子育てと記憶の引き出し
子育ては新しいものを取り入れながら古い記憶の引き出しを開けながら進んでいく。
『もう誰も愛さない』というドラマをご存知だろうか。
1991年に放送されたドラマで、吉田栄作や山口智子、田中美奈子がまだまだトレンディもトレンディな時代。
当時再放送で見ていた私は小学生。
夕方から大分ディープなドラマを見ていたと思う。
ながら見だったけど、結構強烈なシーンが記憶に残っている。
あれから20年以上過ぎた。
ひょっこりとこのドラマのことを育児の真っ只中で思い出すことになる。
息子が生まれ、自分で飲み物を飲むことができるようになりたての頃の話。
一人で牛乳を飲もうとした息子が盛大に床にこぼしたらしく、全身で牛乳を拭こうとしていた。
その姿を見て、このドラマの1シーンを思い出した。
そう、車椅子生活になった吉田栄作が牛乳を溢してそれを拭こうと車椅子から転げ落ち体で拭き始めるというなかなかどうしようもないシーン。
子供心に「それ、ダメなやつじゃん」と思った記憶が鮮明に蘇る。
注意するとかの前にこのことを思い出してしまったので、笑いが止まらなかった。
息子も一緒に笑っていた。
ひとしきり笑った後ちょっと早めの風呂に入った。
そんな我が家の吉田栄作は、いつの間にか牛乳を飲まなくなり。
先日コップに入った牛乳をカルピスと間違えて飲んで「牛乳なのかよ!!!」と大人みたいにキレていた。
それでも、あの時の衝撃と爆笑の記憶は今でも鮮明に思い出せる。
子育ては新しい記憶や思い出の連続だけど、時々その中に自分が大事に持ってきた記憶と重なることがある。
小さい頃の思い出、自分が親からしてもらって嬉しかったこと、もっとこうすればよかったという反省諸々。
その中に時々どうしようもないものがひょっこりするのがまた面白い。
私達は大切でくだらない毎日の中に生きている。
それが沢山続けばいい。沢山長生きできたら幸せだ。
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