双極性Ⅱ型気分障害コラム うつ状態の心理療法(その23)100か0の思考:60でいいのです
うつになられる方は、まじめな方が多いです。
ちゃらんぽらんな人でうつになった人をあまり見かけたことはありません。
真面目な人というのは、与えられたこと、自分の責任だと思うことはきちんとやろうとします。
100点とか120点を目指します。
そうすると80点でも目標未達になります。
80点だから良かったと思うのではなく、100点ではないから、自己採点が0点だと思ってしまうのです。
0点とは完全自己否定の状態です。
つまり、自分の存在は意味がないと思います。
意味のない存在ならば、生きている意味がない。
⇒ 自死 を選択する可能性が高くなります。
でも、60点ではだめなんでしょうか?
80点とかはとってもいい方だと思いますよ。
物事は、真っ白か、真っ黒はありえません。
世界はすべてにおいてグレーです。
60点とれたら、それは自己採点ではほぼ100点です。
60点の人生でいいではないですかぁ???!!!
と思うように訓練したらいいのです。
(その22)はじめに:認知療法の『半分水がはいったコップ』と一緒ですよ〜
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(その23)100か0の思考:60でいいのです
一般的にうつ状態が出ている時(躁状態でも似ているかとは思いますが)は、100か0(ゼロ)の思考パターンに陥りやすくなります。
うつ状態だと、『自分はもうだめだ』、『死にたい』、『この世から消えたい』、『会社を辞めたい』などと自分自身を完全否定する思考に落ちやすくなります。うつ状態になる人は生真面目な人が多いです。
そういう人は100点以上を出さないと、自分を全否定します。
100点か0点かです。
0点になれば、完全な自己否定ですから、その反応としてうつ状態になります。
しかし、100点をとらなければならないのでしょうか?
学校でも60点とれば『可』で単位はとれます。
そう60点でいいのです。
60点をとった自分をほめるようにすれば、60点の自分を自己肯定でき、うつ状態へ落ちにくくなります。
100点をとる必要はありません。
会社でどうしようもなくなり、うつ状態になった時には、誰しも会社を辞め(0点)たくなります。
しかし、これは病気の症状です。
会社を辞めるという0点の選択をする必要はないのです。
休職すればいいのです。
休職してゆっくり休めばまたエネルギーが溜まってきて気分が回復していきます。
そうなった後に会社に復職してもいいし、それでもポジティブな転職を考えるのであればそうすればいいのです。
すぐに会社を辞めるという0点の決断をする必要はありません。
逃げればいいのです。
逃げて、体力を回復して、60点をとる生活をすれば、うつ状態の再発をかなり予防できます。
人生は、色々な逃げ道、選択があります。
まずは一歩ひいてみて、自分の状況を客観的に判断し、自分で判断できなければ家族や周囲の方に相談しながら、休めばいいのです。
『頑張らないこと』を『頑張り』ましょう。