サーチライト
昨日のものまね番組で玉置浩二の「サーチライト」が流れた。
必死に涙を堪えながら(これがまた激似だったんだもの)普通に家事をこなした。
大好きで、大好きで、とても眩しい人だった。
初めて一緒に夜通し話をして、自分が今まで生きてきた人生のこと、どんな風になりたかったかを泣きながら話した。
私はもっと自由に行きたかったんだ。家族とか自分で選んでこれなかったものから自由になりたい。
そう言いながら恋愛関係にある男と女にあるまじき添い寝というプラトニックすぎる一夜を過ごした。
少女漫画が震えるぜ。
朝、iPodを取り出した彼が聞かせてくれた曲。それが玉置浩二の「サーチライト」。
「どんな歌なら君のことを救えるのかと考えたらこの歌だったよ」
ずっとずっと一緒にいよう。
どんな事があっても照らしていくから。
彼が仕事で大きな転機があった時、私は彼のこれからに向けてこの曲を贈った。
一緒にいれば不安は消えなくてもまた笑って生きていけるよ。
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でも、私は自由になることはなかった。
自分のルーツを捨てることはできなかったし、それを貫くことで私達は一緒に生きていけなくなることも分かっていた。
何度も何度も本気の言い争いをして、疲れ果てた先に2人で婚約破棄を決めた。
私の母は泣いたし、周りも相当心配していたと思う。迷惑なんてもう宇宙規模でかけた。
それでも私達はお互いをそばに置いて生きていくことは不可能だと思った。
縛り合うのではなく、結び合って生きて行きたかったから。それができない以上、結婚はあり得なかった。
燃やし尽くして、泣き尽くして、笑い尽くした時間。
その時間があるから、私はまだ自分を信じて生きていく事ができている。
別れてもなお、サーチライトは照らされている。
私が曲がって生きていかないように。
自分が信じた人生を迷わず生きていけるように。
結婚の報告をした時、笑いながら
「戻ってくるなよ。お前はもう自由なんだから」
と言ってくれた。
そうか。私はもう自由なんだ。何にも縛られずに生きるんだ。
そんな極限だけど優しかった時のことを思い出させてくれたこの曲。
聴いたことない人は是非聴いてください。
ちなみに昨日のものまねの人、そっくりだから。
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