暑さは視界を望遠レンズ化する。
うだる鴨川二度目の夏。行きつけの理髪店で散髪した。
刈り上げたんですか?
えっ?刈り上げ?私?
気になって一生のうちそうなんども確認することはないバックヘッド。
うしろの頭を自撮りした。
いきつけの理髪店でいつも通りとお願いしたらうしろ坊主になっていた。
理髪店と呼ばなければならない令和に暮らしているが、昭和のままのしつらえがそのままの床屋=理髪店に魅了されもう四五回通っているが、今回はずいぶんと思いきってくれたものだ。尋常ではない暑さを気遣い坊主頭に仕立ててくれたのだろうか。すでに八十代に手が届きそうなご婦人だがシャッキっとお元気だ。通常とは異なる風貌だが子供の頃にはそんな人は周りに多かったから、逆に私には親近感が増す。亡くされたご主人の話をよくされるから、きっと相思相愛だったのだろう、現在はお会いしたことはないが、娘さんと同居されているようだ。こんな話を繰り返しているとホームドラマの一員になってしまいそうだからもうやめるが、たった一人で経営されているその女主人の整髪技術は筋金入りだ。私が小学生の頃通っていた床屋とほぼ同じスタイルを踏襲している。これで耳かきがあれば完璧だ。なんでも私の代でおしまいだとのこと。死ぬまでなくならないで欲しいがそれは我儘な思いだろう。こんなしんどい仕事を今の若い子には無理だとおっしゃっていた。
季節の変わり目ごとに送られてくる素晴らしいフリーペーパー?パンフレット?ZINE?呼び方はともかく、ギャルソンの新作商品入荷のお知らせでもあるが、狙いは企業イメージを促進する為の印刷表現によるアートだ。
今回の印象はカラフルな花束が目を惹き思わず手に取りたくなった。
毎回感じるのは企業理念でもある細部に至るまでのクオリティーの高さだ。
限りある制約の中でこれほど革新的な企業誌はこれまでなかったのではないか?しかしそれだからこそこのブランドへの信頼が高まるのだと思う。
しかも一度始めたらやめない。その姿勢に感服する。大袈裟に言えば、世間が納得するまでやめない。つまり途中で理屈をつけたり言い訳したりして発行をやめたりしない。
更にこのメディアの読者をどう捉えるかだが。そこに日本向けという配慮はないだろう。多分、ワールドワイドで伝えられる内容を制作の基準に置いていると思われる。有り体に言うと、日本国に住む日本人以外の編集者やアートディレクターが中心となり制作し配布する国の翻訳を加えているのだと思われる。単刀直入に言えば、売れると判断した物しか作れない日本国内の出版業界からはけして生まれることないアート作品だと私は思っている。
その作品から少しカットアップ引用してみる。
まず表紙を広げると、
上記のコピーは35年前に私がクラブキングを設立し、日本でクラブカルチャーを育成しようとした理由のすべてでした。
その結果として生まれたのが
そして、以下の表紙が、
34年目の最新号・freedom dictionary 207号である。
お手にとってご覧ください。
雑誌にはあなたの携帯でそのまま聞くことができる選曲がいくつもあります。ぜひご体験ください。
初代選曲家 桑原茂一
選曲を楽しむ PirateRadio 通称 海賊船
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