らなかったし。(結婚後、彼の実家にこそっと物陰に置かれていたのをまじまじと二度見してしまった)


だけど、そのひとがどれだけ不器用な生き方をしているかとか、周りに好かれ支えられて「しまう」性質を持っているがために逆恨みする人も出ることや、波風立てたくはないけど専門分野の価値観になると立場とかなんとかすっかり忘れてケンカしちゃうところとか、あんまり些事にかき回されたくない人だとか、思い込みで評されることを嫌うところとか、「ほっといたら低きに流れる」ことを一番理解してるから自分にかなり厳しくて他人には「そういうところもあるよね」と許してる(過度な期待をしない)とか・・・私は彼のそういうところをカバーしたいと思うしやって来たと思う。そして彼のそういうところに沢山助けられてきた。

結婚して20年になろうかというところなので、流石にいろんな局面も通っている。何度か三行半を突きつけたかったことも(突きつけたことも)突きつけられそうになった事もある。あれ、突きつけられたことあったっけ?←自分に都合の悪いことはさっさと忘れる性格。

結婚直後ならいざ知らず、その年月 あれもこれも含めて一緒に歩いたところを「玉の輿」なんて言わないで欲しい。いや、色んな自由度とか貴重な体験とかさせて貰っているけれども、同時にそれらを貴重だと思える「毎日」を一緒に作っているわけだから。優雅に専業主婦、は、それが好きな人、得意なひとには素晴らしいが、私はAからZまで家事に苦しさしか感じないところから始めたんだ。

玉の輿、にはイラッとしても、素晴らしい伴侶を得たと思っているし一緒にいてくれることに感謝しかない。子供のことで壁にぶつかれば何を投げ出しても一緒に子供に向き合ってくれる。家事の下手なヨメに文句を言う前に自分で掃除機出してくるし、子供とゲームで戦って負けると本気で悔しがっている、そんな姿も大好きだ。

そういう「これ以上ないというくらい良く出来たオット」という意味で玉の輿、と言ってくれるなら「うん、そうだよ!」大声で、心からの笑顔で応えたいと思う。


玉の輿に反論しようとしたら3000字のラブレターになってしまった。ま、たまには良いでしょう。(なにが)




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たなかともこ@ツレヅレビト
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