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今週の日記|梅雨と夏至
日本は梅雨真っ盛りですが、北欧ではこの週末は夏至祭です。東京でも、晴れさえすれば7時すぎまで明るく日の長さが感じられますね。
自分が北欧フィンランドを好きになってよかったと思うことのひとつに、それまでただただ鬱陶しいだけだった「梅雨」の時期に、新たに「夏至」という楽しみを発見できたことがあります。
日の長さを楽しめるようなちょっとした工夫(薄暗くなってきたらキャンドルを灯すとか、ソーセージを頬張るとか)でこのジトジトしたレイニーシーズンを乗り切りたいところです。
6月25日 アキ・カウリスマキの映画
スタッフコラムを更新しました。今回は「C」ではじまるフィンランド語です。
お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、フィンランド語に「C」で始まる単語はありません。笑
手元にあるフィン日小辞典には全部で4つ、フィン英・英フィン辞典には13の「C」から始まる単語が載っていますが、もちろんそのすべてが外来語です。しかも、後者にはcoca-colaやcopy、curryが含まれます。笑笑
というわけで、ハラダくんは「Chatti(チャット)」、ぼくはアキ・カウリスマキ監督の映画のタイトルから「Calamari Union(カラマリ・ユニオン)」です。もはやフィンランド語でも、単語でもない。苦しい。
ちなみに、「calamari」とはイタリア語で「イカ」のことだそうです。
***
というわけで、ひさしぶりに『カラマリ・ユニオン』を観直しました。アキ・カウリスマキ監督の長編第2作にあたる作品ですが、批判精神や弱者へのまなざしといった現在に至る映画作家としてのアキ監督のエッセンスがすでにぎっしり詰まっています。
とはいえ、いきなり観てもおそらくはただただ戸惑うにちがいありません。その理由はふたつ。
①これといったストーリーがない(A地点からB地点をめざすだけ)。
②主人公が15人。しかもその全員の名前が「フランク」。
ね?意味わからないですよね。
では、なぜ繰り返し観るのか? これはアキ・カウリスマキの作品全体に通じることですが、フィンランドのことを知り、理解が深まれば深まるほど解像度が増し、そこから得られる情報量も増えるのが彼の映画だからです。
その意味で、自分にとってはどれだけフィンランドとお近づきになれたか、それを知るための「踏み絵」みたいなところがこの『カラマリ・ユニオン』にはあるのです。観れば観るほど味わい深くなるスルメ作品(「イカ」だけに)。←うまいこと言った
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