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今週の日記|豊かさとは、選択肢の多さより、そこに自分の欲しいものを見つけられるかどうか
5月10日 アットホームな職場
午前中、ハラダくんと定例のミーティング。今週やるべきことの洗い出しと分担の確認など。
あちこちの家で洗濯物が風にはためいている。気持ちのいい天気だ。もし求人サイトに掲載するとしたら、こんな文面もよいかもしれない。「よその家の洗濯物を眺めながら打ち合わせができるアットホームな職場です」。
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池袋の東急ハンズで木ネジと椅子の脚につける傷防止パッドを購入。その前に100円ショップも覗いてみたのだが、椅子の脚にはかせる毛糸のソックスみたいなものしか見あたらず、ふつうのシールタイプがない。誰が好き好んで、わざわざアアルトの椅子にそんな3歳児の靴下みたいなもんはかせるものか。
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日本のお店をみていると、そこはモノであふれ返り、いつもその選択肢の多さには迷わされる。その一方で、ごくふつうのシンプルなものを見つけようとすると思った以上に苦労したりもする。こんなにモノはあるのに、自分が欲しいと思うものがみつからない。
反対に、初めてフィンランドを訪れたときの感想は、この国には迷うほどの選択肢はないが、そのなかに自分が欲しいと願うものがかなりの確率で含まれているということだった。自分が、フィンランドという国との相性のよさを直観したのはそのときだ。
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帰宅後、残りの椅子の組み立てに取りかかる。指の2ヶ所にくわえ、手のひらのマメもつぶれる。これでようやくすべて組み立てた。とはいえ、テーブルが1台のみなので家のあちこちに椅子ばかり散らばっている状態。これならいつでも好きなときにイス取りゲームができる。「仕事も遊びも全力投球。絆が深まる職場です」。
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日没前のまだ薄っすら外が明るい時間、いまでいえば18時くらいにキャンドルを灯すのがうれしい。ちょうど白夜の北欧を思い出す。同じように、天気がよくない日にキャンドルを灯すのも楽しい。
キャンドルは、暗くなってから灯すものというより、ぼくにとっては外光を引き立てるスパイスのような存在といえる。キャンドルを灯すことで、暮れゆく光はよりいっそう愛しくなる。いつも言っているが、みんなも日常的にキャンドルを灯せばいいのに。それだけで心はすこしだけ豊かになるし、自分が自然の中に「ある」と実感できる。
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