夫の主成分は理不尽と野心と競争心
うちの夫の人間としての器は、ヤクルトの容器級に小さい。
先日までは「残業ないから給料が低い!」と怒っていたと思ったら
その直後から仕事が忙しくなり、残業と休日出勤の嵐がやってきた。
すると「疲れた…熱があると思う…」といきなりアマゾンからでも帰ってきたみたいな物言いをする。
疲れているのは事実な夫。
夫の場合『疲れ=怒り』という謎の方程式があって、疲れているととにかく周りに当たり散らす。
先日は子供をお風呂に入れることについて
「俺は毎日入らないから子供達を毎日入れるのは嫌だ!!」
と怒り出した。
この事について断っておきたいのが、私も他の家族も、夫に子供達を風呂に入れて欲しいとは1回も行ったことがない。
勝手にやっていることで勝手に怒っているのだ。
…は?
頼んでもいないことを勝手にやって「俺だけ頑張ってる!」と怒るのは夫の主成分である。
バファリンが半分優しさで出来ているなら、夫はこの理不尽さで出来ているだろう。
今回も呆れてしまったので「ふうん」とだけ言って30分くらい放置した。
その後ちょっと話しかけたらビックリするくらい明るく返事されて、そこからずっと喋っていたので「失敗した―――!!」と心の中の私がのたうち回った。
この変なスイッチが入った夫はとてもめんどくさい。
例えるなら、全然興味もない上司から無実の罪で説教されるくらいめんどくさい。
夫のめんどくさい話は「最近の若者は覇気がない」という話になった。
夫は野心が強めなので、仕事において向上心が暑苦しい。
その野心むき出しで言った言葉が
「俺と競ってくれよ。ワクワクするから」
…冷めた。キンキンに冷めた。
この場合、厨二病は私の方だろうか?
熱さを目の前にして急激に冷めてしまった自分をちょっと責めながら、何故そうなったのかを考えてみる。
多分、私は誰かと競うというのが心底苦手なのだ。
在宅ワークに憧れているのも「誰かにライバル視されたりするのが辛いから」というのがある。
出来るだけ他人と関わる時間を少なくして、自分の心を穏やかに保ちたい。
他人の感情を自分の中に取り込むと、そっちの方に心が持って行かれてしまうから。
今の職場でも「自分がやるべき仕事をこなして無事に家に帰りたい」と思っているので、そこに他の人から「あんたばっかり!」とか言われるとションボリしてしまう。
先日も上司から「あんたばっかり頑張ってるって周りから言われたけど、そんなことないよね?」と言われたり、先輩から「あんたばっかり評価されるけど私だって頑張ってる!」と言われた。
…知らんがな。
むしろ、私無関係過ぎない?
人生の中で、こうゆう場面に多く出くわしてきた私は無意識のうちに他人との関りについて苦手意識を持ったのだと思う。
効率よく働いて給料をもらうために働いているのに、そのために必要なこと以外を取り込むことが苦痛になってしまった。
だから、夫の言っているワクワクを理解するのに時間がかかる。
散々夫のワクワク話を聞いて答えたのは
「へぇ…すごい。アナタ、すごいね」
だった。
その言葉を待っていたらしい夫はご機嫌で布団に入った。
まぁ、これはこれで良しとしよう。
夫が持ち合わせているものを、自分が全部持ち合わせている必要はない。
夫を目標にして今から野心や競争心を芽生えさせる気もない。
ただ、否定することなく「すごいなぁ」とただ単にリスペクトすることにする。
こうゆう所も、競争心がないってことなんだろうなぁ。