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九千二百五十三万六千四百八十七人目の適合者

新年明けましておめでとうございます
楽しいこと
嬉しいこと
幸せと思うこと
ワクワクすること
沢山あればいいと思います

ということは、自分の中にいるフェアリー自分に逐一確認していかなければならない。

フェアリー自分
「なぁ、なぁ」
自分
「え?誰?」
フェアリー自分
「なぁ、こっちだよ。わかってんだろ、俺だよ、フェアリーだよ」
自分
「あ、あ、フェ、フェアリーくん!!」

私はいつの間にか忘れてしまっていたのです、私の中にはフェアリーくんがいたことを、、、

幼い頃、私たちはいつも一緒でした。
とりたてて何をするわけでもありません。
ただ庭を駆け回ったり、珍しい蝶々を見つけるとどこまでもどこまでも追いかけたり、星を見ながら静かに涙を流したこともありました。いつでも一緒でした。今考えてみるとあれは多分私がオナニーを覚えた頃からでしょうか、フェアリーくんと会う回数が減っていきました。覚えたてのオナニーに勝るものはなく、何も気にすることなく日々オナニーをしていました。
覚えたてのオナニー、壊れかけのレディオ
私が最後に見たフェアリーくんはすっかりやせ細り顔色も薄めた灰色みたいになっていました。小さい声で何か言って消えていってしまいました。
涙は一粒も出ませんでした。
何かを無くしたこと、大事なものを失ったこと、自分が自分ではなくなったことに気づけずにいました。
それからは人に嘘をついてきました、傷つける嘘、ただの嘘、沢山嘘をついてきました。
人を騙して人の気持ちを考えず人の邪魔をして人の優しさを利用して人の思いを踏みつけてきました。
そして私の回りに居るのは冷えて擦りきれて尖って醜く固まっている人達だけになりました。
ある日、私はその中の一人を殴りました。
名前も知らない小さな花、場所は違っても多分毎年咲くであろう小さい花。私の前を歩いていたその人はその花を踏みました。瞬間的に殴りました、何度も何度も殴りました。私はわけがわからなくなって逃げました、走って走って逃げました。
そして今、、、

自分
「今までどこ行ってたんだよ、フェアリーくん!」
フェアリー自分
「どこも行ってねえよ、俺はお前の中にいるんだよ」
自分
「だって全然姿を見せてくれなかったじゃないか」
フェアリー自分
「姿を見せねえじゃねえよお前は、俺は何回も何回もお前のことを呼んだんだぜ、でも気付かなかったじゃねえか、見ようとしなかったじゃねえかよ」
自分
「だって見えなかったんだからしょうがないだろ」
フェアリー自分
「まぁ、それはもういいよ。それよりさ、お前に言いたいことあったんだよ。」
自分
「な、な、何だよ、フェアリーくん?」
フェアリー自分
「あのな、ざるそばっていうのはもう冷たいから一回持ってからフーフーするんじゃないよ、まったく」
自分
「ぐぬぬぬ」

あなたの心の中にもフェアリーくんはいます。

それでは皆さまどうかくれぐれもご自愛ください。

賀正





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