田渕由美子さん フランス窓便り Part 1:杏
先日本棚の一角の田渕由美子さんの単行本を久しぶりに取り出し、また読んで懐かしくなりました。そこで、田渕由美子さんの作品について、以前まとめた資料も使って、noteでぼちぼちと感想を書いていきたいと思います(あらすじはネタバレなので一番下に置いときます)。ちなみに順不同(けっこう好きな順だったり)。
第2回は、フランス窓便り Part 1:杏
牛乳屋さん登場!(あんまりまんがに出てこない職業ですね)
杏ちゃん、乙女ちっく全開です。「牛乳屋さん、牛乳屋さん」とはしゃぐ杏ちゃん、かわいさ満点。 朝寝てしまった杏ちゃんに「おはよう」と声を掛けるラストシーンがほんわかします。 このシーンを書きたいがために牛乳屋さんという設定にしたのではないかと思うくらいです。
杏ちゃんの着ていた「うわっぱり」にあこがれたひとも多いはず。 さすがにびわの木に登った人はいないでしょうが。 田渕由美子さんの登場人物のいいところは、朝まで起きて朝一番であやまろうとする、そんな「頑張ろう」とするところ。
内気でドジな私だけれど、一生懸命さは誰にも負けません。この辺りが乙女ちっくの真髄ではないでしょうか。
しかし本多くんはなぜ3年間も文通してたんだろう?それに、本多くんも牛乳屋さんも予備校生なのに勉強してるんだろうか。
初出 りぼん 1976年6月号
収録
・フランス窓便り【田渕由美子傑作集3】 りぼんマスコットコミックス(集英社)
・フランス窓便り 集英社ガールズコミックス(集英社)
・田渕由美子全作品集 Ⅱそよ風の輪舞曲 南風社コミックス(南風社)
・田渕由美子作品集1フランス窓便り 集英社文庫コミックス版(集英社)
・林檎ものがたり(りぼん おとめチックメモリアル選) 集英社文庫コミック版(集英社)
あらすじ
3年間文通してた本多くん。東京にでてきて再会した本多くんはすっかりキザになっちゃって、中学から進歩のない杏ちゃんはデートをしても戸惑うばかり。 ある朝庭先の木に登ってビワを取っていた杏ちゃんの前にあらわれた牛乳屋さん、本多くんの友達で話ははずむものの杏ちゃんのことを苗子と勘違い。 訂正できないまま牛乳屋さんと仲良くなった杏ちゃんですが、真剣な牛乳屋さんにこのままではいけないと、帰ってきてしまいます。 忘れ物を届けに来た牛乳屋さんは苗子に会って、小さな嘘がバレてがしまいます。杏ちゃんは、なんとか牛乳屋さんにあやまろうと・・・