息子の夜遊びと母の涙と厚切りパン
月曜日は子育てエッセイを公開しています。
息子は以前、私達両親が寝落ちしたタイミングで1人時間を満喫していた時期がある。
夜中の2時に息子が起きているのを発見した時は流石に注意した。
母である私も確かに1人時間は好きだ。
夜中に1人でnote書いたり手帳書いたり好きなことをするのはとても楽しい。
しかし息子はまだバリバリの未就学児。
危険だって伴うわけで親としては気が気でならない。気を引き締めなくては。でも眠い。
ある日、昼寝をたっぷりしたこともあって息子は全く眠れず。
寝落ちしてしまい、気が付くと暗がりで1人出窓に座り絵本を見ていた。
出窓は危ないよ!と寝ボケた頭で息子に声をかけると、息子は素直に降りてきて布団に入った。
布団の中の息子は何だか満足気。
そうかぁ。君は1人時間の楽しさを君も知ったんだねぇ。
流石我が息子と褒めたいところだったけど
「楽しいのは分かるけど悪戯するのは良くないしさぁ、できれば母ちゃんと一緒に寝て欲しいわ」
と声をかけた。息子はうんうんと相槌を打ってくれたのだけど
急に話し始めた
「母ちゃん、息子くんがカゼになったらね…」
寝ボケていた私の頭には“カゼ=風“と変換された。
一気に頭の中で『千の風に…』のイントロが流れる。
これまでも不思議なことを連発してきた息子。
予知的なこと?ちょっと!それだけはやめて!!!!!!!
もう涙目どころか涙が溢れる。
息子が風になるなんてそれほど悲しいことはないんだ。
すっかりとち狂った母に息子は続けて言う
「おくすりのアメを食べればいいと思うよ」
…もしや、“風邪“?
そこでやっと思い出したモフ虫。
その日、夕方から声枯れがしていた息子に風邪かなぁ明日病院行こうかなぁと話していたのだ。
(我が家の近所には日曜午前中だけ診察してくれるの小児科がある)
息子はそれを覚えていてもし風邪をひいたらという話をしていた。
いつの間にか声枯れもすっかり改善していた。
そっかぁ、そうだね。と返事をして息子の手を握った。
本当に飛んで行かないように。
日曜の朝6時。夜更かしした息子は勿論起きていなくて、レオンの朝散歩の後コメダでモーニングをすることにした。
着替えて準備をして夫に声をかけようとすると…ピンクのパジャマを着た女性と目が合う。
そうだ。思い出したけど、娘は昨日19時前に寝た。
約半日寝ていた娘はとても爽やかそう。
諦めてカバンを置こうとすると、夫が「行っておいで」と声をかけてくれた。
深々とお礼を言ってコメダに到着。
トーストを追加して厚切り食パンを1枚小倉トーストで食べた。カフェオレの温かさがじんわり染みたのを覚えている。
そうだ。家族を失うこと以上に悲しいことなんてないし、子育ての悩みや苦労は次第に忘れていく。
それまでは忘れたフリして笑っていよう。