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サードプレイスとしてのnoteサークル
人間関係というのは、大人になればなるほど固定されてしまうものだ。
これはもう、どうしようもないことかもしれない。
縛られるという表現は使いたくないが、たいがいのひとは「家庭」と「仕事」というふたつのコミュニティーだけで手一杯である。身体はひとつしかないし、一日は24時間しかない。無理もない話だ。
それでもなお、どこかに3つめのコミュニティー、それをサードプレイスと呼んでもさしつかえないが、が入り込む余地はないだろうか。
そんなことをずっと頭の片隅でかんがえつづけてきた。
2002年に「moi」というカフェをつくったのもそうだし、いまnoteでやっている「nuotio|takibi」というサークルの出発点もそこにある。
「フィンランド好きのためのサークル」。
ひとまずそれがこの「nuotio|takibi」というサークルの説明文といっていい。
じっさい、そこでは掲示板をつうじてフィンランド関連のイベント情報をチェックしたり、お気に入りの情報をだれかとシェアすることができる。
だが、それはあくまでもこのサークルのひとつの側面にすぎない。
重要なのは、いま自分は「好きなもの」でだれかとつながっているという確かな手ごたえ、確信のほうにある。
この場合、「好きなもの」というのはもちろん「フィンランド」のことにほかならない。
ムーミン、オーロラ、サンタクロース、デザイン、ヘビメタ、シナモンロール、モータースポーツ、かもめ食堂……フィンランドという国への関心の入口はさまざまだが、それでもフィンランドを好ましく感じるひとに共通の傾向や気質といったものがたしかにある。
それは、カフェをやりつつたくさんのフィンランド好きと接してきた自分なりの実感でもある。
「nuotio|takibi」のオフ会では、仮に初対面同士だったとしてもすんなり会話が始まるし、いかにもフィンランド好きならではと感じるのは、そんなに頑張ってしゃべらなくても場がもつことかもしれない。
そして、それはなによりおなじ傾向おなじ気質を持つ者同士ゆえの安心感や連帯感が根底にあるせいだろう。
サークルの集まりで、終わってみたらフィンランドの話を全然しなかったねと笑いあうようなことがあったとしたら、それはそれでとても素敵なことじゃないだろうか。ぼくは密かにそうかんがえている。
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